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彼女は昔から無茶をする人だった
できないと言われたことをやり通し
誰かに支えてもらわないとできないはずのことも
全部…
全部…
俺の前で彼女はやってみせた。
彼女を見る度に、不安になって…
だからこそ…
彼女を支えなきゃって思ったんだ。
3年後…
ヒナタ中3…
当時のエミリと同じ年になった。
あれから3年という年月が過ぎ、
俺は憂鬱に日々を過ごしていた。
彼女のいない世界。
未来なんて生きていたくない。
そう思っているのは3年間ずっと…
だけど、
自殺しようなんて考えたことはなかった
なぜって…
エミリは生きているからだ。
ただ、
心臓のみが動いている状態で、
脳は働いていないという。
【スリープ】
俺らはそう呼んだ。
いつ目覚めるかはわからない。
ただ、3年の年月を経た今
彼女の病気を治せる技術が生まれつつある
エミリは生きている。
いつか目覚めるんだって…
そしてそれは…今日かもしれないって。
第一病院
それは本当に今日だった。
エミリ
目が開いた。
視界はぐらっとしてて不安定だったけど
光がわかる。
空気もある。
声はまだでないけど、
しっかりと、
私は生きていた。
エミリ
慌てて駆けつけてきた看護師さんが
私に声をかける。
看護師さん
だめだ、聴覚が戻らない…
仕方なく私は微笑んだ。
これであってるだろうか。
私は生きていた。
カレンダーを見れば2022年とある…
何かの間違いだろうか。
今年はまだ2019年が始まったばかり。
だったはず、
アレ…私、
いつからここに……?、
看護師さん
あ…聞こえる…
エミリ
看護師さん
何が…
何がよかったのだろうか。
眠りから覚めただけだ。
この病が治った訳じゃない。
私は今…なんの為に…
数十分後…
???
視界がぼやける中、
静まり返った病室に
低い声が響く。
エミリ
???
???
???
???
エミリ
ギュッ
エミリ
???
エミリ
???
???
その時、視界の霧がはれた。
目の前にいたのは
大好きな君だった
ヒナタ
♥500で続くよ!