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『君と僕の忌避進路』

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『君と僕の忌避進路』

39 - 恋の調理法

♥

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2023年08月19日

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無事に冬休みを終え、しばらく経った

日付は巡り、今日は2月13日

そういえば、明日バレンタインだったっけ

多分今年も、まふがたくさん貰うんだろうけどな…w

真冬

そういう優と渉さんも毎年もらってるでしょ…

いや、まじでまふの貰うチョコの数は段違いなんだって!

あ、食べきれなかったら俺が貰うから、いつでも言ってな!

真冬

わ、わかった……

これまではバレンタインなんて何の興味もなかった

でも、今年は違う

ていうか、まふは彼方さんに渡すんじゃないの?

真冬

あ〜、そうなんだよね

ちなみに2人は、僕と彼方さんの関係性を知っている

冬休み明け、学校で2人に言ったときの反応は、予想通りでもあり少し面白かったっけ

でも何渡すん?

真冬

僕は作るなんて器用なことできないし、市販のものにするよ!

真冬

あ、あと……

…どうした?

真冬

…いや、何でもない!

真冬

(渡し方も気をつけなきゃいけないのかな、あとどんなものをあげるかとか?)

真冬

(毎年女子がこう考えてると思うと、これから貰うときちょっと気持ち変わるな…)

次の日

色々悩んだ挙句、普通の市販のチョコレートを買ってきた

渡すのは学校…

真冬

(の、はずだったんだけどな…)

女子生徒A

一ノ瀬くん!これもらって〜

女子生徒B

彼方くん、これあげる!

真冬

(あれは近づけないでしょ!!)

2年C組の教室の中は、彼方さんにチョコをあげたい女子生徒で溢れかえっている

真冬

(ていうか、女子いすぎて彼方さんどこにいるかわかんないし…)

女子生徒C

あっいた、真冬くん!

見ると、彼方さんよりは少ないが 数十人の女子がいた

女子生徒D

相川くん!これ受け取って〜

真冬

(忘れてた、僕も毎年こんな感じで来るんだった…!)

真冬

(とにかく一旦避難しないと…)

真冬

ごめん!僕ちょっと用事が…!!

そう言った後、僕は少し早めに走りながら、いつも避難する場所に向かった

真冬

はぁ…はぁ…

僕が来たのは校舎裏

屋上だとすぐにバレるから、毎年ここに避難している

真冬

って、あれ?

少し遠くの方に、黒髪の男子生徒が 疲れたようにうずくまっていた

真冬

…彼方さん

彼方

…あ、真冬

真冬

やっぱり彼方さん、バレンタインは人気出ますよねぇ

真冬

あの量、全部食べられるんですか?

彼方

…何日かに分けるよ、あんな量いっぺんに食べれないし

彼方

真冬も結構貰ってたけど、毎年あれなの?

真冬

毎年あんな感じですよ

真冬

…まあ、僕の場合は学校で全部食べちゃってから帰ってましたけど

彼方

……あぁ、母親か

真冬

…持ち帰ったら何言われるか分からないから、優とか渉さんに協力してもらって全部食べてました

彼方

そっか……

真冬

…あ、そうだ彼方さん!

僕は思い出した事があって、ポケットの中を探る

制服のポケットの中に、彼方さんにあげるチョコが入っているのをすっかり忘れていた

真冬

これ、売ってるやつ…なんですけど

真冬

貰ってくれませんか…?

彼方

彼方

…ありがと

受け取った彼方さんは、嬉しそうな顔をしている

彼方

…じゃあ俺からも、お返しって事で

真冬

えっ?

そう言って渡されたのは、一つの箱

受け取ってよく見てみると、チョコレートだった

真冬

わっ、ありがとうございます…!

真冬

まさかこんなに早くお返しが来るなんて思いませんでした!

彼方

元から今日真冬に渡す予定だったから持ってきてただけだよ

真冬

僕も、彼方さんにあげたくて…

真冬

本当ありがとうございますっ!

彼方

…ん

おーいまふ!

声のした方に向くと、優と渉さんが 2階の窓から手を振っていた

もうちょっとで授業はじまるから、戻ってきた方がいいですよ〜

真冬

わかったー!ありがとう2人とも!

彼方

…チャイム鳴るギリギリに教室入る

真冬

彼方さん、それだとその代わりに昼休みに一斉に来ますよ

彼方

どうすればいいんだろ…w

真冬

仕方ないです、せっかくいただいてるんですから素直に受け取りましょ

2人で並んで、校舎へ戻る

この前までずっと大変なことがあったからか、こんな時間ですらも幸せだと思えるようになった

いつまたこの幸せが崩れるかわからないから

真冬

(今は、ただ……)

『君と僕の忌避進路』

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