俺には大切な家族がいる
品行方正な妻
いたずらっ子な息子
おしゃれ好きな娘
そしてペットの犬であるジョン
とてもとても
大切な家族だ
息子
土曜の朝、朝食を食べ終わり 新聞を読んでいると
息子が遊びに誘ってくる
父
息子
息子
母
父
父
父
息子の訴えと妻の一声で私は息子と遊ぶことになった
息子
息子
息子
父
父
息子からの要望はキャッチボール 私は自身の体力を心配しながら息子と公園へ向かう
父
息子
公園へ着き、息子はキャッチボールの用意をする
息子
「えいっ!」という掛け声と共に ボールが投げられる
私はそれを取ったが
父
思ったより威力が強く驚いた
息子は得意そうに胸を張っている
父
私もボールを息子の方へと投げる
ボールはきちんと息子の手の位置らへんにいき
息子はそれをきちんと取り
私の方へと投げ返す
そんなやり取りを2時間ほど続けた
キャッチボールをするのに疲れた頃
時計を見ると、時刻は12時きっかり
父
昼食の時間なので 私は息子に帰る趣旨を伝えた
息子
息子は元気よく返事をして 帰り支度を済ませる
息子
父
息子
私たちが家に帰ると 良い匂いが部屋に充満している
どうやら食事の用意は 終わっているらしい
私は手洗いうがいを済ませ リビングへと向かう
娘
母
母
父
テーブルを見ると ご飯、味噌汁、餃子がある
母
母
娘
息子
息子と娘は急いで自分の席につく
父
父
父
昼食を食べ終え、お皿を片付ける
母
父
母
母
母
父
娘
父
娘
ああ
幸せだ
この幸せを壊さぬよう
私はもっと頑張らなければ
違う
俺は
こんなのを
書きたかったわけじゃ
もしものifの世界なんか
書きたかったわけじゃない
父
父
父
俺は先ほどまで使っていた万年筆を投げ捨てる
父
俺は自分一人しかいない部屋を見渡す
父
父
父
父
妻には子供を連れて逃げられ
近所の人達は俺を悪者として扱い
俺は
こんなゴミだらけの部屋で
自分の理想を
夢を
書いて
父
父
父
父
父
父
父
父
父
決して叶わぬ願いを
独りの小さな大人は呟いた
コメント
2件
冒頭では先の展開が全く読めなかったのですが最後の最後で胸が締め付けられました😢 彼が考えたお話は、私達にとっては当たり前の生活ですが、彼にとってはこれこそが家族の形なんですね。 彼は、もしもの世界を作って、その中で自分が感じる本当の幸せを確認したかったようにも思えました。 最後の1文が1番好きです😌 ほんっっとうに遅くなりましたが、ご参加ありがとうございます!🙏🏻🙏🏻