時は明治維新が1870年… 300年の暦を刻みし徳川幕府が治世は既に昔 日ノ本はその様相を西洋が景観に染めつつある世… 多くは、かつての江戸の習わしを 新しき御代へと替え 天下は革新の時を歩みつつあった。
西は西洋が頭目 大英が築きし「須地威武(スチーム)」なる蒸気の機械を日ノ本にもたらし 大清(中国)、新加坡(シンガポール)は横浜に一大繁華街を築き上げ 太平洋は遙か東 亜米利加(アメリカ)にて回転拳銃、鳴呼武須斗論具加農(アームストロングカノン)なるを始め 様々な火器をもたらすと同時… 西洋の出で立ちをしたかつては南蛮の 鼻高き白肌の異人が日ノ本各地に蔓延り 江戸は今や花の都「東京」と相成った。
一方… 今の日ノ本を良しと思わぬ者は少なからず有り… 各地にて、新政府が突き立てし「廃刀ノ令」 に反旗を翻す不穏分子は未だ一掃されず… 未だに各地では新政府転覆の気を伺う攘夷志士もあったという…
【横浜 南側波止場】 草木も眠る丑三つ時 周囲を鋭く警戒する一団が 2台の馬車が停泊するのを確認し 近づいた。
志士
待たせてしまった
志士
それだけ困難を極めたのであろう?
志士
して首尾の程如何様か!
先頭の馬車を駆る男が荷台の麻布を取り去り 周囲の取り巻きは積荷を見るやその表情に 嬉々を示した。
志士
打刀を始め、太刀、長巻や槍
幾つかある
志士
古き我らが誇りよ…!
志士
フフフフ…
やはり、我ら武士
これが無くば始まらぬ
各々、かつて徳川の御代にて腰に誂えた 刃の数々を腰へ差す。 その出で立ちは凶悪を呈し… 顔は殺人を良しとする歪んだ笑みを浮かべた
志士
皆の者、これより横浜が病床…
「米国大使館」闇討とするぞ…
志士
彼奴等、我等侍は
函館にて根切り(全滅)に会うたと高を括っておる…
我らを見るや腰を抜かすであろう…!
志士
今ぞ我らが恐怖刻みつけてくれるわ…
♪~
志士
月すらも隠れる新月の闇夜… 美麗なる高音が、一団の屯するその場に響き渡る
志士
近づきつつあるな…
志士
1人の侍が音の方を見るや、白い絹布にて顔を隠す一人の人物が笛を奏でながら一団の方へ歩いてくる
志士
我らの仲間では無いな…
志士
志士
一人の侍が数歩進み、先程手に入れた脇差を抜き… その切っ先を横笛の来訪者に向ける
志士
???
志士
それ以上よらば斬るぞ!
即刻立ち去れい!
志士
志士
斯様に怪しき気配纏うもの人かも怪しかろう!
志士
モノノ怪、妖の類とも有り得る
志士
それも良いな…
志士
二、三名を残し、その他の侍達が得物を抜いて横笛の人物を包囲した
志士
斯様な夜更けに彷徨くとはな…
志士
見られたからには生かして帰さぬ…
志士
???
♪〜
その人物が再び横笛を奏でる…
志士
己貴様我らを侮る気か!
その声とともに音色は止む…
???
なるほど、胆力は褒めてやろう…
志士
志士
???
【ーーーーーッ!!!】
闇夜の中 次に響くは無数の鋼の音ばかり…






