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カナタ

そして最後に
俺から予備の説明をしよう

アーロン

……は?まだあるのか?

カナタ

……
この体育館棟は西階段と東階段がある

カナタ

ここ「体育館裏」も、西階段と東階段のように2つあるんだよ

カナタ

ちなみにこっちは東側
そして扉には立ち入り禁止の紙を貼ってあるから

カナタ

先輩方がこっちの体育館裏に来ることは無いよ

アーロン

……ーという忠告
わざわざ逮捕したい俺にしてくれたのか

アーロン

随分優しいもんだな

カナタ

ありがとう
転入生なりの気遣いってやつだよ

アーロン

……

アーロン

余計なお世話だ

アーロン

そんな事言われなくても余裕でボタンを押してみせるさ

アーロンはそう言うと 体育館裏の裏口から校庭へ出た

バタンっ……

カナタ

……

#28 影

俺はこれから 職員室に向かう!

事情はまたあとで話そう

……そういえば、 校庭を隠れることはもう慣れてきたな

確かに生徒はバラバラいるけど

これくらいの困難は 「なんとか交わす」でやってけてる

アーロン

(そしてなんとか交わしている最中)

アーロン

(ボタンを押すための外野からの協力)

アーロン

(グリナ達を頼らなければ……!)

そう考えたアーロンは グリナに携帯電話で着信をかける

プルルルルルル……

プルルルルルル……

プツッ

ミラコ教師

アーロン君……

アーロン

先生!?

ミラコ教師

ごめん、私たちはもうアーロン君とは関わらないよ

アーロン

え……

ミラコ教師

君は人殺しの可能性が少しでもある

ミラコ教師

まだアーロン君が本当に殺していないのか
断言して否定してあげることは出来ない

ミラコ教師

だから……
「生徒の命を守るため」に

ミラコ教師

アーロン君とはもう関わらないって決めたの

アーロン

な……っ

ミラコ教師

ごめん

ミラコ教師

……私達も考えたのよ

プツッ

アーロン

……

アーロン

……

アーロン

……っ

アーロン

(俺は今昇降口前にいる)

アーロン

(だけど昇降口にはいないのだ)

アーロン

(なぜならこういう状況だからだ)

※アーロンによる渾身の表現㉒

さっきも言ったが

アーロンは 職員室に行くことにした

あのボタンを押すためには まず先輩方の排除が必要

そこでアーロンは 職員室にある予定表を いじることを決めた

アーロン

(予定表に先輩方は本当は教室での集会だったと嘘を書き込めば)

アーロン

(それに気づいた大人が先輩方を体育館から移動させてくれるかもしれない……!)

だけど

アーロン

(うううううういるうううう)

アーロン

(なんだアイツらは、仲良い女子集団か)

アーロン

(こんな所で話やがって……
昼休みは今さっき終わった、何をしてんだ)

アーロン

(とにかく俺はアイツらが移動しないとこの死角からは抜けられない)

アーロン

(どうしよう こうもしている間に)

垂れ幕が下がる時間が

刻々と迫っている……!

アーロン

……っ

女子生徒

……ん

女子生徒

もしかして柱の裏にいるのって、
カズヤ?

誰だよカズヤ!!!

アーロン

(というかなんで存在がバレた)

アーロン

(俺はしっかり死角にいたはずじゃ……)

アーロン

(はっ)

太陽の影

アーロン

(太陽の光が俺の影を作っていたのか…!)

アーロン

(影が柱からはみ出してしまい
それで女子生徒に気づかれる!!!)

アーロン

(カズヤというのはきっと髪型とか体格が似ていたからだろう)

女子生徒

そんな所で何してるのー?
カズヤも授業サボり?カズヤらしいね

アーロン

(だから誰なんだよカズヤ!)

アーロン

(というかこの女、俺の方に近づいている?)

アーロン

(マズイ、足音が大きくなってる!!!!)

アーロン

(今すぐ昇降口に駆け抜けたいが)

アーロン

(生憎ほかの四人がいる……!)

アーロン

(俺に与えられたルートはこの2つ)

アーロン

(まずAの赤い線だ)

アーロン

(きっとこれが1番やりやすい)

アーロン

(だって4人の生徒の後ろを通り抜けることが出来るからな)

アーロン

(だけど問題は金髪の女子生徒)

アーロン

(俺のことを追っているから
ルートが長く後ろから見つかってしまうのだ)

アーロン

(……そしてBの赤い線)

アーロン

(ルートは短く金髪の女子生徒にも見つからないが)

アーロン

(4人の視界にバッチリ俺が映ってしまうのだ)

アーロン

……っ

アーロン

(どっちにしても危険すぎる 特にBの赤い線はまず無いだろっ!)

アーロン

(じゃあと言ってAの赤い線を選ぶか?
それもまた違う)

アーロン

(リスクが高すぎる……)

アーロン

(いや、違う)

アーロン

(リスクが高くたってなんでもいい)

アーロン

(見つかるかもしれないのなら)

女子生徒

カズヤくーんっ

アーロン

……っ、、、!!!

全速力で 走るのみ!!!!!

アーロン

Aだあああああああああああ!!

ドバァッ……!

アーロンはAの赤い線に沿って 全速力で昇降口へ入った

女子生徒

あれ!?
カズヤ!?どこ!?

女子生徒

……もーっ 走るの早いんだからっ!

女子生徒

思わせぶり、、

女子生徒

しないでよねっ///(?)

アーロン

……はぁ、はぁ

アーロン

(よし、なんとか職員室についた)

アーロン

(きっと今は授業中で先生も少ない)

アーロン

(隠れつつも予定表に嘘を書き込む…!)

そうして職員室のドアノブを

ゆっくりと開けようとした途端

アーロン

……え?

ガタッ

ガタッガタッ

アーロン

あれ、なんで

アーロン

え……っ、、なぜ、、!

ガタッガタッガタッガタッガタッ

職員室の鍵が

閉まっている

アーロン

……っ

カナタのやつ

ジュールの時と同じ 少し手加減をしてくる奴だと思えば

本気の本気で

俺を逮捕させたいのか……!!

カナタ

ククッ……

カナタ

大丈夫なのかな
もう時間は半分を切る頃だけど

カナタ

可哀想にアーロン君

カナタ

本当の人生の終わりが

カナタ

ようやく目に見えてきたんじゃないかな

垂れ幕が下りるまで

あと15分

次話 7月4日更新!

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