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元社畜の俺が魔王退治?!

第13話 - 技習得編

306

2024年11月12日

#冬類

#RPG

#司類

あかまる🍓🐾໊

▼道場▼

冬弥

よ、よろしくお願いします！

謙

おう。しっかり鍛えてやるからな。

謙

お前さんは…そうだな。筋力が少ない。

冬弥

う…はい。

謙

なに、剣は持てるんだから、そう落ち込むことはない。

謙

ただ、体力はつけた方がいいな。

冬弥

ですよね…

謙

てなわけで、またトレーニングした後に技の訓練やるぞ。

▼店内▼

お客さん

店員さーん！

司

はーい！ただいま！！

類

クラーケンの刺身をご注文のお客様〜

お客さん

ああ、はいはい！こっちこっち！

お客さん

おーい！こっちまだ来てないんだけど〜？

司

少々お待ちください！！

司

はぁ、はぁ……忙しすぎる…

類

昨日みたいに分身作るかい？

司

そっちの方が疲れるから遠慮しておく

お客さん

おーい！

司

はい！ただいま！！！

お客さん

こっちもジョッキおかわりー！

類

は〜い

冬弥

はぁ、はぁ、はぁ…

謙

お疲れさん。ちょっと休憩にしよう。

冬弥

は、はい…

冬弥

(しんどい…俺、体力無さすぎやしないか…？)

冬弥

(やっぱり…俺、圧倒的に勇者とか向いて無さすぎる…)

冬弥

(どこまで不適合者なんだ、俺は…)

謙

冬弥、気分転換に散歩でもしてきたらどうだ？

冬弥

えっ

謙

俺も、そろそろ店見に行った方がいいからな。1時間くらい時間潰してきてくれ。

冬弥

わ、分かりました。

冬弥

(丁度いい。2人のいる店に行ってみよう。)

▼店内▼

カランカラン

司

いらっしゃいませー！！！！

冬弥

わっ

司

おお！冬弥ではないか！！

類

えっ！？

類

わぁ！冬弥くんいらっしゃい！

司

よく来たな！こちらの席へどうぞ！

冬弥

あぁ、ありがとう。

類

ふふ、メニューどうぞ。

冬弥

ありがとう。

冬弥

随分と繁盛しているな。たしかに忙しそうだ。

類

うん、すごく忙しいんだよ。

類

街でもかなり人気のお店らしくてねぇ

司

類、あっちのテーブル頼む！

類

あぁ、はいはい。またクラーケンの刺身でしょ。

類

"重力操作(グラヴィエ)"

カウンターに置かれていた皿が浮遊し、司さんが指したテーブルまで運ばれて行った。

冬弥

！？

冬弥

す、すごいな。そんなことも出来るのか…

類

ふふ、まぁね。

司

こら、類！！魔法は使わずに接客しろと言っただろう！！

類

うっ…だ、だって冬弥くんと話したかったんだもん…！

司

はぁ？！そんなのはオレも同じに決まってるだろう！後にしろ！

類

うぅ…分かったよ。

類

またね、冬弥くん。注文決まったら呼んで。

冬弥

あ、ああ。ありがとう。

冬弥

(2人も頑張ってる…俺も、もっと頑張らなければ)

それから、3人はそれぞれ自身のやるべき事に励み…

特訓を初めてから、3日が経過した。

謙

…冬弥。

冬弥

はい！

謙

…

謙

合格だ！技習得、おめでとう。

冬弥

！！

冬弥

あ、ありがとうございます！！

▼冬弥は新しい技を習得した！

▼ 『白雨前線』『月夜深沈』『斜陽茜斬』が使えるようになった！

▼初めて技を習得した！

▼経験値10000up！冬弥はレベル26になった！

▼技の詳細はプロフィールから確認できます

冬弥

(良かった…なんとか3日で習得出来た)

冬弥

謙さん、本当にありがとうございました。

謙

いやいや、礼はいいさ。こっちこそ、娘を助けてくれてありがとうな。

謙

さて、今日はお祝いにするか！夜は店でパーティーだな。

冬弥

ありがとうございます、楽しみです。

司

何！？本当か！？

冬弥

ああ、やっと習得出来たんだ！

類

わ〜！！おめでとうっ！

司

おめでとう、冬弥！！よく頑張ったじゃないか！

類

ふふっ、流石だねぇ

冬弥

ありがとう。2人は…まだ仕事か？

司

ああ、あと1時間ほど。

冬弥

そうか…俺も手伝おうか？

類

ふふ、それは有難いねぇ。だけど大丈夫。君も疲れてるだろうし。

司

ああ！冬弥はゆっくり休んでるといい！

冬弥

じゃあ…お言葉に甘えて。

冬弥

2人とも、頑張ってくれ。応援してる。

類

ふふ、ありがとう。

杏

はいっ！コーヒーどうぞ！

冬弥

ありがとう。

杏

改めて、技習得おめでとー！！思ってたより早かったね！

冬弥

ああ。なんとか3日で習得出来て良かった。

杏

冬弥の技ってどんなの？見せて見せて〜！

冬弥

え、えっと…

プロフィールを開く ▶持ち物

▼勇者の剣(レベル 22) 使える技･白雨前線(51000ダメージ) ･月夜深沈(53000ダメージ) ･斜陽茜斬(55000ダメージ) 謎の男から貰った勇者しか持つことのできない剣。ただの剣では無いようだが、参考資料が少ないため謎が多い。

▶技の詳細

▽白雨前線 (レベル1) 素早く前線に出て敵の不意をついて細かく斬撃を食らわせる技。白雨とは夕立のこと。

▽月夜深沈 (レベル1) 3秒間だけ相手の視界から姿を隠し、大きな一撃を食らわせる技。もっとレベルを上げれば姿を隠せる時間が増える。

▽斜陽茜斬 (レベル1) 太陽のような熱を剣に宿らせ、斜陽の如く大きく斜めに斬撃をいれる技。体に負荷がかかるため、2ターンに一度しか使えない。

杏

わー！いいじゃん！！

杏

あ、ちなみに技のレベルは戦闘で得られる経験値で上げれるよ！もちろん道場で特訓しても上げられるけど、ゴールドと時間が必要だから注意してね！

冬弥

あぁ、ありがとう。

杏

冬弥って、この後どうするの？夜はお祝いパーティーだけど、明日から。

冬弥

あぁ…技も無事習得したし、名残惜しいがソレイユからは出ていくつもりだ。

冬弥

習得した技も使ってみたいし、ダンジョン攻略でもしようと思う。

杏

そっかー…寂しいけど、そうだよね。

杏

まぁ、またいつでも遊びに来てよ！冬弥ならいつでも大歓迎だからさ！

冬弥

ああ。ありがとう、白石。

翌日

▼街外れの道中▼

類

ソレイユ、いい街だったねぇ

冬弥

ああ。みんな優しくて温かい街だった。

司

冬弥も無事に技を習得できたことだし、旅路は順調だな。

類

そうだね。あとは冬弥くんのレベル上げをするだけかな。

冬弥

ああ、頑張る。

司

今から向かうのは"ベラのダンジョン"だったよな？

類

うん。そこが一番近いし、レベルも丁度いいからね。

類

ただ、一つ気をつけなきゃいけないことがあるんだ。

冬弥

何だ？

類

実は、ベラのダンジョンへ行くには『ファシネの森』を通らなきゃいけないんだ。

冬弥

ファシネの森……？

冬弥

あっ、また虫が…ってことか？

類

ううん、それより厄介なのがいてねぇ…

司

あぁ…幻惑草か。

冬弥

幻惑草？

▽幻惑草ファシネの森など、暖かい地域と寒い地域の丁度境界辺りに生息する草花。常時瘴気を放っており、それを吸った人間又は動物に幻覚を見せ、そのまま捕食する。

類

と、まぁこんな風に危険な植物なんだ。

冬弥

えっ…だ、大丈夫なのか？

類

ああ、吸わなければ大丈夫。それに、幻惑草が生えていないルートを出来るだけ通るようにするからね。

類

ただ、それでも絶対安全、という訳では無いから気を付けなきゃいけないんだ。

冬弥

なるほど…もし、吸ってしまったらどうすればいい？

類

とにかく精神を保つ。これは幻覚だ、としっかり自覚すれば目覚められるよ。

類

まぁ、すぐに僕らが助けるから大丈夫。

司

ああ。冬弥が死ぬことは絶対無いから安心しろ！

冬弥

それは心強いな。

冬弥

(だが…やはり、守られてばかりというのも…)

冬弥

(どんな幻覚かは知らないが、とにかく精神を保てばいいんだな。)

冬弥

(心して行こう。)

▼ファシネの森▼

冬弥

思ってた以上に暗いな。

司

ああ。足元気を付けろよ。

類

一応ここには動物もいるけど、こちらから攻撃しなければ無害だから安心してね。

冬弥

ああ。

冬弥

(う…筋肉痛だろうか。足が重い…)

冬弥

(そりゃそうか。慣れないトレーニングもしたし、技を習得するためにたくさん運動したし…)

冬弥

(だが…ここで足を止める訳にはいかない。なんとか耐え切ろう。)

司

…？

司

冬弥、どうした？体調不良か？

冬弥

えっ

冬弥

あ、ああ！いや、なんでもないんだ。すまない。

類

そうかい？足取りが重そうに見えるけど…

冬弥

すまない。すぐ追いつくから…

急いで足を出した時、それが滑るような感覚がした。

冬弥

！？

どうやら地面がぬかるんでいたようで、足を滑らせてしまったらしい。

突然のことに受け身をとることも出来ず、そのまま後ろに転倒した。

ゴンッ！！

冬弥

ﾊｯ！

冬弥

はぁ、はぁ、はぁ……こ、ここは？

冬弥

(既視感のあるような…白い、カーテン…)

医者

ああ！良かった、目が覚めたんですね！

冬弥

えっ……

冬弥

あの……ここは…

医者

病院です。1ヶ月も眠っていたんですよ。

冬弥

病、院…？

医者

貴方は1ヶ月前の夜、線路に落ちて頭を強く打ったんです。周りにいた人がすぐに気付いて通報したので、大事には至りませんでした。

冬弥

線路に落ちて……

冬弥

ということは……

冬弥

魔王討伐は…？類さんや司さん、スライムや不死鳥は…？

医者

…？

医者

えっと…どうやら頭を強打したことで、記憶が混濁してるみたいですね。無理もありません。

冬弥

じ、じゃあ……やっぱり、あれは全部…

冬弥

夢……

医者

とにかく、目が覚めてよかったです。

医者

とりあえずあと1週間は入院していただきます。その後＿＿＿

そこから先の話は、入院費用やその他諸々の説明だった。

やはり、あれは全部夢だったらしい。

考えてみれば分かる事だ。あんなの、非現実的すぎる。

今日から俺は、またいつもの日々に戻る。

『元社畜の俺が魔王退治?!』～完～

ニャー

冬弥

？

冬弥

(なんだ？何故病院で猫の声が…)

ニャー！

冬弥

？！

冬弥

ど、どこから…？

点滴が外れるのも気にせず、声の出処を探すために足を踏み出した。

冬弥

ﾊｯ！

？？

お、やっと起きた。

冬弥

！？！

？？

何勝手に終わろうとしてんだよ。まだ終わらせねぇぞ。

？？

お前には、魔王倒してもらわなきゃいけないんだから。

冬弥

な、な……ｯ！？

？？

久しぶりだな、冬弥。

冬弥

貴方は、あの時の…！！？

目の前にいるのは、他でもない、俺に勇者の剣とやらを渡して魔王退治を託してきた男だった。

？？

ったく、まんまと幻惑草にやられやがって…

？？

ま、これで目覚めたろ。向こうにお前の仲間がいたから、早いとこ合流するんだな。

冬弥

(そうか、俺は幻惑草で幻覚を…)

冬弥

(どこからが幻覚だったんだ…？流石に、病院にいたのは幻覚だろうが、)

？？

じゃーな。魔王退治がんばれよ〜

冬弥

ま、待ってください！！！

男を見失わないように、咄嗟に腕を掴んだ。

？？

おぉ、熱烈だな。どうした？

冬弥

き、聞きたいことが…山ほどあります…！！

冬弥

(今聞かなければ、きっともう一生聞けない…！)

冬弥

まず、貴方のその首輪…初めて会った時は、付けてませんでしたよね？

？？

さぁ？覚えてねぇな。

冬弥

その首輪、「勇者の首輪」ですよね。俺がクエストの報酬で貰った、

？？

この世界に「勇者の首輪」なんかそこら辺で売ってるだろ。

冬弥

…俺は、あの首輪を贈りました。あの、綺麗な黒猫に。

冬弥

その時…実は俺、少し着けるのを失敗したんです。

冬弥

あの黒猫の首に、誤って逆さ向きに着けてしまいました。

冬弥

貴方のその着けてる首輪も…逆さ向きなのは、何故ですか？

？？

……

冬弥

貴方は……もしかして、

？？

ストーップ

冬弥

！

？？

ったく、何で逆さ向きなんかで着けるんだよ。相変わらず、お前ってちょっと抜けてるよな。

冬弥

！！

冬弥

やっぱり…俺のこと、知ってるんですか？

？？

さぁ、どうだろうな。

冬弥

お願いします！教えてください！！

？？

嫌だね

冬弥

お願いします！！教えてくれるまで、絶対に離しません！

？？

うっわ、面倒くせぇ〜〜

司

…む！冬弥！！見つけたぞ！！

？？

げ、やば

類

冬弥くん！…って、その人は…？

冬弥

司さん！類さん！

冬弥

お願いします！！この人を絶対に逃がさないでください！

司

何っ！？わ、分かった！！

？？

は？！ちょ、おい！冬弥！！

類

ごめんよ。冬弥くんに頼まれたら断れないんだ。

類

"拘束魔法(アタッシェ)"

たちまち金の輪が現れ、ピッタリと男を拘束した。

？？

は？！

司

おっと、動かない方がいい。下手に動いたらその腕、折れるぞ。

？？

…ふざけやがって、

冬弥

本当に申し訳ないとは思っています。ですが、ここで貴方を逃がすわけにはいきません。

冬弥

類さん、司さん、ありがとう。

類

あぁ、構わないよ。

司

しかし、この男はなんだ？

冬弥

それを聞きたかったんです。

冬弥

教えてください。貴方は、あの黒猫なんですか？

司

！？

類

あの黒猫って…君がよく密会してたって言う？

？？

…

冬弥

…答えてください。

？？

…ははっ

？？

大当たりだよ、冬弥。

ばふっ

黒猫

ニャー

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2件

！！！！！！！黒猫の正体…アイツだったのか………にしても、「何勝手に終わらせようとしてんだ」ってシーン、めちゃくちゃ熱い…カッコいい………🤦💖 黒猫って不吉なイメージがあったりする（司と類も明言していた）から、「アイツ(黒猫)」の正体は冬弥をこの異世界に飛ばした本人だったり、冬弥に過去何か酷いことをしていたり……？とにかく、何かしら冬弥とは関係している気がする🥰

あかまる🍓🐾໊

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