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猫屋敷古物商店の事件台帳

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猫屋敷古物商店の事件台帳

40 - 第6話 お化け団地の人喰いエレベーター 問題編【1】

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2025年12月07日

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今やエンターテイメントは誰もが簡単に提供することができるようになった。

一昔前、映像を求めるならテレビ、物語を求めるなら漫画や小説、音楽を求めるのであればオーディオプレイヤー……といった具合に、エンターテイメントには大なり小なり金がかかった。

しかし、今となってはwebの大海に無料の物語が無数に漂い、音楽や映像も再生ボタンひとつで簡単に手に入るようになった。

動画投稿サイト【ウィーチューヴ】もまた、それらのコンテンツを提供しているサイトだった。

今や【ウィーチューヴァー】なる呼称も広がり、コンテンツを提供する側も、ほんのひと握りではあるが、それだけで飯を食える時代になっていた。

そして今日もカメラが回る――。

レッド

どうも、レッドだよー!

ブルー

ブルー!

イエロー

イエローだぜ!

グリーン

グリーンだ。

レッド

オカルト戦隊――。

ブルー

視えるんジャー!

イエロー

見参!

グリーン

――はい、ポーズ取るダサいからやめようね。近所迷惑だし。

もちろん、個人が投稿するコンテンツであるから、どんなものがウケるのかは分からないし、クオリティーだって玉石混合なのではあるが。

しかし、こうしてカメラの前で始めたグループである【オカルト戦隊 視えるんジャー】は、心霊チャンネルということもあって、人気のあるグループである。

レッド

さてさて、今日はかなーり山奥までやって来ましたよー。

イエロー

いや、バスがマジで1時間に1本あるかないかだから焦ったよねぇ!

グリーン

でも、見てくださいよ。

グリーン

このマンション――。

彼らが見上げるは5階建てのマンション。

いや、団地と表現したほうがいいかもしれない建物があった。

ブルー

で、このマンションがどうしたんだ?

レッド

実はここ――地元じゃ【お化け団地】なんて呼ばれてるんだって。

レッド

なんでも、随分と前に税金ぶっ込んで建ててみたけど、立地がかなり悪かったみたいで、これだけの規模なのに、ほとんど住人がいないらしいんだよね。

グリーン

後、お家賃も結構な額するとかしないとか。

イエロー

でも、人が住んでるんだろ?

イエロー

だったら、オカルト戦隊とは縁がないんじゃね?

イエロー

大体、まだ昼間だし。

ブルー

まぁ、辺りはひっそりしてるし、不気味っちゃぁ不気味だけどな。

レッド

実は、この団地自体には変ないわくがあったりするわけじゃないんだよねー。

レッド

問題なのは、この団地に唯一設置されている一基のエレベーターなんだよね。

グリーン

エレベーター?

レッド

そう、ここのエレベーター表向きは故障しているらしいんだよね。

レッド

性能も良いわけじゃなくて、やたらと遅いし、なんと1階と5階にしか止まりません。

イエロー

なんだよそれ。

イエロー

5階専用エレベーターかよ。

レッド

だから故障してるんだって。

グリーン

背伸びして無理矢理エレベーターをつけたんだろうね。

グリーン

安物を使うからこうなる。

彼らのやり取りは、あくまでも画面の外の視聴者に向けてのやり取りだ。

真昼間から寸劇のごとくテンポで撮影は続く。

ブルー

でも、そのエレベーターがどうしたんだ?

レッド

まぁ、実際に見たほうが早いと思うよ。

レッド

それでは中のほうに入ってみましょう!

グリーン

許可とか取った?

グリーン

そうじゃないと、不法侵入になるけど。

イエロー

――そんなもん知ったこっちゃないね!

素人がゆえに、手順を間違うことがあったりするが、彼らはこうした強引なやり方が、一部のファンからは支持されていた。

レッド

さぁ、団地の中に入ったわけだけど、昼間だってのに雰囲気ありますねー。

グリーン

ひっそりとしている。

グリーン

本当に住んでる人いるのかい?

レッド

本当に数戸程度みたいだけど、住んでる人はいるみたいだね。

ブルー

物好きだよなー。俺だったら絶対に嫌だ。

ブルー

オカルト関係のウィーチューヴァーが来るような団地。

イエロー

誰のことだよ、それ!

イエロー

俺達じゃん!

少し薄ら寒いテンションで、一同はエレベーターの前にやってきた。

特にエレベーターホールがあるわけでもなく、廊下の突き当たりにいきなりエレベーターがあるような感じ。

グリーン

――故障中って紙が貼ってあるけど。

レッド

そんなの、剥がしちゃいましょう!

レッド

後で貼り直しておけば問題ないから!

許可を取っていない上に、勝手に掲示物を剥がす。

やりたい放題の彼らだが、そんな彼らに天罰が下るのだ。

グリーン

1階か5階にしか止まらないんなら、すぐにエレベーター乗れるんじゃない?

イエロー

それじゃ、エレベーター呼び出してみるぞ。

グリーンの言う通り、イエローが呼び出しボタンを押すと、すぐにエレベーターが開く。

ブルー

うわ、なんだよこれ――。

そう呟く彼らの姿がエレベーターの中で乱反射をする。

彼らは一体何人のグループなのか――そう思うほどの人影が、エレベーター内には乱反射されていた。

グリーン

――うん、この団地に住人がいない理由、分かった気がする。

イエロー

これ、故障中じゃなくても、乗りたがる人いないんじゃない?

ブルー

合わせ鏡のエレベーター……か。

レッド

その通り!

レッド

ここのエレベーターは床と天井以外は合わせ鏡になっているのでしたー!

レッド

そして、このエレベーターには奇妙な噂があってね――。

レッド

乗った人間を喰べることがあるんだって。

イエロー

はぁ?

グリーン

どういうことかな?

レッド

それを、実際に私達が実証したいと思いまーす!

レッド

名付けて【お化けマンションの人喰いエレベーターに乗ってみたー!】だよー!

撮れ高を気にしているのか、無理矢理にそこで盛り上がる一同。

この中の誰かが、これから本当にエレベーターに喰われるとも知らずに。

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