クルト
目の前に広がる炎
次々と倒れる国民
そして、その先で息も絶え絶えになりながら戦う眷属
クルト
遡ること、数時間前
ベリアルから国の方がなんかやべぇという曖昧な報告を受け氷の棺の守護を押し付け……
……任せてから国に帰ってきてみれば、この有様である
この事件の首謀者は既に分かっており
「ロク」という名で過去にもこの国を襲撃したことのある人間……だったはずだ
当時まだ銀木犀の記憶すら思い出していないボクが殺したはずの相手である
それが今、目の前で大暴れしていた
しかも、殺したのはもう何年も前だ
……一体、何がどうなっている?
クルト
国民達も伊達に眷属をやっている訳では無い
身体能力は化け物のはず
なので、スルーしておいた
十中八九、ボクの眷属になるのが目的だからだろう
クルト
そう、一言発するとすぐに起き上がる人々
…やっぱりこいつら狂ってるよ
クルト
ウピル
クルト
ウピル
ウピル
クルト
クルト
クルト
ウピル
ウピル
そういい、すぐに下がって国民達の手当をするウピル
ベリアルと違い、こういう所は大変優秀だなと感じる
クルト
クルト
ロク
クルト
クルト
ロク
クルト
クルト
ロク
ロク
クルト
クルト
クルト
クルト
なんで最近、こっちの方がよく使うんだと悩みつつ
術を、使った
この世界に愛されたものにしか許されない、術を
クルト
唱えると、無から銀色の鎌が現れクルトの手を収まる
それを、構えて、少し笑う
前に使った時は調停者の加護が必須な程に弱っていた
今は、違う
あの時では無い
でも、あの時と同じ様な
なんとも言い難い高揚感があった
クルト
クルト
ロク
ロク
ロク
ロク
クルト
クルト
目の前に、淡い光が放たれる
少し目を瞑り、ゆっくりと開ける
クルト
そこには、気持ち悪いほどの元人間がいた
恐らく、術か呪いかそういう類のもので操られている死人だ
クルト
ロク
クルト
クルト
クルト
クルト
クルト
考えて、考えて、考えている間にも敵は押し寄せてくる
こちらの負けを確信した顔が無性に癪に障る
クルト
クルト
ロク
クルト
※クルト、陰りの段位屈指の負けず嫌いである
クルト
そう話している間に、敵はクルトを攻撃しようとした
クルト
敵は、動きを止めた
クルト
クルト
……一瞬、戦場が無音になる
そして、次々に倒れる敵達
クルト
クルト
ロク
目の前で起きたことが、理解出来なかった
気が遠くなるほどに、雑魚を集めたはずだ
それを、たった1人の吸血鬼にぶつけただけだ
彼女によく似た、瞳を持つ少年
会うためだけに、死体を利用した
会ってみたら、彼女そのものとも言えてしまうほどに、似ていた
……何故、吸血鬼1匹如きに、負けている?
クルト
ロク
言葉の意味を理解しようとした瞬間
ロク
目の前に、少年は居た
クルト
瞬間、首を鎌で斬られる
大切なものが無くなって、何も、見えなくなった
斬った
そして、魂以外を殺した
クルト
周りを見渡すともう既に復旧作業に入っている国民達とそれを指揮するウピルか見えた
クルト
クルト
クルト
クルト
そして、後片付けを忘れずにしておく
鎌の方が便利なのでもうそのまま使ってしまおう
そして、片付け始めて早数分
そろそろ終盤という時には復旧作業は終わり皆居なかった
……ただ一人を除いて
アベリア
アベリア
クルト
クルト
アベリア
クルト
アベリア
クルト
アベリア
アベリア
辺りを見渡し、クスッと笑う
アベリア
クルト
アベリア
アベリア
クルト
クルト
アベリア
アベリア
クルト
クルト
クルト
クルト
クルト
ふと、ある可能性がよぎって
笑いながら、アベリアを見た
クルト
アベリア
クルト
クルト
アベリア
アベリア
クルト
アベリア
アベリア
クルト
アベリア
アベリア
アベリア
アベリア
クルト
クルト
アベリア
クルト
クルト
アベリア
アベリア
クルト
アベリア
クルト
アベリア
クルト
クルト
アベリア
クルト
アベリア
クルト
アベリア
クルト
クルト
アベリア
クルト
クルト
アベリア
クルト
クルト
クルト
アベリア
クルト
アベリア
クルト
クルト
クルト
クルト
クルト
アベリア
アベリア
白く輝く髪に、人外味を仄めかす赤い瞳
少年でありながら、恐ろしいほどの力を持つ
そんな彼に、「彼女」の影を感じる瞬間が増えた気がする
仲間だと思っていた人達に全てを話したからだろうか?
まぁもうこの際どうでもいい
僕は「クルト」であろうと「銀木犀」であろうと他の誰になったとしても
きっと僕は死ぬまで彼女の魂を愛し続けてしまうから
……でも、なんでだろう
今はただ、この空間が幸せすぎる
あの時と、また違う幸せで満ちている
思わず微笑んで、前を見る
今は、このお姫様のご機嫌を損ねないように尽力しなくては
アベリア
アベリア
銀木犀を背負っても、彼はクルトで居ることにした
だからこその、オリジナル感が
……僕は好みなのかもしれない
なんて、考えつつ
いつか背負っているその感情を
あの時みたいにこっちに吐き出して
一緒に、背負わせてくれないかな
なんて……ね
コメント
3件
「クルト」であろうと「銀木犀」であろうと彼女の魂を愛し続ける、ってところめちゃくちゃ好きなんだが!?!? 自分が何者であろうと同じ人に惹かれてしまうっていうのがめちゃくちゃ刺さった😳💕 クルトさんとロクさんとの戦いが壮絶過ぎる中ウピルさん達が片付けしてたって凄すぎん??クルトさんの邪魔にならないように行動してたってことだよね??天才……??絶対私がその場にいたら邪魔者になら自信ある……😂😂