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なんだか凄く、 幸せな夢だった。
目が覚めると あの山奥の古民家で。
そこからいつものように 海とくだらないことで喧嘩し、 空といかがわしい雑誌を読み、 父とニュースを眺める一日。
「あっ、海!!! リモコン返せよ!」 「うっせ、おれが勉強してる時に ガヤガヤやかましいんだよ!」 「俺は先に勉強が終わっている! 時間かかってる海が悪いだろう!」 「まぁまぁふたりとも、 居間が半壊するような喧嘩は 勘弁することだね」 「海ー、続きやらないの? せっかくお兄ちゃんが カラダに教え込んであげてるのに♡」 「空!おまえもうるせぇ!!! ただの英文法だろうが紛らわしい!」
日帝は、こんな時間が ずっと続けば良いと願った。
…やがてその日は就寝時間になり、 川の字になって灯りを消そうとした その時。
「…陸。 最後にひとつ、良いかい。」 「なんですか、父上 最後って、一体何が……」 「陸には大事なことを 伝えなければならなかったね。」 「………?」
「…陸とはいずれ、 また会える。 ひとつ先の年号で待っているよ」
目が覚めた。
夢を見ながら泣いていたのか、 頬も枕も濡れていた。
アメリカ
廊下の方へ目線を動かすと、
洗濯ものを 抱えたアメリカが 驚いた顔をしていた。
アメリカ
日帝
大声で叱ろうとしたものの、 何故か喉が詰まって むせてしまった。
アメリカ
アメリカはすぐにドタドタと走って 茶を取りに行ってくれた。
洗濯物も 放り出して。
日帝
アメリカ
日帝
アメリカ
慌てるアメリカから グラスを受け取り、 口に運ぼうとした。
しかしなんだか、おかしい。
グラスを持つ手が、 ガタガタ震え出して 止まらないのだ。
お陰で折角持ってきてくれた麦茶を バシャッと布団に零してしまった。
日帝
アメリカ
アメリカ
さっきはアメリカの慌てようで 気付けなかったが、
起き上がってからずっと 首や背中が だるく感じる。
…そうか、もう。 身体を起こす筋力すらも 残っていないというのか。
アメリカの手伝いもあり なんとか麦茶を飲み終えて、
日帝
日帝
アメリカ
日帝
アメリカ
日帝
―――ぎゅっ。
力が入らない両手で、 アメリカの掌をそっと握った。
目をつむりおでこの前まで その手を持っていき、
日帝
アメリカ
アメリカ
以前日帝が家事のこだわりや 自分に課せられた責任について 話してくれたことを思い出すと、 何も言えなくなってしまうアメリカ。
アメリカ
日帝
アメリカ
日帝
ガクン!
立ち上がろうとするも 布団に倒れ込んでしまった。
アメリカ
日帝
アメリカ
こんな状態になっても まだ動こうとする 痛ましい日帝のことを、 アメリカは横目で心配しながら 台所へ向かった。
アメリカが運んできた オートミール粥は、 此奴らしからぬ 優しい色味をしていた。
アメリカ
日帝
日帝
さっそくお粥を食べようとし、 金属製のスプーンを掴んだ瞬間 日帝はハッとした。
映る自分の顔に、 いくつもの亀裂が 入っていたのだ。
日帝
絶句する日帝に 心が痛んだアメリカは、 何と声をかけていいか 分からなかった。
アメリカ
日帝
日帝
アメリカ
日帝
日帝
日帝
アメリカ
国の顔。 国旗が刻まれている顔。
それが崩れようということは、つまり
日帝
アメリカ
アメリカは分かりやすく、 表情を悲しそうに歪めた。
国は必ず いつか死ぬ。
その事実を突きつけられるのは、 些か酷であろう。
世界一強いがゆえに、 自分が死ぬイメージも湧かない この国にとっては、特に。
アメリカ
言葉を失うアメリカをよそに、 震える手でお粥を口に運んだ。
日帝は目を見開く。
日帝
日帝
アメリカ
アメリカ
アメリカ
日帝
筋力だけに留まらず 味覚まで失っているとは…
そしてその事実は、 とうとう日帝を 絶望に突き落とした。
日帝
ボロボロ溢れ出す 日帝の涙が、 お粥のお椀に落ちる。
日帝
日帝
日帝
日帝
日帝
アメリカ
久々の米に感極まって 泣いてしまった日帝。 味わえないことを悲しんで 泣いてしまった日帝。
今度の涙は、 見ていてとても 心苦しい。
日帝
日帝
日帝
日帝
布団の上で泣きじゃくる 日帝の背中を、 アメリカはただただ さすることしかできなかった。
廊下からは絶え間なく、 アメリカがバタバタと 動き回る音だけが聴こえてくる。
手を出せないのが 少しもどかしい。
日帝
こんな立派に 育ったものだ。
この家のことを熟知し、 俺に言われなくとも 完璧に管理する。
此奴になら、きっと―――――
アメリカ
日帝
即答しようとし、 先程泣いてしまったことを思うと 口ごもってしまった。
アメリカ
アメリカ
日帝
日帝
口に突っ込まれた 少しおこげのある米たちは、 相変わらず味がしない。
しかしながら、 どこか温かいものを 日帝は感じた。
日帝
アメリカ
アメリカ
日帝
この温かさの正体は 真心だろうか。
今日のその家事の 出来栄えに感心し、 その真心に 安心しきってしまった日帝は、
アメリカに向き直り、 真面目な顔で言った。
日帝
日帝
日帝
アメリカ
コメント
9件
ぁぁぁぁぁぁぁぁ 今!今!一気読みしたんですよ、泣いちゃいますよ???アメリカはこんな立派に育って(泣(?)日帝がアメさんに心めっちゃくそ許してる(泣なのに日帝が死んじゃうッッッお願いだぁあ日帝ッッッ死なないでくれッッッ代わりに私がくたばります⭐︎(???)
いやぁぁぁぁ!!!死なないで日帝!こんな、こんなことなんて!!ひどいです!ひどい!こんな仕打ちあまりにもひどすぎますよ神様ァ!私許しませんから絶対許しませんからァァ(泣)
やばい泣けます…😢日帝死なないでぇぇぇ