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遠く離れた世界の君へ --

第6話 - 初対面は幾度目か

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2023年07月30日

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かえで🍁✒️

〜真冬 side〜

今日彼方さんは、外で打ち合わせがあると言って、昼に家を出て行った

真冬

（暇だなぁ……）

リビングのソファに凭れながら、ぼーっとそんな事を考える

これまでの自分には到底あり得ない、想像も出来なかった今の生活

真冬

（彼方さんには、感謝してもし切れないな）

ソファに座る事も飽きて、何となく廊下に出る

家事は午前に一通り済ませてしまったし、ご飯を作るにはまだ早い

真冬

（かと言って、外に出掛けるのも気が乗らないな……）

♪〜……

真冬

……？

彼方さんの部屋の前を通りかかると、不意に、何かの通知音が聞こえる

真冬

（この音……確か彼方さんは、でぃすこーどって言ってたっけ……？）

半開きになっていた扉から、少々罪悪感はありつつも、そっと顔を覗かせてみた

真冬

あ、パソコン付けっぱなし……

すっと部屋に入って、明るいままのパソコンに近づく

その画面には、ごちゃごちゃとした複雑なボタンや表示がされていた

真冬

（何だろう、これ……）

ティロン

真冬

わっ！

再び通知音に不意を突かれて、つい声を上げてしまう

真冬

な、何……？

天月そらるさん！今日こそ暇ですか！！

真冬

天、月……？

この人は……そらるさんの友達？

真冬

（でも……この名前、何処かで……？）

真冬

──ゔっ……！？

突然ズキッと頭痛がして、頭を抑えてその場に蹲る

真冬

（何、急に……！？）

〜彼方 side〜

打ち合わせが終わった夕方、ようやく家に帰って来る

彼方

ただいまー……。

彼方

……？

彼方

真冬？

いつもなら、直ぐに玄関に来て迎えてくれる筈の真冬

だけど、今日は全くその気配が無い

彼方

（どうしたんだ……？）

不思議に思いつつ廊下を進む

彼方

……ん……？

途中、自分の部屋のドアが開いている事に気付いた

彼方

（まさか……）

部屋に入ると、そこには……

真冬

ゔ、ぐっ……！

彼方

真冬！？

電源の入ったパソコンの側で、頭を抑えて蹲っている真冬がいた

真冬

ぅ……あ、かな……さ……！

俺の名前もまともに呼べていない

彼方

ちょっ、おい、どうした？

直ぐに駆け寄って、声を掛けてみる

真冬

ごめ、なさっ……部屋、勝手に入って……

彼方

いや、それは別に良いけど、お前は何があった？？

真冬

そ……れは……っ……。

真冬

…………

彼方

……？　真冬……？

彼方

おい、真冬！？

彼方

（こう言う時、誰に頼れば良いんだ……！？）

彼方

兎に角、誰かっ……！

〜　 side〜

???

ねぇ──くん、こんな話知ってる？

ん？

???

ほら、最近話題になってる連続殺人事件があるじゃん

あ〜、猟奇的殺人、だっけ……？

???

そうそう。それね、一部では“吸血鬼殺人事件”って呼ばれてるらしくて

吸血鬼……？

???

何でも、遺体の首筋には必ず、何かの噛み跡があるみたいだよ。

???

それが、吸血鬼に噛まれた様に見えるらしくて

へぇ〜……

???

しかも、血が流れた形跡は無いのに、死因は失血死らしくて……。

???

それで、吸血鬼に血を吸われて死んだんじゃ無いか、なんて話になってるんだ

でも吸血鬼って、流石に現実にはいないでしょ。そう見せかけてるだけじゃ無いの？

???

どうだかね〜……でも、最近この近くでも起きてるらしいから、夜道には気を付けてね

僕は基本家に篭ってるから大丈夫だよ

???

あははっ、確かに僕らは皆そうか。

???

でも──くん、そらるさんってよく夜に散歩してるみたいだし、気を付けてって言っておいた方が良いんじゃ無い？

???

──くんだって、好きな人に死なれたく無いでしょ〜？

ぅ、そ、それはそうだけど……！

???

早く告っちゃえば良いのに。そらるさんだって、──くんの事好きな筈だよ。僕の勘が言ってる！

えぇ、──の勘かぁ……

???

ちょっ、僕の勘そんなに信頼無い？

ううん、嘘嘘！

「ありがと、“天ちゃん”」

真冬

──っ！！

はっと夢から目が覚める

ここは……自分の部屋？

???

あっ、起きた！

真冬

あ、え……？

ベッドの側にいた人の声が聞こえる

……だけど、彼方さんじゃ無い

真冬

（この人は……？）

???

おーい、そらるさーんっ！

ガチャッ

知らない人が部屋の外に向かってそう呼ぶと、彼方さんが入って来た

彼方

ちょっ、お前声デカいんだよ。もうちょっとボリューム下げろ

???

え？　あはは、すみません……。

翔太

そうだ。僕、天宮翔太って言います。真冬さん、体調どうですか？

ボクに向き直って、自己紹介をしてくれる

真冬

え、と……だ、大丈夫です……

真冬

（天宮、翔太さん……？）

彼方

あ〜、急でびっくりしてるよな。

彼方

こいつ、俺の活動仲間で友達。信頼できる奴だよ

突然の事に困惑していると、彼方さんが説明を挟んでくれた

彼方

お前、俺の部屋で倒れてたから……ってか、何であそこで倒れてたの？

真冬

えと、それは……

部屋のドアが僅かに開いていた事、でぃすこーどの通知音が聞こえた事、付けっ放しのパソコンを見つけた事

そして、“天月”って名前を見た途端、突然頭が痛くなった事

少し記憶が曖昧だけど、さっき起きた事を2人に話した

真冬

（そう言えば……さっき、何かの夢を見てた様な……。）

真冬

（……これは、関係無いかな）

翔太

え〜っと……一応僕、その『天月』なんですけど……

苦笑いを混えつつ、翔太さんにそう言われる

真冬

えっ、あ、そうなんですか……？

あの名前を見た時、どこか懐かしい様な、そんな気がしたけど……

真冬

（でも、この人とは明らかに初対面だし……。）

真冬

（ボクの思い違い、だったのかな……）

遠く離れた世界の君へ --

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うーん……まだまだ謎なことだ… 『天月』という名前を見た瞬間頭が痛くなってあの不思議な夢を見た…まふくんはもしかしてあまちゃんを知ってる？夢であまちゃんってでも初対面…だし……でも……最後の懐かしいって……？うーん……わかんない！続き楽しみにしています！

まふくんは『天月』という言葉に覚えがある。それに天ちゃんとも呼んでいた夢。しかもどこか“懐かしい”感じがする。ストーリーが更新されるにつれ謎が深まり、続きが楽しみになってます！続き頑張って下さい！楽しみにしています！

ん〜…？話が更新されていくたびに、謎は深まっていきますね…🤔 『天月』の名前を見た途端に頭が痛くなってしまったまふくん、そして不思議な夢……にしては、少し違和感がありますそして最後の"懐かしい"とは一体…？　　今回も最高に面白かったです！続き楽しみにしております♪

かえで🍁✒️

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