アセビ
さて……

アセビ
その二振りの剣

アセビ
その強さをワシに見せてくれるか?

筋肉質な王国騎士
いいぜぇ爺さん

筋肉質な王国騎士
ただ、それが最期の景色になるかもなぁ!?

筋肉質な王国騎士
『ヴィバヌスの息吹』!

筋肉質な王国騎士
双剣が作り出す暴風に飲まれて刻まれろぉ!

アセビ
ふむ……

アセビ
真空刃を飛ばすが、それが小さな竜巻を作り出す、か

アセビ
規模こそそんな大きくないが渦巻くその風

アセビ
確かな力を感じる…

アセビ
が、しかしそれまで

アセビ
牽制用の技ではワシは殺せぬ

刀を軽く横に振るう。瞬間ヒュンと風を斬る音が聞こえたと思えば作り出された竜巻は消滅していた
筋肉質な王国騎士
…ほぉ?

アセビ
小細工程度ではワシはやれん

アセビ
お前ももちろん小細工程度ではやれない相手

アセビ
歳を食うと嫌でも分かるもんなんじゃな

アセビ
変に培われた経験というものは

筋肉質な王国騎士
おもしれぇ…

筋肉質な王国騎士
なら爺さんも一つ小細工を見せてくれねぇか?

筋肉質な王国騎士
お互いそれは無意味だと理解してるんだ

筋肉質な王国騎士
とはいえ、俺だけ見せたんじゃあフェアじゃない

アセビ
ふむ…

アセビ
戦闘において手の内をおいそれとさらけ出すのは好きではないが

アセビ
そこまで正々堂々とやり合いたいなら良いだろう

アセビ
今お主が見せた竜巻と似たワシの十八番でも見せよう

アセビ
この技は集団戦や牽制用の技として教え子に伝えてある

アセビ
言わばアセビ流の基礎

アセビ
練度さえ上げればそれは牽制用とはいえなくなるがな

アセビ
【アセビ流 抜刀術 桜吹雪】

刀が抜かれた瞬間先程の竜巻のように真空刃が王国騎士を襲う
そしてその風の刃は抜刀した者から離れるにつれて細かくなっていき不規則に襲い来る
その細かくなった刃達がまるで風に吹かれ宙を舞い踊る桜の花びらのごとく
筋肉質な王国騎士
なるほど確かに俺のヴィバヌスの息吹と似てるな

筋肉質な王国騎士
まぁ、お互い牽制用の技ってだけで

筋肉質な王国騎士
同レベルの相手では意味をなさない

筋肉質な王国騎士
俺以外ならいい技だぜ

二振りの剣を使い乱舞を決めると飛ばされた真空刃はそれに相殺され消える
筋肉質な王国騎士
素晴らしい強さだァ…

筋肉質な王国騎士
これでは距離を置いた戦闘は無意味と言ってるようなもの

筋肉質な王国騎士
ならばやることはひとつ

アセビ
…さぁ、お主も構えよ

アセビ
ワシは歳だからあまり激しい動きは勘弁して欲しいがな

筋肉質な王国騎士
(このジジイ俺と力で張り合えるなんて…)

筋肉質な王国騎士
(さっきの拳を微動だにせず受け止めた点もおかしい)

筋肉質な王国騎士
(こんなしみったれた爺さんがなぜ名を馳せていない?)

筋肉質な王国騎士
(これほどの実力があれば俺ら騎士団の隊長格にさえ匹敵するだろうに…)

アセビ
…お主今わしの実力をみて余計な事を考えたな?

筋肉質な王国騎士
あぁ?

アセビ
どうせワシが実力あるくせにこんなとこにいるのが不思議なんじゃろ?

筋肉質な王国騎士
さぁな?

筋肉質な王国騎士
俺は強い奴とやれればそれでいい

アセビ
そうか?じゃあそういう事にしておいてやるが

アセビ
一応ワシが表立って活躍しない理由を教えてやろう

アセビ
単に悪目立ちするのが好かん

アセビ
それだけじゃな

筋肉質な王国騎士
うごぉぉ!?

アセビ
刀とは斬ることに特化している

アセビ
更にこの刀は一対一で真価を発揮するものじゃ

アセビ
どうじゃ?恐怖したか?

筋肉質な王国騎士
…ふっふっふっ

筋肉質な王国騎士
ガーハッハッハッ!

筋肉質な王国騎士
爺さん気に入ったぞ!

筋肉質な王国騎士
その強さを俺の糧にしてやろう!

アセビ
その前にお主がくたばるから無駄じゃな

筋肉質な王国騎士
俺の肉体は簡単なことでは傷つかねぇ

筋肉質な王国騎士
それなのに貴様の刃が俺を傷付けた

筋肉質な王国騎士
だが、その傷はまだ浅い!

筋肉質な王国騎士
ならば貴様では倒す可能性は未だに低い

筋肉質な王国騎士
そんな状態でこの俺を倒すだァ?

筋肉質な王国騎士
おもしれぇこと言うじゃねぇか!

アセビ
ワシはこういう争いを好かん

筋肉質な王国騎士
平和主義ってか?

アセビ
単に時間の無駄だからじゃ

アセビ
確かにお主は強いがワシが認める強さとは別の強さを持ってるようだ

アセビ
故に目指すべき山が違うからこそこれ以上やってもワシもお主も利点がない

アセビ
だから時間の無駄なんじゃ

アセビ
平和主義でもなんでもなくこの戦闘に価値がないんじゃよ

筋肉質な王国騎士
お前になくても俺にはある!

筋肉質な王国騎士
もう一度ぶった斬ってやるぜぇ!

大振りな攻撃がアセビを襲うが簡単に受け流されて再び体に傷をつけられる
筋肉質な王国騎士
がぁ!?

アセビ
お主はまだ強くなる

アセビ
そして正しき道に戻れる

アセビ
今日のところは引くといい

アセビ
傷を癒す中で自分が本当になりたかったモノを思い出すといい

筋肉質な王国騎士
クソジジイ…

筋肉質な王国騎士
覚えておけ……

筋肉質な王国騎士
俺の名は『ガザウェル』

筋肉質な王国騎士
次会うときは生きれねぇと思っておけ……

アセビ
その前にワシの寿命が尽きてお前のリベンジも果たせないかもしれんな

そんな軽口を叩いて筋肉質な王国騎士『ガザウェル』は姿を消した
アセビ
はぁ……

アセビ
あの小娘今までで1番面倒な事を押し付けてきたもんじゃな……
