テラーノベル
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ないこの中で、ずっと沈黙を守っていた声があった。 それは、誰にも知られず、誰にも触れられず、 ただ静かに、冷たく――痛みの中に佇んでいた。
ないこ
目の前に現れた“少年”。 泣きそうな目で、それでも一言も発さず、 ただこちらを睨むように見つめていた。
累
ないこ
累
静かに、けれど確かに、 ないこの心臓が“痛み”として軋んだ。
冬心
累
ないこ
累
その叫びは、刃のように響いた。 誰にも届かなかった悲鳴。 誰にも抱きしめられなかった涙。
累
ないこ
その言葉に、累は初めて―― ほんの少しだけ、顔を歪めた。
累
ないこ
ひとつの心が、割れながらも、確かに繋がった。 痛みも、憎しみも、喪失も―― そのすべてが、誰かを愛する力に変わっていく。
【第九話 了】
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