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君は月

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君は月

1 - 君は月

♥

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2019年11月05日

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隣の神崎さんは

相変わらず

今日も 寝ている

桜木

神崎さん

神崎

…………

今日もだめ

毎朝、朝から放課後まで寝ている

神崎さん

の、世話係を任されてしまった

理由は………隣だから

ただ、それだけ

今は文化祭に向け

クラスで係決めをしているんだけど……

クラス委員

神崎さーん……は

桜木

起きません

クラス委員

クラス委員

だよね…………

不意に、神崎さんが顔を上げた

クラス委員

あ、神崎さ

ゴッ

桜木

神崎さんは勢いよく机に頭をぶつけ

また、眠ってしまった

クラス委員

桜木君……

ゆっくりと

委員の子の顔を見る

……デジャヴだ、これ

クラス委員

クラス委員

神崎さん…

クラス委員

お願いしてもいい?

席が隣になったときもこうだった…

桜木

…は………

桜木

ははは…………

桜木

桜木

……はい

予想通り

僕は神崎さんと同じ係

桜木

(クラスの飾り付けか…)

桜木

桜木

(まぁ、一人でもできるよな)

それから僕は

淡々と一人で作業をした

……はず

文化祭前日

桜木

桜木

やばい

桜木

あの日の僕を、殴りたい……

前日にも関わらず

飾り付けが終わっていない

桜木

(誰だよ)

桜木

(メイド喫茶にしようって言ったやつ)

桜木

(…接客よりは百倍以上マシだけど)

桜木

桜木

って、うわっ

桜木

もうこんな時間…

桜木

暗くなるのは早いな……

ちなみに、神崎さんは

もちろん寝ています

桜木

ここまでやったのはいい……が

どうだろう

明日が本番となる…と?

桜木

桜木

…だめだ……終わらない

黒板とにらめっこをしていた僕は

頭が真っ白になりかけていた

桜木

(やっぱ、神崎さんを起こすしか…)

そこに…花紙つけなよ

桜木

え?

神崎

終わったねー

桜木

…………

神崎

あれ

神崎

なんか、いつもと逆だね

桜木

……いや

桜木

神崎さん………

神崎

何?

桜木

桜木

初めまして………

ついに頭が真っ白になり

天使が迎えに来たのかと思った

天使は…アドバイスもくれた

そこに、花紙つけなよ

…と

神崎

神崎

まぁ

神崎

初めましてかもね

神崎

でも

神崎

天使じゃないから(笑)

桜木

…え

神崎

声に、出てた

桜木

桜木

神崎さんが…

神崎

うん?

桜木

桜木

…話してる

桜木

桜木

……起きてる

神崎

大袈裟な

神崎

私も人間でーす

桜木

でも、一日中寝て

神崎

関係ないよ

桜木

桜木

…そうだね、ごめ

神崎

教えてあげよっか

桜木

教えるって

神崎

なんで、一日中寝てるのか

神崎

神崎

…しょーもないけど

桜木

いいよ

桜木

……教えて

神崎

………

神崎

神崎

ん、わかった

神崎

じゃあ、明日の六時にここ集合

神崎

神崎

……いい?

桜木

桜木

…うん

次の日

文化祭は成功に終わった

神崎さんはずっと、保健室に居たらしい

寝ていたのだろう

僕はといえば

クラスメイト

さ、桜木君

桜木

桜木

ん?

クラス委員

凄いね、この飾り付け!

クラスメイト

花の位置とか…バッチリだよ

クラス委員

一人で大変だったでしょ?

クラス委員

クラス委員

ありがとう。受け入れてくれて

などと言われた

桜木

(違うよ)

桜木

(神崎さんがしてくれたんだ)

……そう

言えたら良かったのに

クラスメイト

神崎さんって

クラスメイト

本当に寝てばっかだよねー

クラス委員

今日も寝ているのかも……

クラスメイト

桜木君…

クラスメイト

きっと、一人で頑張ったんだよね………

影から聞こえる声に

僕は、ただ

耳を塞ぐことしかできなかった

そして、今に至る

神崎さんに、声を…かけられずにいる

朝の時の

何か後ろめたい気持ちが、心で渦巻いているのに

窓から夜空を見上げる神崎さんが

なぜか綺麗に見えてしまって

光輝く月のようだった

神崎

神崎

神崎

やっと来た

振り返る神崎さんも

やっぱり────

桜木

桜木

あ、あの

ドオオオンッ

桜木

桜木

…へ

神崎

ほら、見て

一瞬にして

空に大きな花が咲いた

神崎

神崎

綺麗だよね…

桜木

桜木

………うん

神崎

私さ

桜木

桜木

うん

神崎

人と関わるの、苦手なの

桜木

うん…って

桜木

えぇ!?

今言うのか!

そういうツッコミは

今の僕には出てこない

桜木

え、あの……

桜木

僕は…………

神崎

桜木が隣になって

神崎

あぁ……またか

神崎

って

神崎

思ったわけよ

桜木

う、………うん

神崎

でも、桜木は

神崎

絶対無駄だと思っても、私を起こそうとしてたよね

桜木

桜木

…まぁ

桜木

ってか、知って

神崎

変なやつって思ったよ

神崎

でもまぁ…

神崎

神崎

不思議と嫌じゃなかったんだけどね

神崎

神崎

これってさ

神崎

神崎

なんでだと思う?

神崎さんから

そんな言葉が出てくるとは思わなかった

…ただ

僕と同じ気持ちであってほしい

そう、願うだけ

そして、僕は一つ

疑問に思った事があった

なぜ、夜に約束したのか

出し物はとっくに終わっているのに

でも…

それはすぐに解決したんだ

この学校での文化祭にまつわる噂

想い人と花火を見ると──結ばれる

って

神崎さんはそれを知っていて……

……え?

考えすぎ、だって?

いいんだよ

桜木

神崎さん

神崎

ん?

そんなところが

桜木

……好き

なんだから

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