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シュナ
コイツに一発でも私の攻撃が通れば勝ちよね？
フィン
そうだな
フィン
見て分かると思うけどスライムには核という紅くて丸っこい何かが中にあるんだが
フィン
アレを壊せばスライムはただの液体になる
フィン
で、核を壊すだけなら素手でも壊せるくらい脆いんだけど
フィン
それを守るようにゼリー状の膜みたいなのを形成して守ってるわけよ
シュナ
なるほど納得！
フィン
打撃属性の武器を僕も使えたなら叩き潰すとかでも倒せるんだけど
フィン
武器の才能ゼロに近いからさ
フィン
僕ができることはホントに何も無い
シュナ
素手でも何とかやってみてよ
フィン
じゃあ分かった一回見てろ？
フィン
ホントに何も出来ないからな僕
ｼﾞｬﾘ……
踏み切るため足先に力を入れ体勢を変える
姿勢を低くし左足から一歩踏み出し、そこから踏ん切りをつけて一気にスライムに近づき右ストレートをかます
フィン
うぉらァァ！
その勢いのままにスライムを右の拳に纏わせそのまま殴り飛ばす
フィン
……ッシャオラァァァ！
シュナ
良い咆哮だね
フィン
フィン
が、これでも多分……
シュナ
やられないってマジ？
シュナ
ほんとに元気な奴ね
フィン
現時点で僕はなんの使い物にもならないよ
シュナ
みたいね？
フィン
だからお前さんがやらないといけないわけ
シュナ
なるほど理解
フィン
んじゃ頑張って
シュナ
手伝ってよ！？
フィン
今見せた通りもう使い物ににならないのは分かったでしょ？
フィン
そんな奴が手伝えることないっての
シュナ
あるから言ってんの！
フィン
はぁ？
シュナ
やることは至って単純だから
シュナ
四の五の言わずに手伝いなさい！
フィン
えぇ……
フィン
フィン
それホントに練習になる？
シュナ
今はこれしか私出来ないからそれでいいの！
フィン
お前がそれでいいなら良いけど…
再びフィンは姿勢を低くし突撃の構えを取りそのままスライムに向かって突撃を開始する
フィン
無駄に身体能力は高くなってるからもっかいお前を捕まえるのは余裕よ
距離を詰めてスライムを鷲掴みにし切り返してシュナにと投げる
フィン
これでいいんだよなぁ！？
シュナ
助かる！
シュナ
さすがに真っ直ぐ来る標的に対しては私でも斬れる！
シュナも同じようにすばやく抜刀し飛んでくるスライムを今度こそ真っ二つにする
シュナ
どうよ！
フィン
補助輪付きで何をドヤってるのか…
シュナ
倒せたという結果が嬉しいんでしょ！
シュナ
そこはお世辞でも褒めるべきだし！
フィン
めんどくせぇ…
シュナ
ま、剣に慣れるって言う意味ではまだまだって所よね
フィン
そりゃな
フィン
けど、やっぱり才能開花のおかげで筋力がなくてもそこを補助してくれるんだな
シュナ
そうね
シュナ
あとはここに実力が加われば良さげかな？
フィン
どのくらいの期間になるかねぇ
シュナ
さすがにそんなにかからない………と思う。
フィン
結局はお前自身のやる気次第だからな
フィン
僕がとやかく言う必要は無い
シュナ
それ言われたら何も言い返せないじゃん
フィン
そうさせたんだからな
シュナ
ちぇっ…
シュナ
シュナ
てか、アンタもその身体能力強化活かせたじゃん
フィン
思ってたより爆発力あってビビったよね
シュナ
あの叩きつけスライムだからそこまでだったけど
シュナ
人とかだととんでもなく強いんじゃない？
フィン
仮にそうだとしてもスライムと違って人は頭が良いから
フィン
あそこまで簡単に攻撃圏内まで入れてくれないだろうよ
シュナ
これも経験あるのみってやつ？
フィン
だな
フィン
僕は特にそういうの目ざしてないけど
シュナ
一緒に目指そうよ？
フィン
拳の男が騎士団に入れるわけないだろ
シュナ
そこは私が何とかする！
フィン
その力があったら頼むわ
フィン
”あったら”な？
シュナ
うぐぅ……
シュナ
シュナ
なら見てろ！
シュナ
私が成り上がってお前を騎士団に誘ってやる
フィン
何年先の話になることやらな
フィン
その間に僕は適当に職見つけてまったり生きるよ
シュナ
なら、戦場に引きずりだしてやる
フィン
善良な国民を戦場に引きずり出そうとするな
フィン
フィン
とにかくこんなしょうもない話してないで
フィン
どっか町とかに行くぞ
シュナ
この辺あったっけ？
フィン
知らね
シュナ
地図は？
フィン
あの村にあると？
シュナ
まぁ、ね？
フィン
一応僕は色んな人の手伝いしてたから実はある程度この辺の地形はわかるんよね
シュナ
なら、案内してよ！
フィン
なんで僕はお前のわがままに付き合わないと……
山賊
山賊
ほぉ？こりゃ珍しい
フィン
あ？
山賊
お前達あの田舎から出てきたヤツらか？
フィン
だとしたらなんだよ
山賊
あーいう田舎には才能の塊が居たり
山賊
そこの姉ちゃんみたいにべっぴんさんがいたりすんだよ
シュナ
今私の事べっぴんさんって言った！
シュナ
お前からは一言も言われないのに！
シュナ
やっぱり私美人なのね！
フィン
うっさいな
フィン
今危機的状況なの気づけや
山賊
そこの男は今の状況を把握してるようだな？
フィン
あんたの目的は人攫いか？
山賊
どうだろうなぁ？
山賊
だが、隠れた才能を持つもの達を商材にはしてるな
フィン
なら、黒だな
山賊
その場合どうする気だ？
フィン
もちろん僕は逃げる
シュナ
はぁ！？
シュナ
やり合わないの！？
フィン
数で勝ってても僕らペーペーだし
シュナ
女の子一人置いてくとか呆れたわ
フィン
その手があったか！
シュナ
はぁ？
フィン
なぁ山賊さん
山賊
あぁ？
フィン
そこの女やるから僕は見逃してくれない？
シュナ
ちょっ！！？
山賊
ほぉ？おもしれぇ話じゃねぇか
フィン
しかもそいつ才能開花で『騎士』としての才能あるんだぞ？
フィン
歴史的に見てもかなりの上物じゃない？
山賊
そいつァいい！
山賊
ならお前さんは見逃してやろう！
フィン
やったぜ！！
シュナ
おいクソ男！
シュナ
どこ行きやがる！！
フィン
僕は死にたくないんでね
シュナ
クソ男がぁぁぁぁ！！
山賊
ｱｯﾋｬﾋｬﾋｬ！
山賊
仲間に捨てられた気分はどうだァ？
シュナ
ほんっとに……
シュナ
最高の気分………
山賊
ﾋｭ- いい皮肉じゃねぇの
シュナ
私が生き残るにはやっぱりアンタとやり合わないとだよね？
山賊
生き残れる自信があるならな？
シュナ
シュナ
じゃあ自信だけはあるから言わせてもらった
山賊
いいねぇ？
山賊
強気で綺麗な女は大好物だ
山賊
それ故に残念だなぁ
山賊
その綺麗な顔を傷付けないといけないとは…
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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