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どんよりとした雨雲が流れる空
下校途中の女子中学生2人組が
空を見上げて不安そうな表情で話をしていた
恵美
ねえねえ、聞いた？
歩美
ん？何を？
恵美
町の川沿いを歩いてると…
歩美
もしかして髪の長い女の噂話？
恵美
そう！やばくない？
恵美
怖いよね？
歩美
ぜーんぜん
歩美
くだらないよ～
歩美
恵美、それ本当に信じてるの？
恵美
え？
恵美
うん…
恵美
だって実際に何人か見てるし…
歩美
見てるって誰が？
恵美
それは…
歩美
ほらね
歩美
で、なんだっけ
歩美
その髪の長い女の霊は
歩美
ぎこちない歩き方で
歩美
ズリズリズリと徘徊していて
歩美
その女の背後を歩いていると
歩美
急に視線を感じて…
歩美
そして…
歩美
恐ろしい速さの後ろ歩きで追いかけてきて…
歩美
見るなぁああああああ！！！
恵美
ひぃい！！
歩美
きゃはは！！
恵美
もうっ！！
歩美
あはは
歩美
ごめんごめん！
歩美
そんなさ
歩美
ありもしないことに怯えることないって！
恵美
歩美は強いね
恵美
でも…
恵美
助かる方法くらいは
恵美
知ってても損はないよね？
歩美
助かる方法？
歩美
初耳かも
歩美
（噂話って、どんどん尾ひれがつくのよね...）
歩美は時間が気になり時計を見た
歩美
（あ！やばい！もうこんな時間！）
恵美
その女に会ったら…
歩美
恵美！ごめん！
歩美
塾遅れそうだからまた明日教えてよ！
恵美
あ、うん！
歩美
また明日ね～！
恵美
また
恵美
明日ね…
タッタッタッ…
歩美
急がないと！
タッタッタッ…
歩美
はぁはぁ…
歩美
（間に合うかな…）
歩美
（あ…川沿いの道…）
歩美
（ははは…まさかね…？）
歩美は髪の長い女の霊が出ると
噂されている道に来てしまった
歩美
…………
歩美
（噂話とはいえ…）
歩美
（普段からここの道、じめっとしてて嫌な雰囲気なのよね…）
歩美
（でも、幽霊が出てくるとかそういうのは信じられない）
歩美
（うん、ありえない）
歩美
（きっとちょっと不気味な人が歩いてたのを）
歩美
（誰かが面白半分でつく…）
ズリズリ…
歩美
！！
ズリズリ…
歩美
あぁ…ああぁ…
髪の長い女
ブツブツブツブツ…
歩美
（髪の…長い…女…！！！）
ズリズリ…
ズリズリ…
歩美
（あれ…通りすぎて…）
歩美
あ
歩美
背後…
歩美
…っ
歩美
し、視線…感じる…！
歩美
う、動けない…
歩美
！！
歩美は髪の間から覗くそれに気付いた
歩美
（…目？？）
歩美
（頭の後ろに目が…）
歩美
（違うっ…）
歩美
（顔が後ろ向いてる…！！）
髪の長い女
なんで…
髪の長い女
なんでわだじをみぅるのぉお…
歩美
ひぃいい…
髪の長い女
ゔぃないで…
髪の長い女
みないでよぉおおおおお！！！！
ダッダッダッダッ…
次の日、歩美は変死体で発見された
歩美の首は、強い力で反対側へ捻じ曲げられていた
恵美
歩美…
恵美
ごめんね…
恵美
実は…
恵美
髪の長い女の正体はね…
恵美
私のお母さんなの
恵美
小さい頃あの場所で事故にあってね
恵美
私をかばったお母さんは
恵美
首が反対方向に折れちゃったの…
恵美
でも、まだ生きてたの！
恵美
それなのに…
恵美
集まってきた人たちは
恵美
助けることもしないで
恵美
お母さんにスマホを向けた
恵美
お母さんは
恵美
見ないで…見ないで…って
恵美
必死に訴えたの
恵美
ひどいよね？
恵美
誰も助けてくれなかった...
恵美
その時ね
恵美
私見たの…
恵美
歩美があの野次馬の中に居たこと
恵美
歩美はすっかり忘れちゃってたみたいだけど
恵美
私はあの場に居た人間の顔を一生忘れない…
恵美
だからこれは復讐なの
恵美
私と
髪の長い女
ぐひぃぎひぃひひぃ…
恵美
お母さんの
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