五月雨 彩葉
中西 乃々華
私は、声が出せない。
元から、そういう障害なんだ。
だから、私は紙に書いて気持ちを伝える。
中西 乃々華
五月雨 彩葉
中西 乃々華
幸い、私の字は小綺麗で、見にくくもないから、字が書けるだけマシだと思っている。
五月雨 彩葉
中西 乃々華
ガタッ
中西 乃々華
帰り道クレープ屋に寄るのは、 もはや私の日課。
もちろん、注文する時はメニューを指さすだけ。それで店員さんは理解してくれる。
中西 乃々華
私はそう言って、タッとクレープ屋への道を辿る。
店員さん
中西 乃々華
少しでも声を発そうと試してみる。
別にそれでも変わらないし、いつもの注文の仕方、指さしをした。
中西 乃々華
店員さん
中西 乃々華
店員さん
クレープを手に取り、くるりと背を向け クレープ屋を後にする。
青山先輩
中西 乃々華
青山先輩
声が出せない障害だと知りながら、 青山先輩は私に絡む。
中西 乃々華
青山先輩
軽く会釈をし、青山先輩は友達のところに戻る。
中西 乃々華
たとえ願ったって、何も変わらないと言うのに。
中西 乃々華
『障害 声が出せない』検索
『それは』
中西 乃々華
こういうことを何回も続けてきた。
その度に何回も、治し方は見つかりませんと出る。
中西 乃々華
ピロン
中西 乃々華
中西 乃々華
五月雨 彩葉
中西 乃々華
五月雨 彩葉
中西 乃々華
五月雨 彩葉
五月雨 彩葉
五月雨 彩葉
中西 乃々華
五月雨 彩葉
中西 乃々華
ブツッ
中西 乃々華
1歩、2歩と歩みを進める。
中西 乃々華
ズリッ
体が宙に浮く。
中西 乃々華
ガシッ
青山先輩
中西 乃々華
中西 乃々華
青山先輩
中西 乃々華
青山先輩
バチッ
中西 乃々華
手が離された。
もう1回、宙に浮く。
今度は、真っ逆さまに落ちていく。
中西 乃々華
泣きながら、地面に頭からぶつかる。
中西 乃々華
青山先輩