静けさを少しばかり感じる朝 風鈴に行くよりも早い 時間に起きてしまった。 今日は休日。 特に予定もなく、 俺は欠伸をしながら 街の中をゆっくり散歩した
朝早いからなのか、 焼きたてのパンの匂いが 俺の鼻をツンと刺激した。 いい匂いに誘われながらも、 冴えない頭を動かし 散歩をした。
蘇枋
よく聞きなれた 優しさを帯びた様な 声に思わず後ろを振り向いた。 向こうも少し驚いた という顔をしていて、 ただでさえ 大きくて綺麗な目を もっと大きく揺らがしていた。
桜
桜
蘇枋
蘇枋
偶然にも 眼帯をつけ 胡散臭い笑顔をうかべる 俺の恋人___ 蘇枋隼飛と、 朝を共にした。
蘇枋
桜
蘇枋
一瞬、蘇枋の緩んだ 優しい笑を見た気がしたが、 それが俺の幻覚かの様に すぐ胡散臭い笑顔へと 変わった。
そこからは長かった。 いや、ほんの数分しか 立っていなかっただろう。 話す話題も無くなり、 少しの無言が続いた。 心臓の鼓動は、 蘇枋を見た途端から バクバクと動きだし、
煩く鳴いていた。 思わず胸が痛くなり、 心臓付近にあるシャツを、 ぎゅっと握った。
蘇枋
桜
「なんだよ」 そう俺が返事をするまでに、 蘇枋はスマホを取り出して、 2人一緒に写る様 シャッターを押した。
蘇枋が近ずいたとき、 甘すぎない いい匂いがフワリと 漂ってきて、 少し落ち着く感覚に包まれた。 顔はきっと あかくなったままだろう。
桜
蘇枋
桜
蘇枋
「付き合っている。」 そう蘇枋の声が耳元で聞こえた瞬間 再び顔に熱が上がるのを感じた。
蘇枋
桜
いつの間にやらポッケに入っていたはずのスマホは 蘇枋が持っており、 ロック画面がさっき撮った写真に変わって帰ってきた。
桜
一人大袈裟なくらい慌てているも 蘇枋は あははと軽く笑った。 画面に写った蘇枋の顔と 俺の顔 並んだ顔をみて、 俺の恋愛センサーが 反応した。
桜
蘇枋
蘇枋
桜
お揃い。その聞きなれない言葉に 少しの興味と 蘇枋と同じというのが嬉しくて 一人その言葉を静かに繰り返した。
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋は少し口を トンガラせながら、 渋々俺に操作の仕方を教えていた。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
何十回と蘇枋に手本を見せてもらい、 やっと覚えられた。 ...はずだ。 やれやれ骨が折れるよ と蘇枋は ニコニコ笑っていた。
桜
桜
蘇枋
付き合っておいてなんだが、 熟こいつが怖い奴だと思った。 ヘラヘラ笑うその顔は、 俺の心臓をキュンとさせた 俺も俺だなと、 自分にさえ少しの呆れを感じた。
桜
蘇枋
桜
ケラケラと口から出てくる 冗談に 俺は呆れながらも こいつとの会話に喜びを感じつつ 返した。
蘇枋
桜
蘇枋
桜
深く考えるフリをしたが、 覚えやすい数字 これを聞いて出てきたのは、 俺の誕生日と もう1人...
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
俺のスマホを受け取り 急に俯いてしまった蘇枋を 心配するも、 その顔は ほんのり赤く染まり上がっていた。
蘇枋
桜
その表情に、 なんだか俺まで恥ずかしくなってきて、 2人して無言でスマホを見つめた。
桜
蘇枋
桜
桜
蘇枋
桜
蘇枋
桜
一瞬思考が止まったが、 気づいた瞬間に 引いたばかりの顔の熱が 一気にまた昇り上げてきた。
桜
桜
蘇枋
桜
早すぎる朝の時間が 少しすぎた位の事、 俺達の嬉し恥ずかしい 笑い声や叫び声が、 街中に響いたのだった。
コメント
10件
最高です😭😭 地震怖いですよね
いつも素敵な作品ありがとうございます。 楽しく読ませてもらっています! フォロー失礼します🙇♀ これからも頑張ってください✨
皆様の涙でそろそろ洪水がおこりそうでしたので、甘々なお話をお送りしております🙇🏻♀️ 皆様地震は大丈夫でしたか? この一週間警戒を持ちつつ毎日をお過ごしください。