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銀木犀

よし!交渉成立!

銀木犀

そしたらまず、外に出ようか

銀木犀

君は、何がしたい?

不葉

……外に行かなきゃダメなの?

銀木犀

え?

銀木犀

い、いや…

銀木犀

年頃の男の子全員わんぱくなのかと…

不葉

この世界を知らなさすぎるでしょ

不葉

そもそもっ!

不葉

なんで僕がここに居るのか…っ…

やばい

大声出したから痛みが再発しやがった…

不葉

くそが…っ……

銀木犀

え!?ちょ!?君!?

銀木犀

大丈夫?

不葉

…もういい

不葉

部屋から出ていってくれ

不葉

また明日にでも来てくれたらそれでいい

銀木犀

……分かった

銀木犀

急にごめんね

銀木犀

私が悪かった

銀木犀

また明日、気が向いたら部屋に入れてくれたら嬉しい

銀木犀

じゃあ

銀木犀

(……)

銀木犀

(なんだ…?あれは…)

銀木犀

(この世界を憎んでやまないあの顔は…)

銀木犀

(そもそも寿命と引き換えに行う召喚ってなんだよ)

銀木犀

(今まであいつらはあの子の寿命を使い捨ていただけかよ…)

銀木犀

(しかも短命の子供から?)

銀木犀

ありえねぇだろ…

銀木犀

(そりゃ、この世界が憎くなるわ)

銀木犀

(でも…聞いていた話と違うな)

銀木犀

(彼女はあの少年がこの国のトップになってると思っていたのか?)

銀木犀

(…まぁいいか)

銀木犀

(いや良くない)

銀木犀

(あんなに可愛い子にあんな顔させるとか…)

銀木犀

全員殺してやろうか…

ポタ、と何がが滴る感じがして下を見る

……血?

はて、と思い口に手を当てるとぬるっとした感覚に違和感を持った

銀木犀

…切れてる

銀木犀

(そうだ…血だ、血だよ)

銀木犀

(あの子の為に…やらなきゃ)

不葉

…ん

不葉

んぁ…?

不葉

あさ…?

不葉

……朝?

あれ…僕昨日…

痛みに耐えようとベットに横になった所まで覚えている

つまり…

不葉

(そのまま寝たのか僕…)

コンコン、と部屋のドアが叩かれる

銀木犀

もしも〜し

銀木犀

起きてますか〜?

不葉

…起きてる、入って

銀木犀

!!

銀木犀

じゃ、失礼しま〜す

部屋のドアが開けられる

新鮮な空気と共に優しいけど忘れられない香りを漂わせる美女が入ってきた

銀木犀

おはよ、よく寝れた?

不葉

…まぁ、それなりに

不葉

そっちは?

銀木犀

ん〜可もなく不可もなくって感じ?

銀木犀

…部屋に入れてくれてありがとう

銀木犀

もう痛みは無い?

不葉

……無い

銀木犀

そ、ならよかった

銀木犀

それじゃあ寝起きで悪いんだけど

銀木犀

君の名前は?

不葉

え?

不葉

僕、言わなかった?

銀木犀

私の記憶の中では

不葉

…不葉

銀木犀

不葉か…

銀木犀

かっこいい名前だねぇ…

不葉

そういう君こそ

不葉

名前、金木犀では無いんだね

銀木犀

…金木犀?

不葉

黄色い花を持つ特別な花だよ

不葉

この世界で金木犀は人としては存在しておらず

不葉

刀として王宮が管理してるよ

不葉

言えばくれるんじゃない?

不葉

使える人居ないから倉庫にしまったままだし

銀木犀

今度聞いてみる

銀木犀

それにしても

銀木犀

部屋にずっと居たのによく知ってるね

不葉

……時間潰しに

不葉

勉強してたからね

銀木犀

え…

銀木犀

えら…

銀木犀

私なんにもしてないそういうの…

不葉

え、嘘でしょ?

銀木犀

いやこれが本当なんですね…

不葉

えぇ…?

銀木犀

え、そんなに困惑する?

銀木犀

と言うかそんなに世界について詳しいなら私に教えてよ

不葉

……別にいいよ

「おはよ」なんて言葉

何年振りに聞いたんだろ

不葉

……で、この世界では家柄で仕事が振り分けられるから

不葉

生まれてくる家によって仕事は多種多様って感じ

不葉

みんなその仕事に熱心でいい人ばっかりだよ

不葉

…ねぇ

銀木犀

ん〜?

不葉

聞いてた…?

銀木犀

もっちろん!

銀木犀

最初だけ!

不葉

……

銀木犀

…えへ

不葉

えへじゃねぇよ…

銀木犀

この世界は花言葉が全てって言うことを知ったよ

銀木犀

じゃあ彼岸花とか藤の花とか向日葵とかは居るの?

銀木犀

それに金木犀の花言葉は「隠世」だけどそれはいいの…?

不葉

「隠世」?

不葉

なにそれ

銀木犀

ん〜…

銀木犀

超簡単に言うと「妖怪の世界」?

銀木犀

「あの世」?とかそういう系

不葉

……こっちの世界にそんな花言葉はついてない

不葉

銀木犀の世界特有のじゃない?

銀木犀

ありゃ?そうなのか…

不葉

それとさっきの質問の話だけど

不葉

彼岸花はそりゃもう高貴な人だよ

不葉

まだ観測されてないけど生まれてきたらこの世界は崩れるって聞いてる

不葉

藤の花と向日葵は今代には居ない…かな?

不葉

…なんでピンポイントでその花?

銀木犀

いや、気になっただけ

銀木犀

……

不葉

……?

銀木犀

よしっ!考えるのやめた!

銀木犀

ねぇ!金木犀の刀ってどこにあるの?

不葉

…もしかして欲しいの?

銀木犀

もちろん!

銀木犀

だっていかにも「私」って感じじゃん!

不葉

そうか…?

銀木犀

そうだよ!

銀木犀

そうに決まってる!

銀木犀

ねぇ、知らないの?

不葉

……知ってるは知ってるけど

不葉

渡してくれるのか知らないよ?

銀木犀

それでも!

銀木犀

当たって砕けろ〜!!

銀木犀

って感じだから大丈夫

不葉

メンタル強すぎない…?

銀木犀

それで?どこにあるの?

不葉

僕も詳しい話は知らない

不葉

メイド長とかに聞いたら?

銀木犀

あ〜なるほど…

銀木犀

…よし!不葉も行くよ!

不葉

え?僕はここで…

銀木犀

気分転換したい気分なの!

銀木犀

付き合って?

不葉

……分かった

不葉

しょうがないから付き合ってあげる…

銀木犀

ありがと!

銀木犀

よし!向かうぞ〜!!

不葉

(初めて呼ばれる以外で部屋から出た…)

銀木犀

あ!あの人なら知ってるかな?

銀木犀

召喚の時も居たよね?

不葉

……いいと思う

不葉

僕はここで待ってるから

銀木犀

ん、オッケー

……不思議な人だ

誰も見向きすることは無い花を欲しがるなんて

…まぁ、あんなに少ない寿命で呼び出される時点で変な人か

……………でも

銀木犀

見て!不葉!

銀木犀

本当に貰えた!

不葉

え、うそ

銀木犀

ほんと〜!!

銀木犀

ほら!見て!

そう言われ見せられた刀は

まるで主を見つけたような輝きを放っていた

第3話・外の外

枯れる前の夏、最期は優しい香りで

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コメント

3

ユーザー

不葉さんにとって銀木犀さんはまだ不思議だけど何故か自分のそばにいてくれる人、って感覚なんだろうな……🙄🙄 ってか、不葉さんが世界のことを説明してるのに最初しか聞いてないなんて……w銀木犀さんらしいね……w え、え、え!?金木犀の刀が銀木犀さんを主として認めてる、ってこと……!?しかも不葉さんも金木犀の刀が光ってるのを見たことがなさそうな感じだし……ええ、凄っ……😳✨

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