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キーンコーンカーンコーン
クラスメイト
若井
下校の呼び鈴が鳴ると、友達の誘いも断り、急いで教室を出た。
そして、近くの薬局に向かい、風邪の時に必要そうな物を買い物カゴに入れていく。
薬…冷えピタ…ポカリ…
とりあえず思いつく限りの物を買い込み、寮に直行する。
寮に入ると相変わらずすごく静か。
元貴って居るのか居ないのか分からないくらいいつも静かなんだよなーと思いながら、恐らく今は居るであろうドアをノックする。
コンコン
返事がない。
中で倒れてたらどうしよう!
勝手に部屋を開けるのを躊躇いながらも、心配が勝ち、そっとドアを開ける。
大森
すると、元貴の規則正しい寝息が聞こえてきた。
はぁー、良かった。
若井
部屋の入り口で中の様子を伺うおれは、手に持ってるビニール袋に目をやる。
若井
少し考えた結果、おれは元貴の部屋に足を踏み入れた。
起こさないようにベッドの横まで来ると、買ってきた物をベッド近くに置き、その中から冷えピタを取り出した。
前髪で目元は隠れているが、頬が赤く、規則的に聞こえてた寝息もたまに苦しそうで、まだ熱は下がっていないようだ。
若井
おれは小声でそう言いながら、冷えピタを貼る為に元貴の前髪をどかしていく。
いつも長い前髪が邪魔して見えない為、初めてちゃんと元貴の顔を見る。 白い肌、女子みたいに長い睫毛、少し下がった眉毛、そして赤くなってる頬と唇。
ドキッ
…?ドキッてなんだよ!
心の中で自分にツッコミを入れつつ、慌てて冷えピタを箱から出すと、元貴のおでこに貼り付けた。
大森
冷えピタの冷たさに一瞬、声を出したが、熟睡しているのか、起きずにまた寝息を立てる元貴。
そんな元貴に、おれは慌てて部屋を出た。
若井