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正反対。

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正反対。

17 - 正反対。 17話。

♥

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2020年06月29日

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聞いてしまった

生徒会で色々あって学校に残っていた。

忘れ物に気づき教室に戻ろうとするとこの有様。

紡希 絢

(哉翔君が…)

ヒッコスナンテ。

琴葉 茅野

絢?どうしたのぼーっとして。ほんとに体調悪い?

紡希 絢

え?あ、いや。

帰り道

茅野は私を心配してくれる。

茅野は知っているのだろうか。

琴葉 茅野

言ったでしょ、なんかあったら手伝うって。

紡希 絢

紡希 絢

手伝ってもらっても、何もなんないよ。

琴葉 茅野

私が無能だって言いたいわけ?

少し怒りを含んだ声

冗談半分できっと言ったんだろう

わかっている

わかっているのに

紡希 絢

ちが…、

琴葉 茅野

え、絢?

涙が次々溢れてきて、

止まらない。

琴葉 茅野

どうしたの絢。私、言いすぎた?

紡希 絢

ちが、…。

紡希 絢

茅野のせいじゃない…

琴葉 茅野

どうしたの。あ!わかった。哉翔だ!

紡希 絢

哉翔君の名前なんて今は聞きたくない。

胸が苦しくなって、より一層泣きたくなる。

紡希 絢

うぅ。

琴葉 茅野

ええ!?もー!泣かないでよ。

紡希 絢

う、…ひっく…

茅野は私を抱きしめてくれるけど、私は泣いてばかりで、

まだ冷たい風が私の頬を撫でた。

紡希 絢

はぁ、馬鹿だなぁ。

ストレスと過労、それとショックで寝込むなんて。

次の日、私は39度の熱を出して学校を休んだ。

私の仕事は他の生徒会の子達が手伝ってくれるって。

私にばかり仕事を押し付けてごめんなさいって電話がかかってきた。

紡希 絢

けほっけほっ、

今頃哉翔君はどうしているだろう。

ピリリリリ

電話がかかってきた。携帯には茅野の文字が浮かんでいる。

紡希 絢

はい。もしもし。

あ、絢?元気?

紡希 絢

元気っちゃ元気だよ。だるいけど。

それは元気と呼ばん。

あ、紡希さんですか?

紡希 絢

その声、龍君?

はい!お久しぶりです。倒れたと聞いたので、びっくりして。

紡希 絢

あはは。大丈夫だよ。

倒れたんだから大丈夫じゃないですよね?

紡希 絢

え、幸ちゃん?

どうも。龍に着いてこいって言われて、渋々この状況ですよ。

紡希 絢

そっか、

別に心配なんてしてませんよ。むしろざまぁみろって思ってます。

あ!コラ姉ちゃん!

何よ。

幸ちゃんは口が悪いなぁ。

琴葉先輩には言われたくないですね。

んだとぉ?

紡希 絢

まぁまぁ、

それより、絢先輩。平先輩が引っ越すって知ってるんですよね?

あ!幸ちゃん!

言っちゃダメって。

紡希 絢

知ってるよ。大丈夫。

…絢。

紡希 絢

あはは、心配なんていいのに。私は平気だよ!

そうですよ。そのくらいで狼狽えるなんて。

ほんとに大丈夫なんですか?

紡希 絢

うん。気にしてないよ。仕方ないよ。大丈夫。

無理だったらいいなよ。友達なんだから。

紡希 絢

うん。ありがとう。茅野。

紡希 絢

じゃあ、切るね。

うん

お大事にしてくださいね!

プツンと切れる。

茅野達、電話の向こうで喧嘩してたなぁ。

紡希 絢

(大丈夫)

自分に言い聞かせた。

あと少し、もう少しで此処を去る。

平 哉翔

その前に、言いたいこと。

伝えたいこと。

伝えたら、なんて言うかな。

引かれるかな。

平 哉翔

いや、アイツだし引かれねぇだろ。

たぶん

拳をにぎりしめる。

まだ一緒にいたい。

隣にいたい。

そんな想いを、今日も

閉じ込めた。

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