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蓮は1人霧の深い山奥を彷徨っていた。

はぁはぁはぁ…

一体どこなんだここは…

(目もよく開かないし足もものすごく重い)

(体の自由がきかない、まるで体が別の誰かのものみたいだ)

いきなり背後から大きな悲鳴が聞こえた。 それは生々しい、男の断末魔だった。

(振り返る)

…なんなんだ、、

(近くの木に身を潜める)

蓮の目の前には少し開けた場所が広がっていた。そこには黒い煙が空高く上っていた。

途端に何か焦げたようなツンとした臭いが蓮の鼻をついた。

(なんだ、この匂い、嗅いだことのないような、うぇっ、気持ち悪くなってくる)

開かない目を凝らし、黒い煙を観察していると煙の向こう側に誰か立っているようだった。

誰か…いる…?

(火元に目を向ける)

っ!!

蓮が見た火元からは木炭のような細い棒が飛び出していた。それはよく見ると焦げて黒くなった人の腕であった。

(思わず顔を伏せる)

(気持ち悪い…一体誰が…)

再び顔を上げると煙の向こう側に複数の人影が見えた。

(息を潜め目を凝らす)

(…このシルエット、見覚えがある…)

(…あの僧だ…)

複数の僧侶は体を左右に揺らしながら一心になにか唱えているようだった。その声は生気のない、低く不気味なものだった。

(なんて言っているんだ…?)

(目を閉じて耳を済ませる)

すると耳元であの不気味な声が囁いた。 「せ…あ…かん…」

うわあああぁぁぁぁぁぁっ

(目を覚ます)

はぁはぁはぁっ、夢か…

(体を起き上がらせる)

うわあぁぁぁぁぁぁ

蓮の足元には夢の僧が1人、立っていた。ボロボロの法衣に穴の空いた笠を目深にかぶる、あの僧だった。 その僧の口には下顎がなく、上顎から血が滴り落ちていた。蓮の記憶はここで途切れた。

4人は外のやかましい鶏の鳴き声を聞きながら、紗良の祖母が用意した朝食をとっていた。

紗良

昨日はみんなよく眠れた?

莉子

めっちゃぐっすり眠れた!田舎すごい静かだし、カエルの声が子守唄だった笑笑

大翔

いやあ、よく眠れたわ!な、蓮?

ん、あ、あぁ、そうだな(小声)

大翔

おいどうした、元気ないぞ

莉子

蓮、あんた顔色悪いよ?大丈夫?

紗良

蓮、病院連れて行こうか?

ん?いや、大したことじゃない、大丈夫

(変なこと言って紗良に嫌われたくない)

紗良

今日は美術館行くからみんな早めに支度してねー!

大翔

了解ー

莉子

美術館たのしみ!廃校をリメイクしてるんでしょ?

紗良

そうそう!木造建築の昔の建物だからすごい映えるし〜

紗良のじいちゃん(朝日家)

紗良、美術館の館長によろしくな

紗良の祖母

蓮くんももし体調悪くなったら帰ってきなさいね

すみません、ありがとうございます

紗良

美術館着いたー!

莉子

うわあ、すごい!ほんと映画に出てくる学校みたい!

大翔

お化けでもでそうだな笑
なぁ、蓮?

縁起でもないこと言うなよ笑

日が昇り3人と賑やかに過ごす蓮は、次第に昨夜の一連のことを悪い夢としてとらえるようになってきた

(よくよく考えればただの悪い夢だ、花火大会で変な僧を見たから変な夢を見たんだ)

(それに俺は紗良に気持ちを伝えるんだ!)

蓮は不気味な僧が放ったあの一言をすっかり忘れてしまった

紗良

館長さん、こんにちは!朝日家の孫の紗良しです!おじいちゃんがよろしく伝えてくれって

風間家のじいさん

おぉ、よく来たねぇ。お友達も一緒かい?ゆっくりしていってね

莉子

ありがとうございます〜!木の匂いする〜

ここはどんな作品が飾られているんですか?

風間家のじいさん

まあ、村の集会で集めたお金で買った有名作品のレプリカとか村の古い郷土品とかだよ

大翔

郷土史料は興味あります!

紗良

早く奥行ってみよーよ!

風間家のじいさん

古い建物だから気をつけてな〜

4人は館長を後にして美術館の奥へ進んでいった。

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