【心霊体験】

【心霊体験】

恐怖体験というと、 私はあのアパートのことを思い出す。

就職して田舎から東京で一人暮らしを始めた、二階建てのアパート。 霊感は全くのゼロ。 周りにもそういう人はいなかったため、 そんなことが起こるとは思わなかった。

まさか幽霊が本当にいるなんて…

季節は夏でした。 もちろん、最初は気のせいだと思っていました。いや、思い込んでいました。

ｻﾞｧｧｧｧｧｧ…

夜中に目が覚めると消していたはずのテレビが砂嵐になってついていたり、

気がつくと廊下が水滴で濡れいたりと、 最初はそれくらいのことでした

でも、子供が落としたアイスに群がるアリのように、 時が経つにつれその姿はハッキリと私にも認識できるようになってきました

風呂場のくもり鏡の奥に人の顔が見えたり 布団に入ると直前までそこに人が入っていた様に生暖かい感触が伝わるようになってきました。

その頃には時折聞こえていたラップ音の様な音も、 自分が殺された時の様子を語るボソボソとした女性の声に変わっていきました。

それでも、 相談出来る相手もいませんでしたし、 これでは幻覚だ。幻聴だ。幻だ。 と思っていました。 自分に言い聞かせていました。

しかしそうではありませんでした

あれは私が1泊2日の旅行から 帰ってきた時です

旅行から今帰ってきたばかりだと言うのに昨日部屋に私がいるはずがありません

このままだと危険だと感じ、 私は教会に電話をし、 わざわざ外国人の神父さんに来てもらい、部屋をお祓いしてもらいました。

全く言葉が通じなく、つたないやりとりになってしまいましたが、 彼が帰る際に言ってくれた、 「これで大丈夫ですよ」 という英語くらいは理解することが出来ました。

それから異常な現象は無くなり、 あの女の声も部屋から完全に消えました。

それから私はすぐにアパートを引き払って 付き合っていた彼氏の家に住ませてもらいました。

そうそう。 こないだあの神父さんに宛てて手紙を書いたんです。

『あの後無事に結婚して、新しい命も授かりました。 あなたのおかげで今も幸せに暮らせています。本当ありがとうございました。』

それから生まれたばかりの娘と3人で撮った写真を同封しました。 ネット翻訳しながら書いた文章なので 伝わってるはずですが……

本当に彼には感謝してもしきれない気持ちでいます。