・遥奈と男の楽しい昼食
ここは船内のカフェレストラン。多くの客がそれぞれの食事を楽しんでいる
遥奈
で、何故こんな状況に?
遥奈はそう言って野菜を食べる
陽平
まぁ、お互いに一人旅じゃん?一人の食事って寂しいからさ、だから一緒に食べようよ、久保遥奈さん
男はそう言ってクリームパスタを食べる
遥奈
意味分からないから!って一人旅じゃないし。友達とだから
遥奈そう言って唐揚げを食べる
陽平
でもドタキャンされたから結局一人でしょ?久保遥奈さん
男はそう言って水を飲む
遥奈
ーうっ…
遥奈は痛いところを突かれた
そう、事の起こりは数分前。遥奈が部屋から出た瞬間、この男にぶつかり、そしてさらに偶然なのか時間帯はお昼前
陽平
1人は寂しいから一緒に食事しよう!
と、男に半ばレストランに強制連行されたのだ
遥奈
(腕を引かれるまま来てしまった私も私だけど…)
遥奈はそう思い、男をチラっと見てため息をついた
陽平
どうした?
男は遥奈の視線に気づき聞いた
遥奈
いえ。…貴方は一体いくつなのかなって
遥奈は適当に話題を振ってみた
陽平
30
男は真顔で答えた
遥奈
‥30?
遥奈は聞き間違えたと思い、もう1度聞く
陽平
だから30
男はそう言ってクリームパスタを食べた
遥奈
嘘付け!その童顔で30って…
遥奈は思わず声を上げてしまい、ハッとなり周囲を見る
勿論、周囲は遥奈を見ている
陽平
あはは~あんた本当に面白いね!あ、すみません!
男は周囲の客に軽く謝罪をする男、爆笑。遥奈、周囲の視線に耐えきれず下を向く
遥奈
誰のせいだと…
遥奈は小声で男に怒る
陽平
俺は事実を言ったまでです。嘘偽りもありません
男はそう言ってニヤける
陽平
ところでお前さ…
遥奈
何ですか?
男に声かけられ遥奈は少し怒り返事で返すが男は気にせず遥奈の食事に目をやる
陽平
何それ?唐揚げにサラダ、スープにフライドポテト…お子様ランチかよ。しかもどれも量少ないし。昼はバイキングなんだから量なんか気にせずもっと食べろ。栄養偏るぞ
男は大きくため息をついた
遥奈は男のこれまでの態度が違うことに驚き、そしてー
遥奈
(何よ、この人…実は優しい…?)
遥奈がそう思った瞬間ー
陽平
さっきぶつかった時思ったけど、あんたガリガリじゃん。もっと肉つけた方がいいって。つまめるくらい
遥奈
(…前・言・撤・回!)
遥奈
私の勝手でしょ!
遥奈は声を上げた。そして再び周囲の注目を集めたのは言うまでもない