学校内に彼氏を殺した犯人がいたらどうしますか

物語の冒頭でも言った通り、お葬式は1年1組のみんな+遥と関わりがあった先輩たち、そして町の人達だけ

お葬式では周りの人たちなんて気にしないで私はずっと泣いていた

写真の遥は照れながら笑っていて、それを見るたびに思い出が蘇られる

ただでさえ一緒にいる時間が少なかったことはちゃんでさえも涙していた

梅宮さんと柊さんは終始顔をうつむかせていた

自分の後輩を亡くした、守れなかったという罪悪感が計り知れないことはよくわかる

私は鼻をかみながら、ずっと「桜さん」と言い続けている楡井くんに言う

言われながらもなお泣き続ける楡井くんに私はまた釣られてしまい、泣く

そんな楡井くんからには遥をとても大切にしていてくれていたことがわかった

早いような遅いような

でも遥がいなくなって時が遅く感じるのは事実だった

楡井くんだけは犯人じゃない、私は信じたい

先輩たちはスポドリを何杯も飲む

どうしよう、私は給水所の管理兼見張りだ

運動神経は良いため了承はする

私は走る

獅子頭連のときに見た蘇枋くんの喧嘩では「相手が勝手に転んでいるように見せかける」という戦法だったはず

それはやっぱり予想通りで避けてから技を加えられる

間一髪で避け、足を狙い蹴る

ｼｭｯ、ﾄﾞﾝｯ！

押し倒される絵面になる

足の遠心力を使いむりやり蘇枋くんから距離を取る

得意の足蹴りで攻める

蘇枋くんの耳をかすめることができた

上げた足をガッとつかまれる

そういや蘇枋くんの喧嘩は相手との距離が近かったな（だから蘇枋くんの耳をかすることができた）

……距離が近い……距離が近い？？

まさか？蘇枋くんが？

私は、楡井くんと訓練をしている蘇枋くんの横顔を見る

目が合ってしまう

蘇枋くんはずっとニコニコしている。怒ったところとか真顔のところを見たことがない