テラーノベル
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時間がなくて随分投稿出来ませんでした💦
氷の風を切り裂くように、ひろしは童磨に向かって走り出した。
野原ひろし
だが次の瞬間--
--ズンッ。
床が一気に凍りつき、靴底が滑る。
野原ひろし
体勢を崩したひろしは、そのまま背中から床に叩きつけられた。
野原ひろし
息が一瞬止まり、胸の奥まで冷気が流れ込む。 立ち上がろうとしたが、指先がかじかんで力が入らない。
童磨
童磨は数歩離れた場所で、楽しそうに扇子を仰いでいた。 その動きに合わせて、空気が刃のように鋭くなる。
童磨
ヒュッーー!
冷気の刃が飛び、ひろしの頬をかすめた。
野原ひろし
遅れて、ヒリっとした痛みと冷たさが広がる。
野原ひろし
ひろしは歯を食いしばりながら、よろよろと立ち上がった。 足が震える。寒さだけじゃない。 --正直、怖い。
野原ひろし
童磨はその様子を見て、くすっと笑う。
童磨
野原ひろし
ひろしは視線を逸らさず、周囲を見回した。 近くに古い木の机が倒れている。
野原ひろし
机を持ち上げると、木の表面が一瞬で凍りついた。
野原ひろし
冷気が机を侵食し、ヒビが入る。
野原ひろし
ひろしは盾代わりに机を構え、一気に前へ出た。
野原ひろし
童磨の冷気が正面からぶつかる。
--バキバキバキッ!
机が砕け、木片と氷が飛び散った。
野原ひろし
ひろしはそのまま拳を突き出した。
--ドン!
拳が童磨の頬をかすめる。
一瞬、静寂。
野原ひろし
童磨がゆっくり自分の頬に触れる。 ほんのわずかだが、確かに欠けていた。
童磨
野原ひろし
ひろしは荒い息を吐きながら叫ぶ。
野原ひろし
一歩、また一歩近づく。
野原ひろし
野原ひろし
童磨は目を見開いたあと、ふっと笑った。
童磨
その笑顔は、今までよりずっと楽しそうだった。
童磨
童磨の周囲に、再び冷気が集まり始まる。
童磨
ひろしは拳を握り直し、震える足で踏ん張った。
野原ひろし
冷たい屋敷の中で、 サラリーマンの覚悟が、静かに燃え始めていた。
コメント
2件
面白いww続き待ってるで―