そこからは早かった
橙
青
赤
青
青
黄
自分に素直になる決心をした僕は、素の自分で4人に接することを決めた
ようやくできた数年来の信頼できる大好きな人たち
家の環境は何一つ変わっていないけれど、
「学校」という居場所、逃げ場ができたことは僕にとって大きな一歩だった
登校時も、昼休みも、下校時もずっと一緒だった
家でのことや昔のことを思い出してパニックを起こしてしまったら、
いつもさとみくんが抱き締めて背中をさすってくれる
その温もりが大好きだった
あの日誤魔化してしまったから、4人は母親のことを知らない
いや、知らなくていい
僕の苦しみも、痛みも、全て僕だけが知っていればいい
これ以上みんなに迷惑をかけるわけにはいかなかった
もうすっかり涼しくなった秋初めのある日の朝
母の機嫌が悪かったせいで、いつもより遅くに家を出た
みんなと一緒に登校しなかったのは久しぶりのことだった
ガラガラガラガラッ
教室のドアを開ける
いつも僕を見ればすぐに飛び付いてくる莉犬くんが来ない
不思議に思いつつ集まっている4人の元へ向かう
青
赤
青
莉犬くんが深く蔑んだ目で僕を見る
家以外でこんな目で見られるのはひどく久しかった
莉犬くんだけでなく教室中から同じような視線を向けられている気がした
グスッ..ヒグッ..
青
ふと誰かの嗚咽が聞こえる
反射的にそちらを見ると、クラスメイトに囲まれた一人の女の子
もぶ
僕と目が合うと体を震えさせる
なにかしてしまったかと記憶を探るが、身に覚えがない
どころか、名前が分からないくらいには関わったことのない子だ
モブ(使い回し)
モブ
クラスメイトたちは口々にその子にそう告げるとこちらを睨む
訳が分からず動揺が隠せない
無意識に後ずさりをしていて、
トンッ
背中に何かが当たった
青
橙
青
ガッ
青
お腹に衝撃が走る
突然のことに受け身が取れず直に痛みを受けた
橙
しりもちをついた僕の襟を引っ張る
笑顔を届けてくれるいつもの最強エンターテイナーの面影はなかった
青
みんなの軽蔑の目、泣いている子、その子を庇うクラスメイト
悟ってしまった、自分の運命を
橙
青
...抵抗するだけ、無駄だ
青
桃
さとみくんの動揺した声が耳に届く
僕を悪役にしたいんだろ
なってやるよ
青
青
何故か動揺しているジェルくんの腕を退け立ち上がる
さっきよりも視線がチクチクした
ま、もうどうでもいいけど
橙
青
バチンッ
怒ったジェルくんの顔が近付くよりも前に、頬が熱を帯びる
青
青
桃
桃
信用してた?
あの場で僕が否定すれば味方してくれたの?
青
青
桃
青
青
ほぼ、自分に言い聞かせてる言葉だった
こっちが勝手に信用していただけ
みんなに裏切られた訳じゃない
桃
青
桃
青
黄
るぅとくんが、心底呆れたという溜め息を漏らす
一度悪役に回れば、もう主役に戻ることはできない
だから
悪役は最期まで
悪役らしく生きなきゃでしょ?
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コメント
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さとみくん…信じてあげて……