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【BL】(だから、)あと数センチ

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【BL】(だから、)あと数センチ

9 - 【BL】(だから、)あと数センチ【初Wデート・中編】

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2020年07月13日

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奏多(カナタ)

一体

律(リツ)

何が

直哉(ナオヤ)

何で

俊介(シュンスケ)

どーなってんの!?

事の始まりはある言い争いからだ

俊介(シュンスケ)

あ、ねぇ!

奏多(カナタ)

ん?

律(リツ)

どうしました?

俊介(シュンスケ)

直哉のビビりって本当なの?w

直哉(ナオヤ)

うそうそ

奏多(カナタ)

急にどうしたんだw

俊介(シュンスケ)

直哉がヘタレる所見てやろうかと

そう言って俊介が指さしたのは...

俊介(シュンスケ)

お化け屋敷、行かない?

直哉(ナオヤ)

行かない

律(リツ)

直哉お化けダメですもんね

奏多(カナタ)

本当にビビってるw

直哉(ナオヤ)

違う

直哉(ナオヤ)

お化け屋敷とかバカらしいだろ

俊介(シュンスケ)

怖いわけじゃないんだ?

直哉(ナオヤ)

当たり前だろ

俊介(シュンスケ)

ふ〜ん?

奏多(カナタ)

あぁ、良くない表情してるw

律(リツ)

直哉、強がっても良い事無いですよ?

直哉(ナオヤ)

強がってねぇよ!

俊介(シュンスケ)

なら

俊介(シュンスケ)

行けるよね?お化け屋敷

直哉(ナオヤ)

よ、余裕で行けますけど?

俊介(シュンスケ)

直哉ならきっと

俊介(シュンスケ)

男らしく律をリードするんだろうなぁ〜?

直哉(ナオヤ)

は、はぁ?

直哉(ナオヤ)

言われなくても、そのつもりですけど?

律(リツ)

直哉...

奏多(カナタ)

何やってんの、この二人w

直哉(ナオヤ)

ふんっ

直哉(ナオヤ)

俊介こそ、なーんか顔色悪いんじゃねぇの?

俊介(シュンスケ)

え、えぇ〜?

俊介(シュンスケ)

悪くないですけどー?

俊介(シュンスケ)

超元気ですけど?

直哉(ナオヤ)

泣きべそかいて

直哉(ナオヤ)

奏多にヨシヨシしてもらう未来が見えるなぁ?

俊介(シュンスケ)

そんな未来、来ないからッ!

律(リツ)

...まったく

奏多(カナタ)

おーい

奏多(カナタ)

行くなら行くで、並ぼうぜ〜

奏多(カナタ)

ここのお化け屋敷、意外と人気だからさ

律(リツ)

確かに、かなり並んでますね

俊介(シュンスケ)

じゃー、行こうか?

直哉(ナオヤ)

おぉ、行こうぜ?

奏多(カナタ)

ほんと、仲良いなw

律(リツ)

僕たちも行きましょう、奏多w

この後

襲い掛かる恐怖には気付くはずもなく

俺たち4人はお化け屋敷へ

足を踏み入れたのだった

俊介(シュンスケ)

待って、無理

俊介(シュンスケ)

怖い、無理ッ

お化け屋敷に入ってたった1分

僕は既にめちゃくちゃ後悔していた

中はもちろん真っ暗

冷房ガンガンで寒いし

それに、それに...

俊介(シュンスケ)

こんなに怖いなんて聞いてないッ!

ヤバいほど怖かった

俊介(シュンスケ)

しかも何で...

直哉(ナオヤ)

うるせぇな

直哉(ナオヤ)

怖いって言うと余計怖ぇだろうがっ

俊介(シュンスケ)

奏多と律が居ないんだよ〜!?

たった1つのエリアを越えただけなのに

奏多と律が居なくなってしまった

要は、はぐれたのだ

俊介(シュンスケ)

何でよりにもよって直哉となの...

俊介(シュンスケ)

もう、帰りたい

直哉(ナオヤ)

俺だって想定外だよ!

直哉(ナオヤ)

大体、入ろうって言い出したの俊介だろ!

俊介(シュンスケ)

こんな事になるとか思わないじゃん!

僕と直哉は恐怖のあまり

立ち止まってしまい、先に進めないでいた

直哉(ナオヤ)

と、とにかく進もうぜ...

俊介(シュンスケ)

あ"〜、やだやだ、頼り無い...

直哉(ナオヤ)

こんのやろっ

直哉(ナオヤ)

俺だって律が良かったよ!

俊介(シュンスケ)

僕だって...

俊介(シュンスケ)

僕だって奏多が良い〜ッ

直哉(ナオヤ)

もしかしたら先で待っててくれるかもしれないし

直哉(ナオヤ)

今は進むしかねぇだろ

俊介(シュンスケ)

変な所男らしいの止めてくれる?

直哉(ナオヤ)

どーゆー意味だよ

俊介(シュンスケ)

ビビりのくせに

直哉(ナオヤ)

ビビりじゃねぇっつの!

俊介(シュンスケ)

じゃあ...あれ

直哉(ナオヤ)

あん?

僕の指差す方向には

直哉(ナオヤ)

ひっ!?

眼球の飛び出した白骨がこちらを向いて倒れていた

直哉(ナオヤ)

ッあ、び、ビビ...

直哉(ナオヤ)

ビックリ、させんなよな...

俊介(シュンスケ)

ビックリもビビりも変わんないよ〜!

直哉(ナオヤ)

うっせ!違うんだよ!

俊介(シュンスケ)

も〜ッ!

俊介(シュンスケ)

奏多どこ行ったんだよ〜!?

直哉(ナオヤ)

俺を置いて行くなんて

直哉(ナオヤ)

良い度胸してんなぁ、律...ッ

ぐちぐち、べそべそと呟きながら

僕と直哉はゆっくりと先へ進んだ

奏多(カナタ)

大丈夫かなー、俊介と直哉

律(リツ)

アトラクションではぐれるだなんて...

律(リツ)

子供ですか、二人は...

僕と奏多はキョロキョロと周りを見渡す

二人とはぐれてからまだ2分は経っていない

順番通りに進んでいれば

ここまで来れている筈なのだけれど...

律(リツ)

...来ませんね

奏多(カナタ)

なーにやってんだよ、あの二人

ここのお化け屋敷は

自分たちで決められた襖を開けて進んで行く

少し特殊なお化け屋敷だ

だからといって、迷う様な事は無い

僕と奏多は足を止め、じっと後ろを見詰める

律(リツ)

どうしますか?

奏多(カナタ)

んー...

奏多(カナタ)

普通のアトラクションだし

奏多(カナタ)

危ない事にはなってないだろうけど...

奏多(カナタ)

俊介が心配だな

律(リツ)

そうですね

律(リツ)

直哉も...

律(リツ)

泣き喚いていなければ良いんですけど

奏多(カナタ)

直哉が泣き喚くとか想像できねぇw

律(リツ)

すぐ泣きますよ、直哉は

奏多(カナタ)

律w

奏多(カナタ)

直哉に泣かされるぞ?w

奏多と笑いながら二人を待つ

けれどやっぱり

直哉も俊介も姿を現さない

そしてまた1分程時間が経過した時

奏多(カナタ)

...はぁっ

律(リツ)

奏多?

奏多が深い溜め息を吐いた

どうしたのかと奏多を見ると

奏多(カナタ)

...俊介

真剣な表情で来た道を見詰めていた

律(リツ)

...心配ですか?

奏多(カナタ)

え?あぁ、うん

奏多(カナタ)

直哉が一緒だし

奏多(カナタ)

大丈夫だとは思うんだけど...

奏多は考える様に指を顎に置いた

奏多(カナタ)

ほら、俊介怖がりだからさ

奏多(カナタ)

泣いてないと良いけど...

困った様に笑う奏多

その表情ですぐに分かる

律(リツ)

奏多は...

律(リツ)

本当に俊介が好きなんですね

奏多(カナタ)

ン"ンッ!?

奏多(カナタ)

ん、う、うん...ッ

奏多(カナタ)

...ははっ、何か恥ずいなw

律(リツ)

今の奏多を俊介に見せてやりたいですよw

奏多(カナタ)

もっと恥ずいから勘弁してw

奏多(カナタ)

そーゆー律はどうなの?

律(リツ)

何がです?

優しい表情で笑いながら

奏多は僕に質問を投げ掛けた

奏多(カナタ)

直哉の事、好き?

律(リツ)

ぇ、あ、ま、まぁ...

律(リツ)

その、それなりに?ですかね...

奏多の予想外な言葉に動揺した

確かにこれは恥ずかしい

つい、はぐらかしてしまった

奏多(カナタ)

そんなんじゃズルいだろ〜

奏多(カナタ)

好き?嫌い?

律(リツ)

律(リツ)

...好きですよ

掛けすぎだってくらいの冷房が

今は熱くなった頬に涼しい

カチャリと眼鏡を押し上げ、僕は奏多から目を逸らした

奏多(カナタ)

聞こえないな〜?w

律(リツ)

...ちょっと、奏多

奏多(カナタ)

直哉の事、好き?嫌い?

なるほど、奏多は割とS属性か...

まぁ、本人が目の前にいるわけでもないし

好きの一言くらい...

律(リツ)

はぁっ、まったく...

律(リツ)

好きですよ!

ースパンッ!ー

直哉(ナオヤ)

おい!!

俊介(シュンスケ)

ちょっと!!

律(リツ)

!?

奏多(カナタ)

わっ!?

良い音を鳴らして襖が開けられた

雪崩込む様に入ってきたのは

顔面蒼白俊介と

何故か怒っている直哉だった

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