忘れやしない、あの日の出来事全て。 嫌でも鮮明に蘇って、私の心を酷く蝕んでいく……。 私、水恋伊ルシが桜ヶ丘高校1年生だった頃の話をしようか。
10月28日
ルシ
ふぁぁぁ……(むにゃむにゃ)
今日もくだらない学校の授業が始まるのかぁ(泣)
嫌だなぁ~
今日もくだらない学校の授業が始まるのかぁ(泣)
嫌だなぁ~
トテトテトテ(歩く音) ……ドンッ!!←誰かにぶつかった
ルシ
わっ!!
?
あっ、ご、ごめんっ!!
ルシ
痛った……こ、此方こそ、前見てなくてすみません
(うわー、人とぶつかっちゃたよ恥ずかし、嫌だなぁ)
(うわー、人とぶつかっちゃたよ恥ずかし、嫌だなぁ)
?
……って、あれ?君……
不意にそう言われて、 下を向いていた顔をグイッと 上げれたルシ。
ルシ
ええっ、い、いきなりなんですか!?
?
その驚く顔に、喋り方……間違いない。さてはお前ルシだろ?水恋伊ルシ。
ルシ
なっ!!何でその名前を!?えっ、ちょ、嘘……も、もしかしてだけど、真那斗?小野山真那斗!?
真那斗
ピンポーン、あったり☆
ルシ
う、嘘……!!まさか本当にま、真那斗だなんて!!え、ちょっと信じられないんだけど??
真那斗
だから俺だって言ってんじゃん、ルシ(笑)
ルシ
だ、だって……子供の頃と全然雰囲気違うもん!!何か全身大人っぽくなったというか……髪まで赤に染めてるし。
真那斗
もう高校生なんだし、顔や雰囲気だって変わってるもんだろ?髪型だってオシャレのためだし
ルシ
へぇー……
真那斗
何だよ?折角、小学校以来の記念すべき再会なのに……でも、お前は相変わらず変わってねぇな?ルシ。
ルシ
何それ、褒めてるの貶してんの?
真那斗
誤解だよ、ルシ。
俺は普通に褒めたつもりだったんだけど……ルシがそう感じたなら、ごめん。俺が悪かった💦
俺は普通に褒めたつもりだったんだけど……ルシがそう感じたなら、ごめん。俺が悪かった💦
ルシ
真那斗……良いよ、別に。真那斗がわざと言ったんじゃないって事分かってるし。
やっぱり優しい所?は変わってないね(笑)
やっぱり優しい所?は変わってないね(笑)
真那斗
何で疑問文なんだよ、ルシ(笑)
ルシ
あはは
その後も他愛の無い話で盛り上がった2人。 聞けば真那斗は、ルシと同じ桜ヶ丘高校に転校してきたのだった。
真那斗
なんか嬉しいな、ほんと。
こうしてまたルシにも会えて……
こうしてまたルシにも会えて……
ルシ
私もだよ、真那斗。その……学校でもヨロシクね!
真那斗
おう!あ、後、学校案内もよろしくな!!
ルシ
ええっ!もう、しょうがないなぁ……
真那斗はまさかルシが自分が初恋の相手だったとは知らない。
ルシ
(まっ、昔は真那斗の事好きだったけれど、今は彼氏がいるしね。それに真那斗も真那斗で別に彼女がいるって言ってたし……今更恋愛対象にはならいかな☆)
そんなこんな言いつつ、気が付けば11月の中旬になっていた。 ルシと真那斗は幸いにも一緒のクラスになっていて、ルシも最初の頃は真那斗に色々と教えていたが、 徐々に真那斗に友達や仲間が増え 今は教える事も、そして近付く事もあまり無くなった。
ゆうか
ねね、ルシ。
真那斗君って女子から結構モテてるよねー。
真那斗君って女子から結構モテてるよねー。
ルシ
うん……
ゆうか
確か、そんなモテ王子とルシ、昔っから幼馴染なんでしょ〜?
させては彼と何かあるんじゃ……(ニヤリ)
させては彼と何かあるんじゃ……(ニヤリ)
ルシ
ちょ、やめてよゆうか。
うちの大ちゃんが怒るよぉ?
うちの大ちゃんが怒るよぉ?
ゆうか
あー、そうだったね(笑)
ルシにはとびっきりイケメンな彼氏がいたんだったね〜。羨ましいなぁ……。
ルシにはとびっきりイケメンな彼氏がいたんだったね〜。羨ましいなぁ……。
ルシ
本当に忘れてたんか(笑)
でも、最近ちょっと真那斗が嫌なのよねぇ……
でも、最近ちょっと真那斗が嫌なのよねぇ……
ゆうか
なんで?真那斗君と何かあった?ルシ。
ルシ
嫌、そう言うわけじゃないんだけどね、ゆうか。その、ちょっと悪ふざけみたいな所があるというか……ちょっとクラスでもやり過ぎな時あったじゃない?色々。それが何か個人的にヤダなぁ~と思って。
ゆうか
あー……ね
ルシ
……ゆうか?どうしたの?そんな黙りこくっちゃてさ。
ゆうか
嫌、別に……あんまし気にしない方がいいんじゃないかな?やり過ぎって言ったて、ただ皆があまりしない事をしてるだけでしょ?それに誰も迷惑なんてしてないんだからさ。あ、それじゃあルシ。うち用事ある事思い出しから帰るね!バイバイ!!
ルシ
えっ、ちょっとゆうか!?
って、もう行っちゃたし。
って、もう行っちゃたし。
最近は皆こうだ。 さっきのゆうかもそうだったが、他の友達にも真那斗の妙に高いテンションを聞いても、言葉を濁らせて上手く避けられる……。
ルシ
まぁ、別に私が気にしなければ良い事なんだけどね💦
……そうだよ、気にしなければいいんだ。
それに今日は大ちゃんともデートなんだし!!
元気出さなくっちゃ!!
……そうだよ、気にしなければいいんだ。
それに今日は大ちゃんともデートなんだし!!
元気出さなくっちゃ!!
そう言ったルシは、自分の頬を叩き気合いを入れて教室を後に 出て行った。 これから待ち受ける恐怖も知らずに