TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

俺がお前で、お前が俺で

一覧ページ

「俺がお前で、お前が俺で」のメインビジュアル

俺がお前で、お前が俺で

1 - 【BL】 入れ替わり

♥

435

2020年07月17日

シェアするシェアする
報告する

担任

おい高梨

担任

お前今日日直だったよな?

担任

これ運んどいてくれ

昼休み

少し頭が薄くなった担任に雑用を頼まれていたのは

俺、高梨 春日(たかなし はるひ)

担任

あ、青木もそうだったよな?

担任

一緒に運んでくれ

純太

…はい

この無愛想な男は

青木 純太(あおき じゅんた)

クラスメイトで、隣の席だ。

春日

春日

じゃあ、運ぶか

純太

…ああ

そう言って、俺たちは教材を運んでいた

純太

純太

そういえば、高梨

春日

ん?何?

と、俺が振り向きながら階段を降りていた時

春日

春日

うわっ!?

目の前の景色が反転した

純太

…高梨っ!!

春日

(青木も必死な声が出せるんだな…)

なんて、どうでもいいことを思いながら

ガツンッ

という音と共に意識が途切れた

…い

おい

起きろ

身体を揺さぶられ、重いまぶたを開ける

春日

…っつ

頭が割れそうなほど痛い。

春日

(そうか…俺は階段から落ちて、それで…)

春日

…え?

目の前の光景に違和感を覚えた

やっと起きたか、高梨

目の前に居たのは、毎日鏡で見る自分の顔だった

春日

…って、え?

いや、おかしいだろ

普通、自分の顔なんて鏡で見ないと見えないだろ

…なあ、お前って高梨だよな

目の前にいる俺がそう聞いてくる

春日

高梨は俺だけど…お前こそ誰だ?

青木だ

春日

…は?青木?

純太

ああ

純太

ちなみに、今のお前の身体も俺

春日

…はっ!?

慌てて全身を見回す

長い指に、ほどよい筋肉がついた身体

頭を触ると、指の隙間からさらさらと髪が零れ落ちてきた

春日

…うっそだろおい…

半ば放心状態の俺が呟くと

純太

残念ながら、紛れも無い事実だな

なんて返事をした青木(?)を見た

ありえないだろ、普通

こんな

純太

俺たち、入れ替わってるみたいだな

なんてこと!!!

マンガじゃあるまいし!!!

…ていうか

春日

なんでお前はそんなに冷静なんだ!

純太

…いや

純太

俺も今、めちゃくちゃ動揺してる

春日

いやいや、全然そんな風に見えないから!

表情一つ変えないな、こいつは!

純太

…俺、感情を表に出すのは苦手だから

そうなのか?

そんな奴もいるんだな…

俺はよく、表情がうるさいとか、見てて面白いくらい表情が変わるとか言われるし

思ったことが表情に出るタイプだからな…

春日

…言われてみれば、お前の表情筋硬いかも

無理やり頬をつり上げてみても、なかなか上がりにくい

純太

…なんか見苦しいからやめてくれ

春日

すっ、すまん…

………………

純太

…で、この状況がどうする

そうだよ、こんなふざけたことしてる場合じゃない

春日

心当たりとかはないのか?

俺が問いかける

純太

いや…特には…

春日

だよな…

純太

…あ、でも

春日

何かあるのか!?

純太

いや…確証は無いけど

純太

俺らが階段から落ちた時、お互いの頭が思い切りぶつかってたな…

いやまあ、マンガとかでよくある展開だけどさ…

春日

他には何か…

純太

ないな

春日

(うっ…はっきりと…)

純太

とりあえず、家に帰るか?

純太

このままじゃ、授業どころじゃないだろ

確かにそうだ

春日

ああ、帰るよ

春日

…でも、家はどうすんだ?

春日

俺、お前ん家でお前らしく過ごせる事実、無いぞ?

純太

それもそうだな…

純太

…あ、だったら

純太

俺が何日かお前ん家に泊まっていくか?

春日

え…

純太

高梨が良ければだけど

春日

えっとじゃあ、泊まってください…?

純太

ああ

こうして、俺の家(高梨家)に青木が泊まることになった

純太

…とりあえず、もう1回階段から落ちてみるか?

純太

もしかしたら戻るかもしれないし

春日

…そうだな

そんな簡単にいくはずないと思いながら

純太

いくぞ

青木と一緒に階段から落ちた

ガツッ

という音と共に、意識が途切れた

…い

おい

高梨起きろ

春日

…ん…

身体を揺さぶられて、俺はゆっくり起きた

純太

高梨、見ろ

…あ、そうだ!そうだった!

俺たち、入れ替わってたんだった!

ガバッと起きた

目の前に居たのは…

よく見なれた、俺の顔だった

春日

…ですよね

いや、わかってた、わかってたけどさ…

春日

ショックだ…

純太

いや、でも…

純太

これから見つけていけばいいだろ…?

春日

青木…お前…

お前って…

春日

なんでそんなに余裕なんだよっ!

俺はこんなにも焦っているのに…

純太

…だって、焦っていてもしかたないだろ

純太

なんの手がかりもないし、今はとりあえず

純太

落ち着いて何をするべきか考えないと行けないだろ

春日

純太

…とりあえず、お前の家行くか

春日

…ああ

高梨宅

春日

…っつ

純太

すまん、痛かったか?

俺は俺ん家で、少し血の滲んだ、でこにできたたんこぶの手当てをしてもらっていた

春日

…ごめんな

春日

お前の身体に傷つけて…

純太

…そんなの全然大丈夫だ

純太

お前の身体が傷つかないなら、俺の身体がどれだけ傷ついてもかまわない

青木がそう言い切った

春日

…お前ってさ、良い奴なんだな

純太

…そうか?

春日

…ぶっちゃけ言うと俺

春日

お前のこといつもすましてて、いけ好かない奴だと思ってたけど、違ったのな

春日

すまん、勘違いしてた

純太

…多分、普通ならそう思うと思う

純太

でも、俺が優しいのはお前だけだ

そう真顔で言った青木の目じりが赤く染まった気がした

春日

…はっ!

春日

しかも、面白いのな!

純太

青木が少しだけムッとした顔をした気がしたが、気のせいだろう

純太

…絶対に意識させてみせる

春日

ん?なんか言ったか?

純太

いや、なんでもない

純太

風呂、入っていいか?

春日

おー!

春日

手当て、ありがとな!

to be continued…

この作品はいかがでしたか?

435

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚