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7 - 第7話 ホットミルクで流して

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2024年08月01日

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誠一

……あかん…いつの間にかこんな時間になっとった……

ココ最近、2人の足を引っ張っているのではないか?と考えることが増えた為誠一は密かに勉強をしているのだが…

誠一

まさか少し勉強するつもりが……まだここ事務所やしなぁ…

最近はマルスをめざしている関係で遅くまで事務所にいることも珍しくなく、夜遅くに家に帰るのは危険だと言うことで事務所に一人一人の部屋が出来、そこで誠一は勉強をしていたのだ。

誠一

…まぁ……2人ともおらんやろうし夜食でも作るか。

誠一

…あったあった………やっぱり夜食には梅おにぎりやなぁ…

そういい、梅おにぎりを口いっぱいほお張る。

夜食は悪い事だと分かっているがこの少しの罪悪感が癖になるのだ。

健三

何をしているのです⁇誠一くん。

誠一

…健三………⁉︎お前いつの間に…

健三

なんだか眠れなくて…明日は誠一くんとのデートなのに。

健三は昔から悪夢を見ることが多い、それ故悪夢に脅えて眠れなくなる日も少なくはないのだ。

誠一

ふふっ、その誠一くんは今目の前におるんやし…せっかくなら2人で夜更かしでもするか⁇

健三

なっ…⁉︎そんなこと出来ませんよ…早く寝ないと明日起きられなくて計画が台無しに……

誠一

少しくらいえぇやんか、オレは多分早めに起きれるやろうし…な⁇

健三

仕方ないですね…少しだけですよ⁇

誠一

とりあえず、何か作ってやるから少し待っときぃ。

《 数分後 》

誠一

はい、流石に今バインミーは作れんから…おにぎりで我慢してや。

健三

誠一くんが私の為に作ってくれたと言うだけでも嬉しいので…別になんでも大丈夫ですよ。

ホットミルクとおにぎり、相性は少し悪そうにも見えるが彼なりに健三を気遣ったのだろう。

誠一

ふふっ、ありがとな。

誠一は眠気のせいかいつもよりも少しとろんとした顔をしている。今だけは自分が彼を独り占めすることができる、それはどんなことよりも嬉しく同時に罪深いことでもある。

私はまどかさんが誠一くんのことを好きなのに気づいていたのに身を引くことが出来なかった、彼と恋仲にまでなってしまった。だから極力まどかの前では普段通りで過ごしているのだが…誠一はそんなことにも気づかず遠慮なく健三に近づき微笑む。

そんな彼のことを愛おしいと思ってしまう自分はとっくのとうにおかしくなっているのだろう、なんて思いながらおにぎりを1口頬張る

健三

…美味しいですね……流石誠一くん。

しかもこのおにぎりは私が好きな鮭のおにぎりだ。

誠一

ふふっ、せやろ〜料理には自信あるからな〜!

健三

もう…本当そういうところですよ。

私は少しとろんとしている瞳で笑う誠一くんを見て我慢が出来なくなってしまい、ホットミルクを少し飲むと

誠一君の服の襟元を思いっきり掴んだ後、ホットミルクを口移しした。

誠一

………ちょ…何すんねん健三‼︎

誠一くんは突然のことに驚き、数秒固まった後そう言った。

健三

誠一くんが悪いんですよ、そんなに可愛い顔をしているから…

誠一

べ…別に可愛くはないやろ‼︎

健三

自分ではチャーミングな笑顔と言ったり可愛いなんて理解に苦しみますね…と言った時に怒ったりしていたのに…そうやって否定するんですね。

誠一

うぐっ…それは…

健三

わかったなら認めなさい、貴方は可愛いんです。

誠一

け…けど…健三と恵美みたいにファンとかがおるわけやないし…

健三

……それは…

流石に私とまどかさんで追い払っているとは言えない…

誠一

…オレって頭悪いしなぁ……しゃーないことなんかなぁ

健三

…別に、貴方は貴方でいい所があるんですしそのままでもいいと思いますよ。貴方のことを好いている人は何人もいるのですから…

誠一

…そうよな、健三みたいにオレのこと好いてくれる人は沢山おる‼︎なんやちょっとくらいとこ見せてもうて申し訳ないわ…

誠一

あとこれ、さっきのお返しな。

そう言うと誠一は健三に軽くキスをしようとしたが健三が誠一の頬を抑え、深いキスをしだしたので誠一がまたいじわるされるだけになってしまった。

誠一

…健三………明日覚えとけよ…

健三

…ふふっ、もしかしたら忘れてるかもしれません。

誠一

ふざけんな…

少し怒っている誠一のことを見ながらホットミルクを少し飲む。先程は気づかなかったが、これは多分ミルクの味だけじゃない、恐らくシナモンと蜂蜜だろうか。

健三

…美味しい………

誠一

せやろ〜、寝れないやつにこれ飲ませればだいたいみんな寝るからなぁ。

ふと誠一くんの飲んでいる飲み物を見る、それはただ事務所でいつも作っているような麦茶で、このホットミルクのように少し凝って作られているものでもない。

やはりこの男は底抜けて優しく、それでいて残酷なのだ。

健三

本当、誠一くんらしい。

目の前にいる彼は恐らく、眠れぬ人がいるた時に手を差し伸べ、今この時していることと同じようなことをしているのだろう。その相手がきっと誰であっても、踏分誠一というのはそう言う男なのだ。

誠一

…?まぁ…うーん、こういうとこしか取り柄ないからなぁ…オレ。

健三

そんなことないですよ、誠一くんのいい所なんて5億年かけても語りきれないくらいあります。

誠一

ははっ、どんだけオレのこと好きなん?w

健三

誠一くんとだったら宇宙まで行って2人だけの世界を築いて行きたいくらいです。

誠一

なんやそれ、オレのことめちゃくちゃ好きやん。

健三

当たり前でしょう?何度も悩んで苦しんでこうして結ばれることが出来たのですから。

誠一

ほんま…お互いに好き同士やったのに気づかんとはな…健三もたまには鈍感になるんやな思ったわ。

健三

…人の心情を読み取るという所では私よりも貴方の方が長けているはずですよ、これまでも色んな方に寄り添ってきたのですから。

誠一

…なんやそうやって健三からめっちゃ褒められるとその…照れるな……

健三

いつも可愛いと伝えてはいるのに…本当、ズルい人です。

こういう時にだけ照れたりして不意打ちをしてくるなんて。本当にずるい人

だけど…そこが

健三

大好きですよ、誠一くん。

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コメント

4

ユーザー

あ、尊い、最高、100億回でも見れます(* ̄ii ̄)

ユーザー

何この尊い小説は誠一くんがただただ優しくて可愛いが詰まっただけの小説ですね✨ 本当に素敵な小説です(*´ω`*) 健三さんと誠一くんのやり取りも可愛いし眠そうな誠一くんも可愛すぎる✨ 誠一くんはダメダメなんかじゃ無いよ! 誠一くんは本当に頑張ってるよ!! 本当に素敵な小説でした(*´∀`*)

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