マネージャー
向井康二
マネージャー
マネージャーの目は曇っている
言いたいことは分かる
"最期"になるかもしれない時が迫ってきている
そんな時、大事な人達に言わなくていいのか
向井康二
向井康二
向井康二
向井康二
マネージャー
何か言いたげにこちらを見つめるマネージャーを見て見ぬふりをして病室から追い出した
外はもうすっかりオレンジ色やった
深澤辰哉
スマホに写った人の名前を呼ぶ
この時にはもう、病気のことは分かっていたんだろうか
いつもは撮る側に回ることが多い康二
俺のスマホに入った康二は笑顔でピースなんてしてなくて、他愛ない話で爆笑している写真だった
腹を抱えて笑っていて
俺もそんな康二が可笑しくて
震える手を抑え、なんとか撮った写真だ
深澤辰哉
願ってもない涙が溢れ出る
でも、今は泣いた方が楽な気がした
だから、感情に任せて泣いた
明日、目腫れてんだろうな
でもいいや
この涙は、康二のせいってことにしとこ
で、帰ってきたら、元気になって帰ってきたら言ってやろ
なんてことしてくれてんだよって
だから、今は思いっきり泣こう
10分ぐらいたっただろうか
少しずつ涙も引いてきたころ、急に俺のスマホが鳴った
見るとマネージャーだった
深澤辰哉
失敗した
さっきまで俺は泣いていたんだ
涙声に決まっている
絶対心配かけた
マネージャー
心優しいマネージャーは気付かないふりをして進めてくれた
でも、「鼻詰まってます?」とか言ってくれればよかったのに
なんて、求めすぎか
マネージャー
深澤辰哉
というか、病院にいない時点でそう考えるのが妥当だろう
マネージャー
深澤辰哉
マネージャーは今康二が入院してる病院を教えてくれた
これから他のメンバーにも連絡を為るそうだ
でも、とりあえず、
深澤辰哉
マネージャー
マネージャーの声は、とても優しかった
その日はもう食欲がなくてそのまま寝た
深澤辰哉
いつも通りのように入ってきたふっかに違和感を覚えた
なんだ?
岩本照
深澤辰哉
岩本照
深澤辰哉
深澤辰哉
あ、笑ってくれた
岩本照
深澤辰哉
視線も合わせずに答えたふっか
でも、ちゃんと分かってくれたと
俺は分かってる
スマホをいじり始めたふっかを横目に、俺は自分の支度を始めた
阿部亮平
今日はこの3人での収録だ
中々珍しいけど、新鮮でわくわくしている
阿部亮平
深澤辰哉
岩本照
岩本照
聞きたいことがある
俺は準備が終わり、まだ時間があることを確認してから楽屋を出た
楽屋を出て少し歩いた廊下
そこで、俺はマネージャーに電話をかけた
岩本照
マネージャー
岩本照
マネージャー
岩本照
岩本照
マネージャー
マネージャー
その言葉が引っかかった
その言葉の理由を聞こうとした時、足音が聞こえた
岩本照
マネージャー
岩本照
電話を切る
後ろを向くと、ふっかと阿部が歩いてくるのが見えた
深澤辰哉
阿部亮平
岩本照
阿部亮平
岩本照
今日の俺の仕事はこれで終わりだ
この後、車で30分もすれば康二のいる病院につく
何を話そう
なんで違う病院に行ったのか?
なんで隠してたのか?
…いや、今のSnowManのことを話そう
きっと、笑ってくれる
また、康二の笑顔が見たい
その軽い気持ちで、康二の病院に行ったのが間違いだったかもしれない
岩本照
向井康二
向井康二
戸惑ってる
でも、とりあえず元気そうでよかった
岩本照
岩本照
岩本照
岩本照
岩本照
そんなことを話しても、康二は、何も反応してくれない
俯いて、目を閉じている
岩本照
俺が康二の背中に触ろうとした時
向井康二
聞いたこともない低い声で、康二は言った
向井康二
向井康二
岩本照
岩本照
向井康二
向井康二
向井康二
向井康二
その言葉を聞くと、帰らざるを得なかった
俺は病院を出て車に乗り、家に帰った
「みんなの顔なんか見たくない」
思わずそう言ってしまった
言葉を放ったあとの照兄は苦しそうで、悲しそうで、見ていられなかった
本心じゃないと言えば本心じゃない
本心と言えば本心
本当の自分の心が分からなくなってきている
段々体も動かなくなってきて、怖くなってきた
このまま死んでしまうんじゃないか
そう考えると、キラキラ輝いているみんななんか見たくない
初めて、照兄を傷つけた
向井康二
あんなことを言ってしまう自分が嫌だ
あんなことを考えてしまう自分が嫌だ
何もかもが嫌だ
もう、いっそのこと…
向井康二
コメント
2件
こーじくんやめてー😭 1人で抱え込まずみんなに話して欲しいな😭😢 諦めないで😭 ドキドキしながら読ましてもらいました🥹 とてもこの作品が好きです😆 続き楽しみにしています😆😊