カツキorigin
前の飼い主
カツキ
ある日俺は飼い主に段ボール箱に投げられ知らない道に捨てられた。俺は飼い主が嫌いだったし離れられてよかったとその時は思っていた
だけど街を歩く奴らは誰も俺のことを目につけてくれねえ。これじゃあ本当に死んでしまう。そういうふうに悟られた
カツキ
そういうふうに思ったとき
人間
暗い顔をした女の人間が歩いてきた
カツキ
俺は気づけばそいつに向かって吠えていて
人間
不思議そうに俺を見つめてきた
人間
なんでだよ…、なんで人間は無責任なんだ…!?
カツキ
人間
人間
カツキ
人間
カツキ
人間
カツキ
女はスマホで犬を飼うためのことを調べる
人間
カツキ
人間
なんなんだこの女
人間
カツキ
だけど拾ってもらえて嬉しいって思いも少しあった
人間
カツキ
人間
人間
人間
こいつ段ボール箱よく見たのか? 俺の名前は『カツキ』だ!!
人間
名前のセンス皆無だな
カツキ
人間
カツキ
人間
ああこいつもうダメだ
カツキ
人間
カツキ
こいつ大丈夫かよ本当に
俺はちゃんとこいつが餌をやってくれるか心配でたまらなかった
翌日
人間
カツキ
人間
カツキ
あいつが出ていったあとあいつが寝ていた『ベット』というところで寝てみた
カツキ
俺なんか地べたでタオルを敷いて寝かせられたからな
カツキ
だがあまりにも寝相が悪すぎて
ドンッ!!
カツキ
え
カツキ
カツキ
自分の体を見る
カツキ
なんだこれ…人間の体じゃねえか
カツキ
俺は急いで全身鏡に行く
カツキ
ツンツンした髪の毛の上に犬の耳がついてて後は人間の体をしている
カツキ
俺は何度も何度も全身鏡で自分の体を見た。手も足も顔も全部人間そのものだった
自分の体に見慣れて
何時間かしたあと
ガチャ
人間
カツキ
人間
カツキ
裸?んだそりゃ
人間
カツキ
カツキ
やっと言いたいこと言えた
人間
カツキ
こいつをなだめるのに結構時間かかった
そこからやっとあいつと対等に話せるようになった。やがてあいつの名前は『スミレ』だということを知った
最初はおっちょこちょいで逆に心配になる奴だったけど前の飼い主みてえに悪い奴じゃなかった
特にあいつに頭をワシャワシャされると変な気になる。なんか…落ち着くってわけじゃねえけど
カツキ
と思いながら今日も留守番だ
カツキ
カツキ
昨日過去のこと聞かれて少し焦った。 すごい楽しそうな顔をしていたから言い出せなかったけど。でもまあ最後まで隠し通すしかねえなー
カツキ
スミレが帰ってくるまでおとなしくしていなきゃな。あいつ怒るし
コメント
1件
かっちゃん目線なの最高✨