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俺じゃないっっ!

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俺じゃないっっ!

1 - 俺じゃないっっ!

2019年10月14日

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五月雨 彩葉

……ねぇ…?

中西 乃々華

………………。

私は、声が出せない。

元から、そういう障害なんだ。

だから、私は紙に書いて気持ちを伝える。

中西 乃々華

『おはよう彩葉』

五月雨 彩葉

……障害を持った乃々華は辛い?

中西 乃々華

『うん。辛いよ』

幸い、私の字は小綺麗で、見にくくもないから、字が書けるだけマシだと思っている。

五月雨 彩葉

そーなんだ…。じゃ、私部活あるから!

中西 乃々華

(そうだった、今は放課後だったんだ)

ガタッ

中西 乃々華

(今日も、クレープ食べよ……)

帰り道クレープ屋に寄るのは、 もはや私の日課。

もちろん、注文する時はメニューを指さすだけ。それで店員さんは理解してくれる。

中西 乃々華

(今日はいちごクレープにしよっ)

私はそう言って、タッとクレープ屋への道を辿る。

店員さん

(あ、また障害者さん?)

中西 乃々華

……っ…っ……

少しでも声を発そうと試してみる。

別にそれでも変わらないし、いつもの注文の仕方、指さしをした。

中西 乃々華

(…いちごクレープで)

店員さん

……あっ、いちごクレープですね!320円になります。

中西 乃々華

(ちょうど)

店員さん

丁度ですね。ありがとうございます!

クレープを手に取り、くるりと背を向け クレープ屋を後にする。

青山先輩

あっ!乃々華ちゃん!

中西 乃々華

(先輩だ)

青山先輩

今日はいちごクレープにしたの?俺もだよ!

声が出せない障害だと知りながら、 青山先輩は私に絡む。

中西 乃々華

……っ…。

青山先輩

ふふっ、じゃあね!

軽く会釈をし、青山先輩は友達のところに戻る。

中西 乃々華

(…私も、声が出せたらな)

たとえ願ったって、何も変わらないと言うのに。

中西 乃々華

………っ…

『障害 声が出せない』検索

『それは』

中西 乃々華

(治せない病気でしょう─────)

こういうことを何回も続けてきた。

その度に何回も、治し方は見つかりませんと出る。

中西 乃々華

(嫌だ)

ピロン

中西 乃々華

中西 乃々華

(…あ、彩葉からだ)

五月雨 彩葉

ねぇ!乃々華、見つけたよ!

中西 乃々華

何を?

五月雨 彩葉

あんたの障害の治し方!

中西 乃々華

え!?本当!?

五月雨 彩葉

うん!治し方は

五月雨 彩葉

ホントに残酷なんだけど

五月雨 彩葉

1回泣きながら学校の屋上から
飛び降りること…。

中西 乃々華

……それで本当に治る?

五月雨 彩葉

うん!

中西 乃々華

ならそれやる。

ブツッ

中西 乃々華

(これで治るんだ!)

1歩、2歩と歩みを進める。

中西 乃々華

(治るんだ治すんだ治らなきゃ)

ズリッ

体が宙に浮く。

中西 乃々華

(痛みを覚えれば、治せ────)

ガシッ

青山先輩

何してんだよ!乃々華ちゃん!

中西 乃々華

!?(やめて!)

中西 乃々華

やめてください!!

青山先輩

あっ…喋れたっ?

中西 乃々華

!?ほ、ん、と…だ。

青山先輩

わぁいっ!

バチッ

中西 乃々華

……あっ

手が離された。

もう1回、宙に浮く。

今度は、真っ逆さまに落ちていく。

中西 乃々華

嫌だっ!!嫌だああぁああああああああぁぁぁ!!!!!!

泣きながら、地面に頭からぶつかる。

中西 乃々華

───────かハッ

青山先輩

俺じゃないっっ!!!!!!

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