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テオ

みなさんっ!

拓さんが去ると、一目散にテオ君が こちらへ駆け寄ってくる

真冬

遅くなってごめんね。じゃあ行こっか!

テオ

はい!

アデル

今日はテオをよろしく。せっかくだからみんなも楽しんでおいで

翔太

はい、行ってきます!

さっき入ってきた出入り口とは 別の場所から中心部を出て、 闇属性の元居住地区とやらへ向かう

テオ

ここ、闇属性の人たちがいなくなってしまってから、もうずっとだれも住んでないんです。

テオ

でも、だからぼくはよくここに来てて。あっ、お祖父様にはないしょですよ?

へぇ……誰もいなくて安全だから、 今はテオ君の遊び場になってるのか

百瀬

(偉い家の生まれっていうのも、大変なんだな……)

子供の頃からこんなに制限されて、 辛くないんだろうか

テオ

えーっと……あっ、こっちです!

テオ君について行って、 さらに奥まで進んでいく

うわぁ、全然雰囲気違うなぁ……

シャノン

魔法界にこんなところあったんだ……

魔法界生まれの96猫さんにとっても 新鮮らしく、みんなで辺りを 見回しながら歩いていく

百瀬

(さっき歩いてたところより、空気が少し重く感じるような……)

やっとみつけた

百瀬

……っ!

百瀬

……え、今の何……??

不意に“何か”を感じて、 咄嗟に歩みを止める

真冬

えっ?

翔太

なるせ君、どうかした?

もしかして、みんな気づいてない?

百瀬

今、なんか変な感じが……

具体的に“何”とは言えない、 抽象的な何かを感覚で捉えた

きて

百瀬

え……? こっち……?

その“何か”に腕を引かれるように、 導かれるまま道を走っていく

彼方

あ、おいなるせ!

みんなに呼び止められても足が止まる ことはなく、ずかずかと進んでいった

翔太

と、とにかく追いかけてみよう!

やっと、きてくれた──

──紫色の、ウタイテ

百瀬

はあっ、はあっ……

走り続けて、ある建物の前で止まる

百瀬

ここ……?

真冬

なるせ君!

テオ

モモセさんっ!

息を整えていると、 後ろからみんなが走ってきた

テオ

って、ここ……!

天月君に抱っこされてたテオ君が、 俺の目の前にある建物を見て、 そう言葉を溢す

シャノン

もしかして、テオ君が目指してたのってここ?

テオ

はい! ここの前で、ふしぎな魔力を感じたんです!

そこって、ドア開くん?

試しにドアノブを持って、 ガチャガチャ動かしてみる

百瀬

……いや、開かない。鍵が閉められてる

押したり引いたり、左右に動かそう ともしたけど、ピクリとも動かない

翔太

……もしかしてそこ、何か魔法がかかってない?

彼方

魔法?

翔太

普通には、開かないし……ピッキングとかしても、多分無理。特殊な魔法がかけられてる気がする

じゃあ、その魔法がこことその鍵の魔力の正体?

シャノン

ならもしかしたら、なるせちゃんのその鍵で……?

翔太

うん、僕も似たような魔力を感じるし、そうだと思う。

翔太

なるせ君、その鍵で開けてみてくれない?

百瀬

はい……

言われた通り首からネックレスを 取って、扉にある鍵穴に鍵を挿す

それから、くるっと回してみた

カチャッ

百瀬

っ! あ、開いた……?

百瀬

……うわっ!

鍵を開けた瞬間、紫の魔法陣が、 一瞬だけ現れて消えていった

百瀬

な、何だ……??

恐る恐る、取っ手を持って、 もう一度ドアを開けようとしてみる

ガチャッ

百瀬

っ……! 開いた……!

えっ、マジ!?

真冬

天ちゃん、さっきのって何だったの?

翔太

魔力を使った特殊な鍵かな。僕の耳飾りみたいに、魔法具と似たようなもの。

翔太

扉と鍵に同じ魔力を込めて、他の方法では一切開けられなくするんだよ。

翔太

だからこの扉は、なるせ君が持ってるその鍵じゃなきゃ、開かない仕組みになってた

百瀬

これが……?

魔法界にある建物を開けられる、 唯一の鍵……鳴海家は、何でそんな ものを後世に継いでたんだ……?

翔太

とにかく入ってみよう。そしたら何か分かるはずだし!

少し身構えながら、 みんなで中へ入っていく

百瀬

……え?

真冬

え……ここって……

翔太

僕らの魔法空間……?

建物の中は、俺らが普段使っている 魔法空間にそっくりだった

それを少し縮小したような、 相変わらず何もない場所

百瀬

(確か空間の広さとか内装って、似たものはあっても、人によって全部違うんだよな……?)

なのに、どうしてこんなに そっくりなんだ……?

テオ

……あれ? あそこ、なにかありませんか?

シャノン

えっ? ……ほんとだ、何あれ?

テオ君が指を差した部屋の中心には、 物々しい雰囲気を醸し出している 木製の台座があった

百瀬

……? これ、本?

その台座に置かれていたのは、 何かの本だった

彼方

本……? 魔導書か何か?

……兄貴、それは流石に ゲーム脳すぎないすか?

真冬

……えっ、なるせ君、そんな簡単に手に取っちゃって大丈夫?

百瀬

だって、読んでみんと分からんし……

そう言って、手に取った本を 開いてみる

百瀬

……え、何これ……??

何の本だった?

百瀬

いや、それが……。

百瀬

……何も書かれてねぇ……

シャノン

えっ、何も書かれてない……?

百瀬

ほんとっすよ、どこのページ開いても、全部白紙で……

みんなに見せながら、 ページをパラパラとめくってみる

マジや……けど、何でそんなのの為にこんな厳重な鍵を……?

ここがあの空間とそっくりなのも気になるよな……

翔太

まだ何かあるのかな……それ、持って帰ってアデルさんに見せてみようよ。何か分かるかも

みんなで中心部へ戻ってきて、 早速アデルさんに報告することに

アデル

みんなおかえり。何か収穫はあったかな?

百瀬

実は……

一通り、俺の鍵と建物のこと、 中にあった本の話をする

アデル

なるほど……それで見つけたのが、この白紙の本というわけか

翔太

はい。でもその本、本当は白紙じゃない気がするんですけど……

アデル

……そうだね、ショウタの言う通り、魔法で暗号化されているみたいだ

真冬

魔法で暗号化……?

アデル

そう。闇属性の魔法には、そういう面に優れたところがあってね。

アデル

その建物の特殊な鍵というのも、似たようなものだろう。

アデル

内装が空間と似ているというのも、気になるところだね……。

アデル

一先ずこの本の暗号は、こちらでどうにか解いてみるよ。また何か分かったら、ノアを通じて連絡しよう

百瀬

お願いします

多分あの建物は、うちの先祖の 魔法使いが所有していた場所で 間違いない

じゃないと、こんな大事な鍵を 持っていなかっただろうから

百瀬

(鳴海家の先祖は、あそこに何を隠してたんだ……?)

魔法使いは何を唱う? ー7つの音色ー

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コメント

6

ユーザー

鳴海家には、不思議な秘密があるのか…?そして一番気になる『紫色のウタイテ』っていう言葉! もしかしてウタイテには色があるのでしょうか…それを導いていたのは一体誰だったのか…… そして白紙の本、何が書いてあるのかがとても気になります… 続き楽しみにしております!

ユーザー

んんん?鳴海家めっちゃ気になる…… nqrseちゃんを導いたのは誰? nqrseちゃんの先祖達なのか……? そして白紙のあの本…魔法が解ければ 文字かなにか大切なものが出てくるのかな… 謎が深まっていく…… 続き楽しみにしています!!!!!

ユーザー

一体鳴海家はどんな事があったんだ? しかも『やっと来てくれた。紫のウタイテ』って言うのも気になるなぁ〜 白紙の本。魔法がかかってるっぽいけどそうだとして何が書かれているんだろう? 鳴海家の謎も増えて来て頭がパンクしてますね(。-`ω´-)ンー

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