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六花
母
日本国内で見られたオーロラ。
世界が注目し、数多のメディアが取上げたが、
これといったことは何も分からず、
今では奇跡と銘打つだけの御伽噺のようになった。
天吏
母
母
天吏
母
哀れな天使。
天使の母親に捨てられちゃった
地上は穢れた人が巣食う場
天使も穢れに呑み込まれる
隕石のように、天使は堕ちる
煙たいほどの雲。
散って往く私の羽
羽は千切れたら青から緑の光を放った
それは地表の人々から、オーロラ
と呼ばれるようになった。
これは天使の世界。
天界の御噺。
天界では、最近になって上下関係が作られた。
天子
父上
父上
父上
父上
父上
王族である父上は爺から王の座を譲り受けると、
上下関係を創った
今まで天界にはこれと言う上下関係はなかった為、
父上には賛同と批判が集まった
しかし父上は立場を利用し批判の口を閉ざした
故に、更に強い上下関係がつくられてしまった
その為、貴族や王族は、
賤吏に甘んずるを潔し良しとしなかった。
しかし、私はそんな掟に、作られた道徳に、
悖ることとなった。
私は、恋をしたのだ
しかし、恋の相手は立場が低い
私の婚約相手の候補に上がることすらなかった。
天子
父上
父上
天子
父上
父上
父上
天子
反論は、する気力が湧かなかった
父上との干渉を諦めた際、同時に
彼との秘密の交際が始まる。
蒼
天子
天子
蒼
しかしこの交際も、
バレてしまう時はきた。
唯を捏ねて、あらゆる手段を使って、なんとか父上は許可をした
天子
蒼
立場が違えど、心は通じ合う
身をもって知った。
しかし、悪い噂は絶えなかった
それはそうだ。
上下関係を創った王の娘が、背いたのだから。
同時に、王族が魅入る程の人、と
いわれのない増大な期待も寄せられた
子供を作ることを視野に入れ、私たちはめでたく婚約を始めた
天子
蒼
天子
天子
蒼
彼は妊娠した私と胎児に気を遣うようになった
こんな所に惚れて、唯を捏ねたんだっけ。
思い出すと微笑する。
蒼
蒼
天子
天子
そんなある日。
急激は陣痛で、私は病院に運ばれた
痛い、。痛い。
でも傍らで見守ってくれる彼が居て、頑張れた
「可愛い女の子ですよ〜」
産めたんだ。
女の子。私達の子供。
涙がボロボロ溢れる
それから、彼との子供の育みが始まる
子供は、天吏と、彼が名付けてくれた
年は経ち、天吏はもう7歳になる
7歳で分かったこと。それは
天吏には、片翼、左側の翼が生えていない
王族である私に関する話題は、
何処からか広まってしまい、
彼のせいだと雑踏は騒いだ
それは、父上も同じ。
私の目のない所では、
彼に暴言を吐いていた
お前なんかと子を作らせるから
王のあとも継げない女で
落ちこぼれの天使になってしまった!
翼が片方生えていないのは天吏が初めてで、
騒ぎにうんざりした父上が私から彼を取り上げた
天子
父上
父上
彼は消えた。
彼の名付けた子供、天吏だけを残して
天吏
天子
天子
左の翼がない
天子
天吏
欠けた天使だ
天子
天子
狂った天使。
堕ちた天使は空に落ちていく
右の翼の羽もちぎれ始め、
その羽は緑から青に光って空を舞っていた
穢れた人達は、その光をオーロラとして見守った
地上から見るオーロラは美しいのだろう
天界から、私が見るオーロラは
天子