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甲尾莱亜(こうび らいあ)
木崎姫歌(きさき ひめうた)
知らぬ間に、甲尾が背後から抱き付いてきた。
木崎姫歌(きさき ひめうた)
甲尾莱亜(こうび らいあ)
爽やかに笑う甲尾。
彼はこう続けた。
甲尾莱亜(こうび らいあ)
木崎姫歌(きさき ひめうた)
激情に任せて拳を振り回す。
こいつはここで滅しておかなければならない。全世界の美少女のために。
しかし、
甲尾莱亜(こうび らいあ)
甲尾は危なげもなくそう言い、わたしの拳を軽々とかわした。
甲尾莱亜(こうび らいあ)
木崎姫歌(きさき ひめうた)
わたしは再び拳を振り上げる。
絶対に当たらないだろうことはわかっているが、ここで拳を下ろすのも何かが違う。
わたしの拳は美少女のために。美少女の胸はわたしのために。
わたしは一歩踏み込み、拳に力を込めた。
が、わたしの拳は甲尾に届かなかった。
避けられたのではない。それ以前。
九手いくる
いくるが再度わたしに抱き付き、拳を止めてきたのだ。
甲尾莱亜(こうび らいあ)
そうだろうよ
九手いくる
なるほど、大正解である。
九手いくる
相羽吾蓮(あいば あれん)
木崎姫歌(きさき ひめうた)
いつの間に、わたしはメスゴリラの園の入園希望者になったのだ?
女子は好きだが、美少女以外は必要ない。
甲尾莱亜(こうび らいあ)
しねえよ
インターハイ目指していちゃつくバカがどこにいる。
九手いくる
相羽吾蓮(あいば あれん)
甲尾莱亜(こうび らいあ)
相羽吾蓮(あいば あれん)
甲尾からの制止の声に、不服そうな顔をする吾蓮。
そもそもわたしが嫌なのは、コーチではなく甲尾個人の方なのだが。
甲尾莱亜(こうび らいあ)
そう言って、甲尾は不敵に笑って見せた。
そして
甲尾莱亜(こうび らいあ)
木崎姫歌(きさき ひめうた)
いやいやいや、なにその飛躍論理!?
今の流れからどうすればそうなる!?
九手いくる
甲尾莱亜(こうび らいあ)
九手いくる
甲尾莱亜(こうび らいあ)
木崎姫歌(きさき ひめうた)
九手いくる
木崎姫歌(きさき ひめうた)
ポスッ。
木崎姫歌(きさき ひめうた)
叫んだ次の瞬間、わたしの手にボールが飛んできた。
矢臣(やおみ)
いや、あの、矢臣さん?
木崎姫歌(きさき ひめうた)
その他の女バスの皆さんも、知らぬ間にこちらを注目なさっておられる。
木崎姫歌(きさき ひめうた)
いつの間にか退けなくなってしまっていた。
そんなわたしの隣で、とある男が呟いた。
相羽吾蓮(あいば あれん)
大丈夫。わたしもそうだから。