リフィックス重工 本陣付近
道路に仕掛けられた罠によって 車を乗り捨てた敵兵6名が 2チームに分かれ隊列を組んで 進行している 。
敵兵A
敵兵B
敵兵C
敵兵A
敵兵B
その一言に先ほどまで 無駄話をしていた一同が静まり 真琴達にも引け劣らない動きで 周囲を警戒しながら進んでいく。
そして、T字路に差し掛かり道路を挟んで 2チームが左右の壁に隠れた時 先頭の人物が何かに気付く。
敵兵B
敵兵C
敵兵B
その音の確認に壁から顔を覗かせると 3つ先の交差点から彼らの方に 向かって走ってくる大型の車が一台見えた。
敵兵B
敵兵C
スピード上げて向かってくる 車両に一斉射撃が行われる。
計6挺のアサルトライフルから 吐き出された銃弾は 轟音と共に車両に襲いかかる。
しかし、その銃弾達は 車両を貫くどころか ガラス一つ割れずに弾かれていく。
敵兵A
敵兵B
彼らを轢き殺そうと 突っ込んできた装甲車は 急ブレーキをかけ壁に激突する 寸前で停車する。
敵兵B
敵兵A
凛咲 殺華
その声の主は装甲車の屋根にある 開いたままのハッチから左側にいた 彼らの頭上に飛び出した。
敵兵の頭上に飛び出した 殺華は左手に持つ愛用の散弾銃を 1番遠い敵に目掛けて撃ち放つ。
ダァン!と言う破裂音と共に 離れた敵に吐き出された 百数十発の小さな鉛の雨が襲い掛かる。
彼女の使う散弾は バードショットと呼ばれる種類で 1つのショットシェル(散弾銃の弾薬)で 数十〜数百の小さな弾が入っている。 貫通力と飛距離は低いが 広範囲に広がり当てやすいのが特徴だ。
撃たれた敵は死亡には至らない 殺華自身も殺せるとは思っていない。 しかし、細かく被弾した敵は 撃たれた衝撃と痛みで手に持っていた ライフルを落とし後ろへと倒れる。
凛咲 殺華
そして、着地点の敵の腕に目掛けて 右手に持つククリナイフを振り下ろす 彼女の膂力と落下による全体重を乗せた 一撃は敵の腕を叩き斬るに至る。
凛咲 殺華
腕を切断された敵に 情けをかけることは微塵もなく 笑い声を上げながら返す刀で その敵の喉元へナイフを滑らせる。
ククリナイフの刃は 敵の喉へと深く入り込み 首の骨でその動きを止める。 流石の彼女でも首を一撃で 切断するのは難しいが 確実に致死の一撃である。
その光景を見ていた他の敵は その状況に怯むことなく 殺華へと銃口を向けようとした。
しかし、殺華は左手に持つ 彼女の愛銃を腕の中で素早く 一回転させ次弾を装填しその敵へと 撃ち放つ。
余談ではあるが彼女の 銃は散弾銃で1発ごとの リロード動作が必要になる、 本来は両手でリロードを行うのだが 彼女の銃はウィンチェスター製。 彼女が行ったのはスピンコックと言われる 動作である。 文章での説明が困難なため 是非、動画サイトでスピンコックを 検索して一度見ていただきたい。 ほんっとカッコいいから!! (お勧めはターミネーター2でシュワちゃんがやってるやつ)
敵兵B
至近距離で散弾を腹部に受けた 敵は後ろへ大きく吹き飛ばされ 絶命した。
凛咲 殺華
右手のククリナイフが 首に入り込んでいる敵の胴体を 蹴り飛ばして無理やり ナイフと引き剥がし 返り血を浴びながら殺華は呟く。
敵兵C
最初に散弾を打ち込まれた 敵はまだ息があったが 立ち上がれる様子はない。
凛咲 殺華
その敵に近づきながら 再度銃を一回転させ弾を込める。
凛咲 殺華
敵兵C
凛咲 殺華
その一言と共に引き金が引かれ 敵兵は胸から彼岸花の様な 血飛沫をあげて死亡した。
同時刻 本陣付近
伏黒 竜久
本陣のある方向から いくつもの銃声が聞こえ竜久は呟く。
先ほど敵からの狙撃を受けてから 一旦場所を別の建物の屋上に変えてから 位置を変えずにただじっと 敵が動くのを待っている。
大体の方向はわかっているが まだ敵の姿は見えていない。
しかし、それは敵も同じく 竜久の正確な位置は 把握仕切れていない。
伏黒 竜久
狙撃手は1撃で相手を 仕留めきれなかった場合 自身の位置がバレて逆にピンチとなる。
お互いの方向が分かっているならば 撃ち合いより我慢比べになる。
敵に動きがばれないように 一瞬の隙をついて動く、 もしくは遮蔽物で身を隠すように 行動するしかなくなる。
伏黒 竜久
伏黒 竜久
時折、集中力を切らさないように タクティカル・ブリーシングと 呼ばれる呼吸法を行う。
これは集中状態を作り出す呼吸法で 米軍エリート部隊であるNavy Sealsでも 採用されている呼吸法である。
まず軽く息を吸い込み 肺の中の空気を全て吐き出す。
次に口を閉じて 4秒かけて鼻から息を吸い込む。
息を吸い込んだら 4秒間呼吸を止め
4秒かけて 口から吐き出し
再び4秒呼吸を止める
後はこの動作を繰り返すだけである。
伏黒 竜久
そんな呼吸の最中 竜久の目に映る景色に 微かに違和感を感じた。
その違和感の正体こそ 敵が動いた証だ。
伏黒 竜久
隠れたつもりになっている 敵の頭部に狙いを付け 息を止めて引き金に指をかける。
狙撃の瞬間息を止めるのは 弾道がブレるのを抑えるためである。 呼吸による胸郭の上下変動は、 ストックからライフルに伝わるため それだけで弾道を不安定な物にする。
そして、息を止めてライフルの微かな 動きがピタリと止まった瞬間を逃さずに 竜久は引き金を引いた。
発射された弾丸は 音を置き去りにして敵の頭部を撃ち抜く。 遅れて発砲音が聞こえた時には 勝負が付いていた。
コメント
21件
殺華戦闘シーンきちゃぁ〜! いい殲滅だ! もっとやってけ! (訳 戦闘シーン最高でした)
ハチと戦ってたら遅れたw 説明が荒ぶってて面白かったw あと数話で終わりなのかな? ちょっと残念(´・ω・`)
おぉ...かっけ 今回は説明が多めだったなぁ...(上手く言葉には出来なかったけど気に入ったそうです(笑))