莉音
大きなベットで眠る少女の手を取りいつもは頼ることの無い神様に願う
少女の顔色は悪く熱があり汗もひどい
状態が悪いのは一目瞭然だった
蒼翔
蒼翔
蒼翔が涙目になりながら言う
必死に泣くのを堪えているんだろう
ガチャ
扉の音で振り返る
入ってきたのは解熱剤や汗ふきのタオルを持った天音だった
天音
莉音
天音
莉音
天音
私たちに余計な不安をかけないためか冗談めいた声で喋る天音
自分だって心配でたまらないくせに
天音
莉音
莉音
蒼翔
莉音
蒼翔
天音
天音
莉音
莉音
莉音
天音
蒼翔
天音
天音
蒼翔
蒼翔
蒼翔
莉音
天音
天音
莉音&蒼翔
莉音
莉音
天音
窓から身を乗り出しながら元気よく答える天音
蒼翔
天音
蒼翔
天音
指を指した先は別館の端に位置する日光のよく当たる部屋
そこは私たちの狙いである和室だ
莉音
莉音
天音
天音
天音の投げた野球ボールが
ガッシャーン
狙いの部屋の窓を....ではなくもうひとつ上の階の窓を割った
暗い.....怖い....
動けない....息が上手くできない...
数分くらい前から過呼吸みたいになってて苦し涙が止まらない
泣いたらダメだ
殴られて...蹴られて...
今は安全な孤児院じゃなくて危険な家にんだから
私が泣くと醜いから
喚くと汚いから
息を殺して.....じっとしてなきゃ....
ガッシャーン
天
声を出しそうになった
静かに...静かにしなきゃ...
私は醜くて汚い子だから......
天
天
天
天
ふと、ある少女が脳内に出てきた
天
頭の中に鬼ごっこをする前に見た彼女の無邪気な笑顔と電話での連呼が出てくる
天
でも意志とは反対に体は上手く動かない
落ち着いてきた過呼吸もまた酷くなった
さっきからこれの繰り返し
視界がぼやけてきてタンスの扉にもたれ掛かる
その時だった
外側から誰かが扉を開けた
天
視界が一気に明るくなりそれと同時に体に来る衝撃に備えて目を瞑る
でも、いつまでたっても衝撃は来ず変わりに暖かいなにかに包まれた
顔を上げると癖のない青いの髪と整った顔立ちをした顔が見える
次男のifさんだった
天
受け止めていた腕を解き床に座らされる
if
もういふさんの言ってることなんて私の耳に入ってこなかった
苦しい...苦しい...どんどん酷くなる
合図がなかったのに出ちゃった
許されてないのに出てしまった
それに...きっと怒ってる
怒って....また私サンドバッグになるんだ
if
名前を言われ体が反射的に跳ねる
怖くて目を瞑る
でも殴られない、蹴られもしない
その人はただ静かに抱きしめてくれた
天
if
if
if
罵倒もされない、ただ暖かい言葉をかけられ撫でられる
私の中のなにかが決壊した
天
天
何を言えばいいのか分からない
自分でもなんで謝ってるのか分からない
でも、暖かい
心に暖かいなにかがともる感覚がした
私が泣いてる間、撫でて続けてくれるいふさんの温かさに甘えいつしか私は眠っていた
天
目が覚めた...ここ...階段?
if
天
道理で暖かく安定感的なものを感じるわけだ
if
天
他の人なら嫌かもだけど...いふさんはなんか大丈夫だった
天
if
天
天
if
天
私の昔話を聞いて欲しいです
コメント
8件
いふくんにおんぶ...ちょっと羨ましいなww