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コメント
1件
第9話、めっちゃ良かったです…!榛野くんがあんなにストレートに嫉妬見せてくるの、心臓に悪いです🤍「俺だけを見て」ってあの距離感で囁かれたら絃花さんじゃなくても落ちますよ…。壱也くんがようやく動き出したのも気になるけど、私はもう完全に榛野くん派です。クールな人が感情剥き出す瞬間、たまらないですよね。ゆゆさんの書く独占欲の表現、すごく刺さります。続き、気持ちが落ち着いてからゆっくり読みにきますね🌙
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壱也の視線を振り切るようにして、榛野くんに連れられて入った教室。予新のチャイムが鳴り、1時間目の英語の授業が始まったけれど、私の頭の中はさっきの廊下での出来事でいっぱいだった。(榛野くん、怒ってるのかな……)チラリと右隣の席を見ると、榛野くんはいつも通り、気怠げに頬杖をついて黒板を眺めている。怒っているようには見えないけれど、どこかいつもより表情が硬い気がして、私はノートを取る手が落ち着かない。すると、トントン、と私の机の端が小突かれた。榛野くんが自分のノートの余白に、少しだけ乱暴な、でも綺麗な文字を走らせて私の方に滑らせてくる。
榛野吏玖
心臓がドクンと跳ねた。やっぱり気にしていたんだ、と思うと同時に、榛野くんの文字から伝わってくる微かな熱っぽさに顔が熱くなる。私は慌ててシャープペンシルを握り、文字を返した。
山中絃花
ノートを戻すと、榛野くんはそれをじっと見つめた。少しだけ、綺麗な眉が不機嫌そうにひそめられる。 榛野くんはペンを走らせ、今度は少し尖った文字を書き加えた。
榛野吏玖
(え……?) 文字の意味を咀嚼しようとした瞬間、榛野くんはノートに書くのをやめ、机の上に両肘をついて、私の方へとそっと顔を近づけてきた。前髪の隙間から覗くクールな瞳が、至近距離で私を真っ直ぐに見つめる。教室のざわめきが遠ざかり榛野くん彼の静かな吐息が聞こえそうなほどの距離。榛野くんは周りに聞こえない低い、少し拗ねたような優しい声で囁いた。
榛野吏玖
山中絃花
榛野吏玖
真っ直ぐに向けられた、独占欲の滲む言葉。いつも掴めなくてクールな榛野くんが、私のためにこんなにも感情を剥き出しにして、やきもちを焼いてくれている。その事実が、私の胸をどうしようもないくらい甘く、激しく締め付けた。
山中絃花
私が赤くなった顔を隠せないで見つめ返すと、榛野くんはふっと困ったように目元を和ませた。
榛野吏玖
最後にそう小さく囁くと、榛野くんはパッと身体を離し、何事もなかったかのように黒板の文字をノートに書き写し始めた。 トクン、トクン、と胸の鼓動が耳の奥でうるさいくらいに鳴り響いている。壱也への長年の片想いで傷ついていた私の世界に、榛野くんは強引に、でもとびきり優しく踏み込んできて、私の心を自分の色で塗り替えていく。 私は真っ赤になった顔を隠すように、ただノートの隅の榛野くんの文字を、愛おしく見つめることしかできなかった。