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恋の心臓を診断しますーDiagnosis of loveー

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恋の心臓を診断しますーDiagnosis of loveー

第2話 - 鼓動の記憶

35

2025年10月12日

#SnowMan

#恋愛

#医療

MMK⛄️💖

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35

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朝の光が静かな病室の白い壁を撫でる

阿部亮平

先生、今日も来てくれたんですね。

橘美咲

経過を確認しに来ただけ。...体調はどう？

阿部亮平

悪くないです。でも、昨日からちょっと胸の奥がざわつくんです。

橘美咲

痛み？

阿部亮平

ううん、痛くはないんです。なんかこう...懐かしい感じ。

橘美咲

(ーー懐かしい？この青年に、私と"懐かしさ"なんてあるはずがない。)

阿部亮平

あの...手術のとき、俺...何か変なこと言いませんでしか？

橘美咲

...

橘美咲

"お姉ちゃん"って言ってたわ。

阿部亮平

...やっぱり。

橘美咲

覚えてるの？

阿部亮平

夢の中で、誰かが俺に微笑んだんです。

阿部亮平

白い服で、優しい声で...。

阿部亮平

その人が"お姉ちゃん"って呼んでって言った気がして。

橘美咲

(白い服...病院の服？)

橘美咲

(まさかーーそんな。)

橘美咲

あなた、手術前に心臓移植を受けたって聞いたわね。

阿部亮平

ええ、三年前です。詳しいことは知らされてないですけど..."女性のドナー"だったらしいです。

橘美咲

(三年前...女性...)

胸の奥が一瞬、締め付けられた

橘美咲

(ーー妹の、亡くなった年と同じ。)

阿部亮平

先生、大丈夫ですか？顔色が...

橘美咲

...なんでもないわ。

すると青年の口元に静かな笑みが宿った

阿部亮平

俺...変ですよね。

阿部亮平

自分の心臓なのに、時々"誰かが生きてる"みたいに感じるんです。

橘美咲

...

阿部亮平

この心臓、俺よりも先に恋をしたことがある気がするです。

橘美咲

どうして、そう思うの？

阿部亮平

心拍が早くなる瞬間があるんです。自分の感情とは違うリズムで。

阿部亮平

特に先生と話してるときだけーー"嬉しい"と"切ない"が同時に来る。

阿部亮平

この心臓が、誰かを思い出しているみたいで。

阿部亮平

まるで俺の中に、知らない"記憶"があるみたいなんです。

橘美咲

(...この青年の鼓動の奥で、あの子がまだ、息をしている気がした。)

ピッ、ピッ、ピッ──

静かな鼓動が二人の沈黙に重なる

彼の心臓が高鳴るたび私の胸も痛んだ

その理由をまだ"医者"として説明できる言葉を私は持っていなかった