拝啓、親友へ

「拝啓、親友へ」

「久々ですね、お元気ですか？」

「私は地元を離れてしまいましたが」

「今日も元気です。」

「仕事の方は順調でしょうか？」

「社交的で頭の良い貴方なら」

「きっと、上手くいってるでしょう」

「今日手紙を書いた意味は」

「特に何もありませんが」

「様子が気になったので、 少し書いてみました」

「邪魔にならなければと思います。」

「たまには手紙も良いですね」

「昔に戻ったような気がします。」

「地元の方は変わっていませんか？」

「私は田舎の方に行きましたが」

「自然に触れたり出来るので それなりに楽しんでいます。」

「地元は都会の方で 人が多いと思います」

「今は感染病等も流行っているので 充分気を付けてくださいね」

「どうか、体には気を付けて。」

「そういえば、気になる事が ひとつだけあります」

「彼氏とは仲良くしていますか？」

「私の彼氏を寝取った気分は いかがでしょうか。」

「幸せですか？ 楽しいですか？」

「幸せなら良かったです。」

「でも、もう」

「貴方は彼の姿を見れませんね」

「きっとこの手紙も見ることは無い」

「はーあ」

「貴方の瞼を縫って良かった。 意外とせいせいするもんですね。」

「もう、永遠に目を開けることが 出来ませんね」

「私が考えたにしては かなり良い復讐方法です」

「私、貴方の言葉 忘れていませんよ」

「幸せの赤い糸って 素敵よね」

「って、言っていましたよね。」

「一応親友なので 赤い糸で縫ってみました。」

「赤い糸は素敵かもしれませんが」

「瞼を縫われたあなたは」

「今、とっても」

醜いです。

面白いものですね

目を潰さないように気を付けましたが

割と綺麗に縫えました。

素敵と言っていたものに繋がれて さぞかし嬉しいでしょうね。

貴方の為のプレゼント 喜んでくれるでしょうか？

反応が楽しみです。

覚えていますか？

私が田舎に引っ越した理由。

きっと貴方なら もう忘れたでしょうね。

私は 気分転換に なんて

わかりやすい嘘をつきましたが

本当は 貴方が嘘をついて

私の悪い噂を広めて

耐えられなくなったので 人の少ない場所に行ったんですよ

彼はまた後で来るはずですよ

それまで、 永遠のおやすみなさい。

グサッ

グサッ

グサッ