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コメント
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ちょっと……もう、胸がぎゅっとなりました。紗花ちゃんの「壱也の目が遠くを見てる」って言葉、すごく切ないですね。誰も悪くないのに歯車が狂っていく感じ、三人の心情が本当に丁寧で、読みながら息を止めてしまいました。最後に絃花ちゃんが吏玖くんの瞳を思い浮かべるところ、もう次の話が気になって仕方ないです……! ゆゆさんの繊細な心理描写、大好きです🌷
その日の放課後、私は紗花に誘われて、学校の近くにある小さな公園のベンチに座っていた。いつもなら壱也も一緒のはずなのに、今日は「二人きりで話したいことがある」と、紗花から少し硬い声で言われたのだ。夕方の柔らかな光が、ベンチをオレンジ色に染めている。紗花はいつものように私の肩に頭を預けてきたけれど、その体温はどこか元気がなくて、小さく震えているように感じられた。
山中紗花
山中絃花
いつもの弾けるような笑顔は影を潜め、紗花は自分の膝の上できゅっと手を握りしめていた。長いポニーテールが、夕風に寂しそうに揺れる。
山中紗花
心臓が、冷たい氷を押し当てられたようにひやりとした。
山中絃花
山中紗花
紗花の声は、怒っているわけでも、私を責めているわけでもなかった。ただ、大好きな彼氏の心が、自分ではなく双子の妹の方に向き始めているのではないかという、純粋で、切ない恐怖に震えていた。
山中絃花
山中紗花
紗花は私の肩から頭を離し、ゆっくりと私の方を振り返った。その大きな瞳には、今にもこぼれ落ちそうな大粒の涙が溜まっていた。
山中紗花
お姉ちゃんの綺麗な頬を、一筋の涙が伝い落ちる。いつも太陽みたいに周りを照らして、私の大好きな壱也を幸せにしてくれていた紗花。その紗花を、自分の存在が傷つけている。 (誰も悪くないのに……どうしてこんな風になっちゃうんだろう) 壱也を諦めようとしていた私。急に私を特別扱いし始めた壱也。そして、それに気づいて私を優しく抱きしめてくれた榛野くん。全ての歯車が、少しずつ狂い始めているのを感じて、私は胸が締め付けられるように苦しくなった。
山中紗花
泣きじゃくるお姉ちゃんの身体を、私はぎゅっと抱きしめることしかできなかった。かつて私が一人で泣いていた中2の夏。あの時の痛みを、今度はお姉ちゃんが味わっている。(私のせいだ。私が……早くこの気持ちに完全に区切りをつけなきゃいけないんだ)お姉ちゃんの震える背中を撫でながら、私は強く、ある決意を固めていた。そしてその時、私の頭の中に真っ先に浮かんだのは、いつも私を特等席から連れ出してくれた――吏玖の、あの掴めないけれど真っ直ぐで優しい瞳だった。
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