ガチャッ
伊織
(あ、6組の奴だ)
伊織
(神坂って呼ばれてたよな、)
琴音
あ、誰か来ましたね
琴音
初めまして!3組の秋原琴音です
伊織
4組の宝生伊織。
伊織
神坂...だっけ
伊織
よろしく
スッ
?
パシッ
?
触んじゃねえよ
伊織
(うおっ)
伊織
(まさか振り払われるとは...)
あたしが1人驚いていると琴音が怒ったような顔で
琴音
その態度はなくないですか。
琴音
ただ挨拶しただけでしょう?
琴音
それで手を払うだなんて
琴音
初対面で流石にそれは...
神坂に喧嘩を売った
伊織
(...え?)
伊織
(怒ってるなーとは思ったけどまさか喧嘩売るとは...)
?
...6組の神坂。
瑠衣
名乗ればいいんだろ?
伊織
神坂、さっきはごめん
伊織
急に触ったりして驚いたよね
瑠衣
別にお前がどうこうじゃないからいい。
瑠衣
お前らもどうせアイツと一緒だろ
伊織
(アイツ...?)
伊織
アイツって?
瑠衣
...お前らに教えて変わるとは思わない。
琴音
いや、わからないじゃないですか
琴音
もしかしたら力に...
伊織
(ッ、ここそれはダメだよ。)
伊織
(塞いでる奴にその言葉を言ってしまうと)
瑠衣
ッッ!だから!ボクはお前らと馴れ合う気はねぇって!
伊織
(爆発してしまうんだよ。)
伊織
(まあ、ここのは100%善意だと思うけどね)
伊織
(それが届いてないんだよなぁ)
伊織
(かといってこの言い方は良くないよね、神坂。)
伊織
(私の女神が怖がってんじゃんね)
伊織
別にあたしは仲良くしようなんて言ってないでしょ!
守んなきゃ。あたしが
ここのことを。あたしの世界で一番大切な人のことを。
琴音
ッ
伊織
(ここが...)
違うかった。この選択は正しくなかった
正しかったらここにこんな顔させないのに。
守ろうとして何で逆に傷つけてんだ、あたし。
伊織
そこからあまり記憶はない
伊織
意識が戻ったのは神坂を殴った音が聞こえた時。
伊織
(ッあ...)
伊織
(やっちゃった、)
伊織
(ここの前ではしないように気をつけてたのに、)
でも、でも!
ここなら分かってくれるよ。
あたしの女神だもん。ね、分かってくれるよね...?
琴音
伊織ちゃん!殴るのは流石に...
ピシッ
なんで、何でわかってくんないの!
伊織
だって!仕方ないでしょうが!
伊織
話が通じないんだから!
違う、こんなこと、こんなこと言いたいんじゃない
琴音
ッでも!
パキッパキッパリンッ
心が壊れる音がした。
伊織
(あぁ、そっか)
伊織
(ここはわかってくんないんだ)
伊織
(そう、だよね)
伊織
あぁもういいよ
伊織
あたしが出てく
伊織
そしたら解決でしょ?
伊織
こっちは諦めて歩み寄ろうとしてんのに、あいつが跳ね除けんだから。
琴音
嫌です。
琴音
伊織ちゃんと離れるなんてぜったi
もう、諦めてよ。
これ以上、期待させないで
ギュッ
伊織
(最初で、最後のハグ)
伊織
ここ、今回は無理だよ
伊織
再会したばっかだってのにね
伊織
あとはみんなで仲良くやってよ
伊織
ここなら出来るよ
あたしが相応しくないくらいに眩しい貴方には
一緒にいると目が眩んでしまうような貴方なら、
きっと彼らを救える
スルッ
琴音
あっ
伊織
ごめんね、怖いとか見せちゃって。
伊織
(ごめんね。約束、守れなくて)
伊織
(背負うって決めたのに、隣にいたいって言ったのに)
琴音
ッッ!
どうしてここがそんな顔するの、
最後に見たここの顔は悲痛に満ち溢れていた。
伊織
ごめんね。ここ
伊織
バイバイ