つばきが大手SNS、XYZに投稿を始めてから1週間が経った。
つばき
つばき
SNSに投稿するための写真は100枚を超え、どの写真もまるでお姫様のような、可愛らしいものばかりだ。
だが、それを投稿しても、1時間後には誰も反応してくれなくなる。
あのユーリですら、1時間後になれば、彼女のポストには目もくれないのだ。
つばきが焦燥感に駆られて、無茶な自撮り投稿を始めるのは、誰しもが予測できただろう。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
頭の中に浮かぶ、男装の麗人と化したユーリは、お姫様姿のつばきを置いて、どこかへと去っていく。
その先には知らない少女が待っており、我が物顔でユーリと腕を組んだかと思えば、どこか遠くへと歩き出す……
そんな幻覚をかき消すように、つばきは頭上でブンブンと両腕を振り回した。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
すっかり散らかり放題で、ワタボコリすら転がる部屋の中、つばきは1人で泣き喚き続けていた。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
心の荒みは、体にも影響する。
あれだけSNSの反応に、心を囚われているのだ。日常生活を送ることすら、今のつばきには、億劫なことに成り下がっていた。
お母さん
お母さん
カシャ!
つばき
お母さん
お母さん
お母さん
つばき
お母さん
お母さん
つばき
お母さん
お母さん
お母さん
つばき
つばき
つばき
つばき
お母さん
お母さん
お母さん
つばき
お母さん
つばき
心の荒みは、体にも影響する。
口では大好きと言うものの、つばきはお母さんに愛情を向けられながら、唇をきつく噛みしめていた。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
お母さん
お母さん
つばき
つばき
ノロノロと靴を履き、玄関の戸を開けるつばきを、両親は心配そうな顔で見送る。
お母さん
お母さん
お父さん
お父さん
お父さん
お母さん
お父さん
お父さん
お母さん
つばき
どこがふらつきながらも、つばきは教室へと体をねじ込んだ。
そしていつも通り、クラスメイト達に、片手を上げて挨拶をする。
つばきからすれば、変わりない笑顔と態度のはずだった。
しかし……
晴美
晴美
つばき
つばき
つばき
千冬
つばき
つばき
千冬
つばき
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
つばき
千冬
つばき
千冬
千冬
つばき
千冬
晴美
晴美
つばき
つばき
エミリ
エミリ
取り巻き
取り巻き
エミリ
エミリ
エミリ
取り巻き
エミリ
つばき
振り上げられた拳に、千冬と晴美が互いを庇うように抱き合い、しゃがみこむ。
あと少し、あと数秒で、つばきの小さな拳が、千冬の頬を殴りつける……はずだった。
バシンッ――
つばき
晴美
千冬
エミリ
エミリ
クラスメイト
エミリ
取り巻き
クラスメイト
クラスメイト
取り巻き
エミリ
エミリ
エミリ
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
人を初めて殴った感覚に、呆然とするつばき。
彼女の耳はクラスメイトの怒号でも、千冬と晴美の文句でもない音を、ただ拾っていた。
取り巻き
取り巻き
取り巻き
取り巻き
エミリ
取り巻き
取り巻き
取り巻き
取り巻き
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
エミリ
つばき
つばき
つばき
つばき
エミリ
取り巻き
エミリ
エミリ
取り巻き
エミリ
突きつけられる、環境の差。
そして、寛大な在り方。
つばき
つばき
つばき
つばき
つばき
打ちのめされたつばきの体は、グラグラと揺れだし――
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
担任
担任
担任
エミリ
担任
取り巻き
取り巻き
エミリ
エミリ
エミリ
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