桜笑
だーかーらー
桜笑
これはアだって!考えたら分かるじゃん!
京介
いやちげーよここの文章読んでんのかエに決まってんだろ
菜乃
落ち着きなよ、2人ともよく考えて?答えはイしかないでしょバカなの?
京介
ちげーってこれが──!
桜笑
あ
静かに
桜笑
すみませーん
京介
げっ聞こえてたのかよ…
桜笑
声でかいんだしそのうちクラスにもその口調バレるんじゃないの〜?
桜笑
そしたら今の必死に築いたモテモテライフなんて飛んでいくよねぇ
京介
うっせーなバレねえようにやってるよ
京介
ていうかモテたくてモテてるわけじゃねえから
菜乃
私にバレてるけど
菜乃
つか自分でモテるって言うなよ
京介
あ?お前初対面のときは人見知りだかなんだか知らねーけど
京介
ぶりっ子してたくせによくそんな偉そーに言えるな
菜乃
はぁ?あんたこそよく自分にそんな自信満々でいれるよねほんとキモい
桜笑
どうどう!!
京介
今のはお前が火種つけたんだバカ
桜笑
ねえこの班相性悪すぎでしょ
菜乃
ほんとに
桜笑
ていうか2人とも口悪いんだよ
桜笑
そんなツンデレじゃいつまで経っても好きな人にも好かれないぞ〜
京介
いねーし
菜乃
いないし
桜笑
息ぴったりじゃん笑
京介
つーかツンデレってなんだよそーいうんじゃねーから
桜笑
はいはいそうだね、そういえばさっきの問題の答えって──
菜乃
ん?どうしたの?問5でしょ、えっと───ウ?
京介
桜笑
菜乃
桜笑
………ぷっ
桜笑
あはは、こんなことある?笑
桜笑
全員間違ってるんだけど〜
京介
あー…解説読むか
菜乃
やばいね今んとこ全問間違いだよ
桜笑
あはは笑
桜笑
…やばい
そんなことで笑い合っていたのも束の間
数日経てばゴールデンウィークなんてなにそれおいしいのレベルで過ぎ去ろうとしていた
桜笑
どうしよう!!!!
桜笑
もうすぐテストだよ!!!
桜笑
ねえ見習いくん!!!
あ、僕に言ってたんだ
勉強頑張ってね
桜笑
うぅ〜いいな、見習いくんはテストなくて!
…お友達に頼ってみたら?
桜笑
うーん…あたしの周りに教えてくれる子っていたっけな
ん?1人くらいいるでしょ
桜笑
だって菜乃ちゃんも宮代くんもあたしと変わんないし
桜笑
瑠々ちゃんも任せて!って言いつつ何にも分かってなさげだったし…
桜笑
かいちょーくんはきっと自分の勉強で忙しいだろうから迷惑かけらんないし
桜笑
あとはー、あとはー…
桜笑
桜笑
ね!見習いくんは賢いの?
…そうだね
絶対にそう来ると思ったよ
人に教える分には大丈夫だと思うよ、仮にも高校2年の勉強はすぎているからね
桜笑
───見習いくんは死んだばっかりなの?
桜笑
2年までの勉強が終わってるなんて
桜笑
死後1年も経ってなくない?
桜笑
いやそれだとあたしと出会ったとき生きてることになるな…
…ふふ、きみはほんとうに頭がよく回るね
テスト勉強もそうなればいいのに
桜笑
うっ…
僕は毎日勉強をしているからね
生きていても死んでいても、やることは変わらないと思うよ
桜笑
へえ
…さて
参考書、貸してくれるかな
桜笑
やったー!!!
桜笑
桜笑
…ってあれ?参考書どっか行ったな
…ん?
さすがゴールデンウィークは人が少ないね
桜笑
フツー多いんじゃないの?
この辺りの高校は白花学園だけだからね
そうしたら特に厳しくもなく偏差値もそこそこなこの学園で
貴重なゴールデンウィークを勉強に使うという考えを持つ人が少ないんだよ
桜笑
へー…?
桜笑
あ、あったこれだうちの学園の───
…
桜笑
…
……届く?
桜笑
…ううん
ふっ
くるっと振り向くと届かないあたしの代わりに参考書を取ってくれようとする見習いくんが至近距離にいる
桜笑
(わ、わっ)
ビックリして躓いたあたしはそのまま見習いくんに倒れ込む
桜笑
───っ!