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裕太
突然、聞こえた裕太さんの声
何があったのかと声のする方を覗くと
話をしている琴音さんと裕太さんの姿が見えた
裕太さんはここから車で三十分程、離れた場所に住んでいて
私達の引っ越しの時にわざわざ手伝いに来てくれたり
週末に根岸家を訪れた際には必ずお土産を持ってきてくれた
私にとっては優しいお兄さんのようなイメージがあって
そんな裕太さんが声を荒げる姿に驚きを隠せなかった
裕太さんは相談があって作造さんに会いに来たけど
作造さんが地下室から出てくることはなく
裕太さんは追い返されたと思ってしまったようだ
作造さんが地下室で何をしているのかを裕太さんは知らない
タイムマシーンを作っているとは思わないだろう
それを打ち明けたところで
裕太さんはきっとふざけていると思ってしまう
私だって最初は驚いた
映画や漫画やアニメの中にしかないものだと思っていたから
口頭で言われただけだったら信じなかったと思う
私がそれを信じられたのは
未来から明日夢が会いに来たから……
琴音
裕太
琴音
愛紗
門を出た裕太さんと目が合ってしまった
愛紗
愛紗
裕太
愛紗
裕太
裕太
諦めたような暗く冷たい眼差し
もう何を言っても無駄だと思った
ただの隣人の私にできることはもう……
裕太
裕太
愛紗
裕太
愛紗
裕太
愛紗
裕太
愛紗
裕太さんは駐車場の方へ歩いて行ってしまった
琴音さんは寂しそうに去っていく後姿を見つめる
その直後に作造さんが出てきたけれど
琴音さんは目も合わせずに家の中に入ってしまった
作造
愛紗
作造
作造
愛紗
作造
作造
作造
作造
作造
愛紗
作造さんも寂しそうに家の中に戻っていった
前から時々、口論する声が聞こえていたけど
こんなに大きな衝突は初めてで……
今からでも追いかければ裕太さんを引き留められるかもしれない
ほんの一瞬そう思ったけど
愛紗
愛紗
諦めて家の中に戻った
愛紗
愛紗
焼き立てのパンとゆずのジャム
琴音さんと二人で楽しむ予定だった
別にジャムが食べれなかったから落ち込んでいるわけじゃない
作造さんと裕太さんの思いがすれ違ったまま
遠くに行ってしまうと思うと私まで辛くなる
今頃、琴音さんは泣いているかもしれない
丈太郎
丈太郎
その日の夜
帰宅した丈ちゃんに見たことを全て話した
琴音さんにパンを届けるために玄関を出たら声が聞こえて
それが裕太さんの怒っている声だった
作造さんに追い返されてしまい
それまで胸に閉まっていた幼い頃からの思いをぶつけた
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
あの後、夕方頃に琴音さんにパンを届けに行き
お返しにお手製のジャムをもらった
裕太さんのことが気になっていたけど
琴音さんに聞くことはできなかった
愛紗
愛紗
丈太郎
丈太郎
丈太郎
丈太郎
愛紗
愛紗
ここに越してきてから三ヶ月
一度も明日夢は会いに来なかった
もう受験生だから忙しくて来れないのかな?
凄く幸せだから問題はないけど
こんなに長いこと会えていないと
少し寂しいと思うこともあって
愛紗
丈ちゃんとのことも話したいし
伝えたいことや聞きたいこともたくさんあるのに
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
何となくわかっていたけど
わざと惚けてみたりして
丈太郎
愛紗
でも結局は
愛紗
丈太郎
丈太郎
丈太郎
愛紗
丈太郎
丈太郎
愛紗
いつも私が負けてしまう