愛紗
愛紗
明日夢
愛紗
母ちゃんの言葉が突き刺さる
俺は母ちゃんに会いたくてここに来た
母ちゃんに会いたくて
母ちゃんと話してみたくて
じいちゃんのタイムマシーンを使った
未来の母ちゃんとは話せないから
過去の母ちゃんとなら話せると思って
二十四年前の過去に飛んだ
その頃の母ちゃんは別の人と恋をしていて
色々あってその人と別れて
親友だった人とも疎遠になってしまって
母ちゃんは酷く落ち込んだこともあったけど
その後、父ちゃんと再会して付き合うことになって
更に父ちゃんからのプロポーズを受けて
二人は結婚の約束をした
俺は最後まで母ちゃんの幸せを見届けたかった
真実を悟られないように
ただただ幸せな母ちゃんの姿を見たかった
でもやっぱり隠せない
明日夢
明日夢
俺は嘘が下手なのか
精一杯、誤魔化したつもりだったけど
母ちゃんはずっと疑り深く俺のことを見ていた
愛紗
明日夢
必死に言い訳を並べ立てても
母ちゃんには通用しない
愛紗
明日夢
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
額から汗がにじむ
俺が何も知らないのは
父ちゃんが過去のことをあまり話してくれなかったからで
その事は母ちゃんにも話していた
でもそれが俺を疑うきっかけになってしまった
母ちゃんは話し出したら止まらなくなるタイプだから
俺が何も知らないのは凄く不自然だと思ったらしい
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
本当のことなんて言えない
言えば母ちゃんは確実にショックを受ける
けれどこのまま隠し続けることはもうできない
俺はこれからルールを破る
ルールを破って母ちゃんに伝える
多分、一番やっちゃいけないことだし
もしかしたらこの場で俺は消えてしまうかもしれない
でももう無理だった
愛紗
明日夢
愛紗
愛紗
愛紗
明日夢
明日夢
明日夢
愛紗
明日夢
母ちゃんは計画分娩で入院するため
病院に向かう途中だった
でもその途中で陣痛が来てしまい
母ちゃんはその場に倒れた
そこに車が……
直ぐに救急車が来て病院に搬送されたけど
母ちゃんは意識のない中で俺を出産し
そこからずっと眠り続けたまま
愛紗
言ってしまった
じいちゃんとの約束を破ってしまった
明日夢
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
母ちゃんは幸せになれる
事故に遭うこともなく
父ちゃんと二人で幸せに……
愛紗
愛紗
愛紗
明日夢
愛紗
愛紗
明日夢
その言葉に涙が溢れる……
母ちゃんが幸せになれるなら
俺は消えてもいいと思った
でも母ちゃんは俺のことを大切に思ってくれていた
それが何よりも嬉しくて
涙が止まらなくなってしまった
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