「付き合う?」
思わず思考が止まった。
まだ、顔と名前と …あの傷のことしか知らないのに
大我を好きになった。
“死神さんが俺を喚んでるんだよ”
遠くを見つめて そう呟く大我を見た。
僕には見えない何かを見つめる 姿を見ていると苦しくて 仕方がない。
でも、今僕の横で笑う大我を 見ていると心が満たされるから 手を繋いで歩く。 それだけ幸せを感じる。
偶に見せる大我の儚い横顔 彼に取り付く “死 にたい”をいつか俺が 取り払ってあげなきゃいけない。
落ちようとしたら 君を助ける。
手を引っ張ってこちらへ 連れて行く。
それが正解だと思って。
北斗
では、俺はこの辺で。
大我
うん、じゃーね
そう後ろを向いて手を振る姿
北斗
いや、カッコよすぎな、
思わず顔を手で覆う。
少し歩いて家に着く。
ドアを開ける。
冷房をつけたまま家を出たから 少し部屋は肌寒かった。
スマホの液晶をタップして 無料メールアプリを開く
トーク履歴の1番上に居る “大我”の文字を凝める
北斗
これって、恋人…なの、か?
不安になってメールを送る。
北斗
あの、これって恋人、っていう事?
直ぐに既読になって帰ってきた返事は
大我
そうじゃない?俺ら恋人同士!!
見かけによらず明るめの返事に ニヤける
北斗
よかっっ、たぁ、、
この夏休みは 一生の思い出になるらしい
…未来によるとね。