作者
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「信じる」
これは俺の大嫌いな言葉
他人のことなんか信じたら酷い目に遭う
これは
そんな考えを持っていた少年が、 些細な出来事が積み重なり だんだんと心を開いていく物語
俺にだって心から 「親友」 と呼べる人がいた
親友
おんりー
親友
おんりー
親友
おんりー
親友
この人とは毎日のように話してた
たとえクラスが違えど登下校は 必ずと言っていいくらい一緒だった
もう俺にはこの人しかいない この人としか話したくない
と 思ってもいた
だけど
親友
おんりー
親友
親友
おんりー
親友
お互いに、 意地を張るようになり
ちょっとしたことから 言い合いになることも増えていった
そして、 もう話す機会なんてなくなった
こんなことがあってからの生活は 「とてもいい日々だ」 なんて言えるようじゃなかった
生徒(男)
生徒(男)
生徒(男)
生徒(男)
生徒(男)
学校ではいつも一匹狼
お前となんか喋るわけない
なんて思うのは日常茶飯事だ
生徒(女)
おんりー
生徒(女)
生徒(女)
生徒(女)
生徒(男)
生徒(男)
正直、もう嫌だ
仲直りしてみようかな、
きっとあの人も待ってるだろうし
きっと、きっと仲直りできる 励ましながら休み時間が来るのを待った
話しかけるのは勇気がいる
もし、 仲直りできなかったら? もし、 絶交することになったら?
なんて考えも頭によぎる
あの人が出てくるまで窓の外を眺める
そんな時間は とても、とても 長く感じる
おんりー
出てきた!
一歩ずつあの人に近づいてみる
心臓が音を出し、 何もかもがスローモーションの映像のよう
いける、そう思い
おんりー
声を出してみた
親友
なに?その顔は
生徒(女)
親友
生徒(女)
おんりー
親友
親友
生徒(女)
親友
生徒(女)
生徒(女)
生徒(女)
親友
この会話を聞いた途端
気づいた
あの人は親友なんかじゃない 元々よく話すだけだった ただの人ってことに
何もかもが白黒で、 色という存在がない世界に来たようだった
なぜだろう 体が動こうとしない
それに視界が歪んで見える
その原因がなにか理解するのに 時間はいらなかった
俺、泣いてる?
咄嗟に走り出した
たくさんの人に見られただろう、 たくさんの人に笑われただろう、
だけど決して足は止めない
おんりー
俺は声を押し殺して泣いた
誰にも気づいて欲しくないから
もう、 誰も信用「しない」、 いや、 誰も信用「できない」
だって 人間は自分を守るためなら 簡単に考えを変えちゃうような 愚かな生物なんだから
この少年が心に色が戻るまで まだまだかかりそうだ
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コメント
4件
今、国語で習ってる物語に似てる様な…? (悪意はないです、ごめんなさい)でも言葉がめちゃくちゃ刺さりました!