TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

 

 

自分の部屋から、リビングに行くと

部屋中甘い匂いに包まれていた

yan

…ん、何この匂い

俺の言葉が耳に入ったのか

ソファに座ってスマホをいじっていたjpが振り向く

jp

あぁ…今女子たちがチョコ作ってるんだよ

jp

ほら、今日バレンタインじゃん?

そう、バレンタイン

krptでは、毎年恒例

バレンタインの日に、女子が男子にチョコをあげる

…いや、あげるというか…みんなで食べるというか…

 

…まぁ、そのおかげで、毎年チョコが0になってしまうことを、回避できている

yan

おー、やったー

ur

ねね、これ食べてもいい〜?

et

ur〜、つまみ食いはダメでーす

そう言って、etさんがurにデコピンをする

yan

……

ur

いてっ!?

ur

力半端ねぇっ…!

na

…etさん、ナイスです!

jp

…おーい…yanくーん?

yan

……

jp

yanくん!!

耳元で大声を出され、はっと我に返る

yan

っうえっ!?なになに!?

jp

…いや、ボーッとしてたぞ?

jp

…まー、理由はわかる…けど…

yan

…っるせぇっ…

目を逸らした先には

etさん

 

耳に髪をかけて

シフォンケーキに上から粉砂糖をかける

 

その仕草が

その全てが

俺の目には色っぽく見えて

 

yan

jp

…w

rn

etちゃんetちゃん

rn

完成しました?

et

…うん、出来た…!

na

…ふふっ

na

…、よし…ならあとは…

na

……できましたよ〜〜!!

naさんの声で

男子たちが一斉にリビングに集まる

 

みんな本気だ

 

yan

…お、美味そ〜

机の上に、種類ごとに1つの大きな皿が置いてあって

その皿の上に、たくさんのチョコが並べられている

 

チョコを分けられていないから

俺たちのシェアハウスでのバレンタインでは

チョコの取り合いが始まる

 

なんか、女子が袋に入れるのが面倒くさいとかなんとか…

 

na

今年はですね、いろんなお菓子を作ってみました〜

jp

これってもう食べていいの?

na

聞いてませんね…

naさんが呆れた表情を浮かべる

na

…はい、食べていいですよ

naさんの声を合図に

俺は目の前にあったチョコを手に取る

 

rn

rn頑張ったんですよ〜!

rn

どーですか!!

yan

うん、美味いね

美味しい

美味しいんだけど

 

好きな子からのチョコが

確実に食べれるってわけじゃない

 

わからない

 

好きな人がどれを作ったか

どんな気持ちで作ったのか

誰のことを想って作ったのかも

 

yan

…(…まぁ…ないよりはいいか)

好きな人から貰えないよりは

少しでも、好きな人の手作りを食べれる可能性があった方がいい

いいんだけど

 

貰いたいなって

 

諦めきれなくて

yan

…(etさんはさっき、何に粉砂糖をかけてたっけ?)

yan

……(シフォンケーキだったっけ?)

机の上に並べてあるチョコを全て見ても

シフォンケーキは見当たらない

yan

……(まさか…)

自分用で作った??

 

そっか、etさんチョコ好きだもんね

 

なら…ありえる??

yan

……

ur

なにボーッとしてんの?

ur

もらうよ??

yan

っは!?やめろ!!

はっと我に返って、urにそう叫ぶ

 

駄目だ、俺

なに考えてんだ

 

 

 

チョコを全て食べきり

みんなが部屋に戻ってった後

俺はスマホを眺めている

 

yan

誰もいないリビングで

シーンと静かに過ごしていると

リビングに繋がる扉が開かれ

誰かが俺に話しかける

et

あ、あのさ…yanくん…

yan

……っえ?etさん…!?

相手は、俺がひっそりと想いを寄せてる人で

緊張して、声が思わず上擦る

 

yan

どっ、どうした?

et

えっ、えっとね、

少し赤く染まった頬

いつもとは、全く違う雰囲気

yan

…隣座っていいよ

勇気を出して、そう伝える

et

あ、ありがと…

俺の隣に腰を掛けたetさんは

また話し始める

et

ほ、ほら…今日バレンタインでさ、私チョコ作ったじゃん?

et

それで、それで…少し板チョコが余っちゃってね

et

私その板チョコで、シフォンケーキ作ったんだけど…

etさんが後ろに隠されてたシフォンケーキを差し出す

et

今日バレンタインだから、ちょうどいいかなって

et

あげようと思ったの…!

et

たまたま!!チョコが余っちゃっただけだからね!?

たまたま

yan

…そっか

たまたま、ここにいたのが俺ってだけで

et

…、ていうことだから、…貰ってくれるかな

yan

……いい…の?

et

う、うん…!!

etさんが優しく笑ってくれて

その笑顔に心を鷲掴みされて

yan

yan

…ありがと…

俺も自然と笑みがこぼれる

et

…っ…うん

yan

…これ…etさんが1人で作ったってこと?

et

…いや……まぁ…うん

et

…お、美味しくなかったら全部食べなくてもいいからね…!?

et

私、料理苦手だから…

残すわけがない

好きな人からもらったチョコを

 

たまたま、チョコが余っただけで

たまたま、ここにいたのが俺ってだけで

たまたま、余ったチョコを使ったのがetさんだっただけで

 

でも

 

たまたまでいいんだ

 

yan

…これ…今食べてもいい?

et

え…あ…うん…!

et

美味しくなかったら言ってね!?

袋を開けて、シフォンケーキを一口食べる

yan

…うん、美味しい

 

yan

美味しいよ、etさん

et

っ…よかった

yan

っ…!

初めて見た

照れてて、甘い笑顔

 

可愛い

と、また心を奪われて

 

どうか、まだこの時間が続いたままで

どうか、まだ二人きりのままで

 

 

 

 

 

na

無事、あげられたみたいですね

jp

…そうだね

ドアに耳を当てて

二人の会話を盗み聞きする

 

na

…よかった

jp

…何でnaさんはetさんがチョコあげること知ってんの?

チョコを食べ終わった後

naさんに呼び止められて

今に至る

na

…私、よくetさんに相談されてて…

na

チョコ、あげたいなって言ってて

jp

…へぇ

na

…実はあれ…たまたまじゃなくて、本命なんですよ

jp

え、嘘!?

na

しっ!!声が大きいです!

naさんに注意されて

また小声に戻す

jp

あれ…本命なんだ

na

…そうなんです、本命だから

チラッと俺を見て、ニコッと微笑む

na

あのバレンタイン用の袋も、一生懸命考えて買ってたし

na

あのチョコも、一人で作る!って言ってて…

jp

えー可愛い

na

そうなんです!可愛いんですって……え?

na

ほ、惚れました?

驚いた表情で聞いてくる

jp

え、いや…惚れてないよ!?

jp

惚れても、yanくんがいるから諦めるし

jp

……てか、何でyanくん気づかないんだよ

jp

あの袋とか、完全に用意してたよって言ってんじゃん

na

まぁ…

naさんが幸せそうな顔を浮かべて

扉から耳を離す

na

あの二人は…気づきませんよね

ふふっと笑って、

また扉に耳を当てる

jp

…だな

jp

だからこそ、俺らが手伝わないとな

 

  

 

loading

この作品はいかがでしたか?

400

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚