絶対に振り向くまで追いかけ続けられる俺が命の危機を感じるため絶対に振り向きたくない話

まろに初対面で追いかけ回されたり 一緒に買い物にでかけたり 空き教室で襲われたりしたときから1ヶ月くらいが経った

あれから特に何も起きなかったため気持ちにも一段落つき あの狂ったような非日常から今まで通りの日常に戻ってきていた

だかそんな時期にもすぐに終わりが来る

進級式が終り1、2ヶ月ほど経った今 俺にとっての地獄の行事が始まろうとしていた

いつの間にかその場にいなかった人にも広がっていた

人気者と関わるって怖いなぁ…

しかも情報源女子からだし……

今更だがなんで俺とこうも関わろうとするのだろう

俺なんかと関わるよりももっと一緒にいて 楽しくなるような人なんていっぱいいるだろうに

6限目

どうやら今日の6限目は授業をやらないらしい

次の行事の話をするようだ

運動が苦手な俺は体育祭はもちろん嫌いだ

だから正直言ってあまりこの話に気分はのらない

俺はそこまで動く種目じゃなければ特になんでもいい

そう言って黒板に種目を書いていく担任

今年の種目は 玉入れ、リレー、二人三脚、借り人競争 の4種らしい

………まぁ盛り上がりそうな種目が多いなぁ…

二人三脚はやりたくないが他2つを 選びたくないため必然的にそうなってしまう

リレーは普通に走りたくないし 借り人競争なんてみんなやりたがるんだから俺がやる必要ないと思うし

だから玉入れと二人三脚になる……

色々話し合いとりあえず候補の票が全て集まった

次？実行委員決め？ 俺仕事少ないやつが良いな…… 得点数えるとか？

今年は組をくじで決めるらしい 別にしょうちゃんとほとけっちさえいればあとは誰でもいいから俺はいいんだけど……

教室中が騒ぎ出す

やっぱりこういうイベントはテンションが上がるのだろう 俺ももちろんテンションが上がっている

6組ってたしか…………

6組はまろとアニキがいる 運動にはとことんもってこいなクラスだ

そう言えば教室が騒ぎ出し始めてから 女子の話し声が特に聞こえてくる

まろに脅されてから一応まろ呼びは続けているが やはり慣れない

周りからは俺のまろへの呼び方がわかったせいか みんな戸惑ったような反応をする

突然出てきたと思えば くじを引きたいと言い出したほとけっち

もう…何からなにまでぶっ飛んでんなあいつ………

そう担任がクラスに問いかけるとそこまで批判の声はなく そのままほとけっちがくじを引くことになった

そう言って黒板の方に向かい担任の横に立つほとけっち

ほとけっちがそう言うと 　みんな口を揃えることなくバラバラに答える

だがやはり一番多いのは6組のようだ 男子にも女子にもそう答える人が多かった

ほとけっちがそう言ってくじの入った箱の中に手を入れた

しばらく箱の中に手を入れたままのほとけっち 結果まで焦らされるこの時間が緊迫感を漂わせる

不思議とみんな黙りだし 静かな空間にみんな真剣な表情を浮かべていた

そう言って1枚の紙切れを握っている手を上にあげた

そう言ってほとけっちは席に戻る

担任はほとけっちから貰った 綺麗に折り畳まれた紙切れを丁寧に開く

微妙な反応をする担任にほとけっちが問いかける

今という今まで俺としょうちゃんは 動きをとめ無言で担任を見つめている

そう言ってほとけっちの次にまたも担任に焦らされる俺たち お前ら絶対に楽しんでただろ

そう担任が言うと 女子たちが一斉に叫びだした

しかもそれを差し置いてほとけっちがそれ以上に叫ぶ

そんなみんなが喜んでいる最中

俺は絶望に浸っていた

あれから数日

ようやく種目が決まったらしい

なんか人数不足で2つやりたい人はやれるらしいんだけど…

しょうちゃんどこ行ったなぁ……

え？俺？俺はね……

残念ながら二人三脚になりました…w

玉入れにはなれなかったし…

しょうちゃんもほとけっちもいない二人三脚になったし

なんか先生いわく二人三脚人気なさすぎたんだって

だからって俺入れるのよくなくない？ ひどくない？

あんまり会いたくなかったからちょっと気まずい……

嫌だけど言えるわけねぇ

なんで俺なんだよ

そう言ってまろが入ると教室の空気がガラッと変わる

そして瞬く間に女子がまろの周りを囲んだ

………俺入れなくね…？

そうまろが一言言うと一斉に女子が道を開ける

まろってやっぱやばいやつなんじゃ……

眼の前の女子たちに気が付かれないように すごい小さな声で隅の方を歩いて入っていく

教室を見回したがやはり知り合いらしき人は見当たらない

やべっ

変な声でた 俺も聞いたことないような声出たんだけど

後ろに女子を沢山連れたまろがそう言ってきた

………お前とあんま関わりたくないんだけど…

てかいつになったらペア決めに入るんだよ 早く決めようぜマジで

なんかもう色々とだめな気がする フラグがもう………立っている気がする

一通りの説明が終り 今現在は自由に相性の良いペアを決めている

俺はまぁ……余った人と組めばいいや

……で、隣はというと……

まぁ……みたいな感じでずっと誘いを断ってるんだけど

さっきから足速いやつとか誘いに来てたよね？ なんで断ったん？

まぁそれはごもっとも 俺だってできればしょうちゃんかほとけっちと組みたかった…(泣)

あの二人だったら文句言わずに練習 付き合ってくれると思ったのに…

しょうちゃんはまだしもほとけっちまで 別のところ行っちゃったし

……………

さっきからまろにずっと見られてる気がするのはなぜ？？？？

すげー圧かけられるんだけど……

このパターンはあれだ

絶対に頷きたくないが 俺の選択肢は頷くことしかできないようだ

知ってた 知ってたけど

周りの視線が痛い……… 特に女子の

今度こそマジで殺されそうです

正直に言うと組みたくない だけどこの流れで断ると逆に殺されそう

俺に選択肢は与えられないのだろうか 俺に拒否権はないらしい

え、まって そうなると週3でまろと会うの…？？？？？？

……………きっっっつ

無理でした ごめんしょうちゃん しょうちゃんと練習できる時間はないっぽい

そう言って満面の笑顔で手を握ってきてまろ

イケメンってボディタッチが多いよなぁ……

そんなときにふと空き教室のことを思い出した

絶対に密室に2人きりになるのはやめようと心に誓った